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水曜日が消えた

あらすじ


幼い頃の交通事故により、曜日毎に人格が入れ替わる後遺症を負った青年。
月曜日から日曜日まで、7人の"人間"が入れ替わり立ち代わりひとつの体を使い、1人分の人生をそれぞれ生きている。
“火曜日”は、他の“曜日“が自分への迷惑を考えずに好き勝手に生きていること、自分の1年が普通の人の7分の1しかないことにやり場のない不満を覚えていた。
彼の日課は、他の“曜日“が散らかした部屋の掃除や、巻き起こした問題の後始末。
治療に欠かせない定期通院は、自由奔放な他の“曜日“たちが嫌がるのでいつも彼の担当。
趣味の読書は図書館が火曜定休の為、借りたいものが借りられず捗らない。
7人の中で明らかに貧乏くじを引いている“火曜日”だったが、ある日目覚めると、いつもと違う朝の気配を感じる。
“火曜日”に“水曜日”がやってきた。

感想

この作品は設定がよく作り込まれていて、上映開始からグッと作品の世界に引き込まれてしまいました。
あらすじに書いた通り、この作品は要するに多重人格をモチーフにした作品です。
あまり詳しくはないけど、ジャンル分けするならサイコミステリーとかサイコスリラーという風になるのかな?
でもこの作品は従来の多重人格を題材にした作品とはちょっと違うかもしれません。
作中でも"火曜日"自身が言及しますが、従来の作品では多重人格は「二面性を持った殺人鬼」というような「モンスター」的な描かれ方をされることが良くあると思います。
でも、この作品では「人格の分裂を用いて逆に人との繋がりを描く」ということをしています。
これは多重人格という題材の表現の幅を上手く広げられたんじゃないかな、と思っています。
混乱する世界情勢の中、今後「人との繋がりを描く映画」というのはより一層求められると思うのですが、表現の可能性が広がるのは良いことだと思います。
主演の中村倫也さんは、メインが火曜日とはいえ、月曜日から日曜日まで合計7人分演じているので大変だったと思いますが、演じ分けがよくできていてすごいなと思いました。ギャラも7人分貰わないと割りに合わないかも(笑)

こんな方にオススメ!

多重人格モノが好きな方

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