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【読書記録】満月の輝く夜に会えるかな|満月珈琲店

実は桜田千尋さんの描く満月珈琲店が好きで、SNSで見ていた。ゆらりゆらりとKINDLEストアを見ていたときに視界に流れてきたのがこの本。もしや、あのイラストじゃない?と思って、おお?という感じで読み始めた。

そして吸い込まれるように読み進めた。

私はいつもベッドで寝ころんでから本を読む。ごろごろしながら、うたうたと読んでいる時間がすごく好き。夢に迷い込んだようなこの本を読んでいると、夢なのか現実なのか、むにゃむにゃとしながら最後までページをめくった。


満月アイスのフォンダンショコラ

悩んでいる人の前に、きらりと開店するのが満月珈琲店。そんな悩みや苦しみが自分だけのもので自分ひとりで抱えて乗り越えていくもの、そんなものではないと言える。

このフォンダンショコラが出てきたその人は、不倫をしてしまったのだと。それも芸能人なのに。でもそれはそういう不運が降りかかってきて、人々に恨まれてしまう、そういう星なんだとか。

そうやって、今の自分の状況と星の動きを詠んでもらう。

ネコに。


夢に出てきてほしくなってしまう。私の夢に。
ネコがいる珈琲店で甘いスイーツを食べながら、「仕事で頑張りきる方法が分からなくて、エネルギーが有り余っている。自分で考えて学んで、たくさん挑戦して、そうやってやりたいのにエネルギーの持って生き方が分からない。」と相談したい。もうこれはただの人生相談か。

でもそういう誰かが自分の人生を考えてくれる、という経験が何か心の支えになるんだと思う。解決するかしないか、ではなくて、ひとりじゃないということが、何か大きな柱となってくれる。

気づくことの背景ってそんなもんだと思う。

もしかしたら「今は悩む時期」なのかもしれないし、「周りを気にせずに突っ走る時期」なのかもしれないし。それがどうであれ正直いい。だって、満月珈琲店はいつだって正解はくれない。そもそも人生にたぶん正解はないし。

でも今はこういう時期で、まぁだいじょぶっしょって。それだけ。そのことだけ、誰かに言ってほしい。

そういうときってあるよね。きっと。


好きな言葉

この世にあるのは、「自分のしたことは、自分に跳ね返ってくる」という鏡の法則。誰かを傷付けたら、それは大きく跳ね返ってくる。

それは、恋愛だけじゃなく、すべてに対して正しくあろうとすることを優先しすぎて常に本当の気持ちは二の次だった。今、ようやく自分の素直な心を認められたのだ。

「かき集めた勇気は『拒絶』という強風を前にすると、簡単に吹き飛ばされてしまうものなのよ」って、「食い下がれるというのは、自信がある人だけ」だって

やさしい言葉の並びの中に、強い意志を感じるものが多かった。どうしてもくじけてしまうこと、自分の素直な気持ちに言い訳をしてしまうこと、なんかイラっとすること。気持ちにはいろんな気持ちがあって、自分に対してだったり仲間に対してだったり、世の中に対してだったり。

その自分の気持ちに気づかせてくれる言葉は、全く違う状況にある私の心にも響くものが多くて。もっと楽に生きていいんだよな、もっと強い勇気をもって生きていいんだよね、と背中を押してもらえた。


本のこと

あらすじ

満月の夜にだけ現れる満月珈琲店では、猫のマスターと店員が、極上のスイーツやフードとドリンクで客をもてなす。スランプ中のシナリオ・ライター、不倫未遂のディレクター、恋するIT起業家…マスターは訪問客の星の動きを「詠む」。悩める人々を星はどう導くか。美しいイラストにインスパイアされた書き下ろし小説。

紀伊国屋書店HP

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