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共通テストの「英語民間試験」と「記述式問題」の導入について

今回は、2025年の大学入試共通テスト(現在の中3生が受験する年)に関する記事を紹介します。

「英語の民間試験の活用」と「記述式問題の導入」について、正式な決定はまだなものの、実施は困難として断念する方向に向かっています。

昨年度も導入が見送りになったこともあり、かなり長期にわたって話題になっています。今回はその一連の流れを整理していきます。

【入試改革の目的】
・「知識偏重の1点刻みの選抜」からの脱却
・読む」「聞く」に加え「書く」「話す」も含めた英語の4技能を評価するため

→この2つをクリアするために当初提案されたのが、
「英語の民間試験の活用」と国語と数学における「記述式問題の導入」になります。
もともとは、昨年度実施の共通テストから導入される予定でしたので、すでに一回見送られています。

【それぞれの課題】
(英語の民間試験の活用)
・地方では試験や会場数が限られるおり、受験機会や移動に伴う経済面で格差が生じる。
・受験料が高額で、経済的に厳しい家庭の受験生への減額措置が試験団体に委ねられるている。

(記述式問題の導入)
・50万人以上の答案を短期間で採点できるほどの質の高い採点者を確保が困難
・民間の採点事業者が業務で知り得た情報を漏えいの心配
→英語の民間試験導入の発表があった1ヶ月後に見送りを発表されています。


【今回の提言では】


今回の提言案でも、前述したような課題がクリアできないことから実現は難しいと述べられています。一方で、各大学の個別試験では導入を進めていくべきだという指摘もしています。

それでは、今までの大学入試のように、記述問題は各大学の個別試験に任せればいいのではないかと思いますが、文科省が20年に実施した調査によると、

ほぼ全ての国立大学が記述式問題を出題していた一方で、私立大学では54.1%にとどまっていたようです。

大学の規模が大きくなるほど、採点に手間のかかる出題形式を避ける傾向があるようで、共通テストの記述問題が見送られた理由と類似しています。そうなると「各大学に任せる」だけではなかなか難しいことがわかります。

今後も入試に関わる話題は定期的に扱っていくので、ぜひご確認ください。


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