汐 / nagi

旅好きな社会人1年目。春から海外移住。トトロに会うことが夢。旅先でまったり読書するのが…

汐 / nagi

旅好きな社会人1年目。春から海外移住。トトロに会うことが夢。旅先でまったり読書するのが好き。

最近の記事

【読書記録】人情は人生の助けになる|「のび太」という生きかた

「ドラえもんの道具でひとつだけ手に入るなら?」 それは「無人島にひとつだけ持っていけるなら」とか「うんこ味のカレーとカレー味のうんこを食べるなら」と同じくらい小学生のときに考えたことだった。どこでもドアかタケコプターでよく悩んでいたけれど、テスト前は暗記パンが欲しくなったり、透明マントで親に隠れてずっとゲームをしていたくなったり、あの道具で夢を描いたことがたくさんあった。ちなみに四次元ポケットと答えるのは、ナンセンスという暗黙の了解があったと思う。 と、そんなころは何も考え

    • 【読書日記】辻村さんの世界観が|鏡のない夢を見る

      今回手に取った小説は、5つの物語がつづられていた。 ・仁志野町の泥棒 ・石蕗南地区の放火 ・美弥谷団地の逃亡者 ・芹葉大学の夢と殺人 ・君本家の誘拐 以前読んだのは、コンビニ人間。どの話にも、現実の世界にあるようなないような、違う世界を見ているような、実は現実に潜んでいる闇のような。その世界観が楽しいけれど、少し怖くて、ちょっと怖くてどきどきして読んでしまう。 もしかしたら人の心の中に潜んでいるような、少し手を伸ばせば届いてしまうような世界がある。その中に一瞬で引き込ま

      • 【読書日記】夫人かっけぇ|かのこちゃんとマドレーヌ夫人

        子どものころ、ねこを追いかけて、壁を乗り越えちゃおうと思ったことが何度もあった。ねこの恩返しを観て、町中でねこに話しかけられて、どこか違うねこの世界に行ける日が来るのかもと夢に見たことも。なーんてことは全く起きないし、自分の身近なところにねこはいないし、その夢はどこか遠くに飛び立ってしまったまま帰ってこない。くそ~。 大人になってからも変わらずねこに話しかけられることはないし、のらねこには威嚇されるし。友だちの家のねこには、何度会っても一定の距離を保たれている。いつかねこの

        • 世界の中心にも行ったことはないし、愛を叫んだこともないけれど

          日本の南にある国オーストラリアには、世界の中心と言われる大きな岩があるらしい。名前はエアーズロック。現地で暮らすアボリジニの人びとは、ウルルと呼んでいる。高さが350mくらいのとんでもなく大きな岩で、地球のへそと呼ばれることもあるみたい。 と調べて得た知識をとぼとぼと書いてみた。行ったことはない。まん丸の地球に中心があるのか、そんなことは問題じゃない。 そこはアボリジニの人びとにとってはすごく神聖な場所で、いろいろな儀式に使われていた。成長の過程や出産、、、そう生きる上で

        【読書記録】人情は人生の助けになる|「のび太」という生きかた

          【読書記録】親の証はなんだろう|そして父になる

          私には子どもはいない、というかパートナーもいない。だから父になる、とか母になるとか。それは分からない。けれど、かろうじて教員をしているからか、子どもと親を客観的に見ることはできる。 家族と子ども子どもは親がどうであれ、ある程度は親が好きだ。話し方も考え方も、しぐさも、親に似ている。それは学校で過ごす数時間では大きく変えることが難しいくらいに心に住みついている。きっと本人が気がつかないところまで。 でも親は案外気がついていないもの。良いことも悪いことも、自分の子どもがそんな

          【読書記録】親の証はなんだろう|そして父になる

          【読書日記】実は私もこんなアパートに住みたいと思っていた|れんげ荘

          子どものとき、壁にヒビが入っている団地の4階に住んでいた。夏は網戸のすき間から蚊がプーンっと入ってくる。とくに台所の横の網戸には、おおきな穴が開いていて、セロハンテープを張って過ごしていた。冬はすき間風があらゆる場所からぴゅーぴゅーはいってくる。よくこたつの布団をひとりでかっさらって、丸まって過ごしていた。 そこにはおしゃれなおばさまも若いお姉ちゃんもいなかったけれど、どこか人のぬくもりを感じる家だった。隣の友だちのお母ちゃんに叱られたり、夕方はどこかの家のお風呂から歌を歌

          【読書日記】実は私もこんなアパートに住みたいと思っていた|れんげ荘

          【読書日記】自分は自分、相手をどう思うかも自分|火花

          あまり表情は変えず、たまにニヤッとした顔で鼻で笑う。あの又吉さんから醸し出される独特の雰囲気が好きだ。ただすごく申し訳ないことに、漫才やコントをあまり知らない…。どうしてだろう、たぶんよくテレビでやっていたと思うのだけれど、もうバラエティー番組に出てきているときしか知らなくて。 ただコンビとしてではなく、又吉さんがひとりで出ている番組や動画はよく見る。カルチャーや本に対する姿勢がすごく好きで、又吉さんの好きなカルチャーが私も好きだから。 今になって知ったのだけど、又吉さん

          【読書日記】自分は自分、相手をどう思うかも自分|火花

          【読書記録】見えない可能性ってきっとどこかにある|無限大ガール

          都合よく助けてくれる「いい人どまり」の人っている。寝ていた授業のノートを見せる人、教科書を貸す人、出席カードを押す人。いつになってもいて、その人はどういう気持ちでそうしているんだろう、と思う。 申し訳ないことに、私はやる側だった。 断れなくて、ほんとに善意で、なんかそういう役割で、いろんな人がいるんだろうな。 いい意味での八方美人主人公は、いろんな部活にハケンで行く早奈。ちなみに私のイメージは、ショートカットで少し堅めの髪質の小麦色の女の子。前髪が伸びてくるとちょんまげ

          【読書記録】見えない可能性ってきっとどこかにある|無限大ガール

          【読書記録】私も思った、ざまあみろと|最後は臼が笑う

          日本のバラエティ番組ですかっとジャパンみたいなのなかったっけ?それを観たときような気持ちになれた。あんまり観たことないんだけどね。 電車で人間観察をするのが好き。この人小指立ててスマホをタッチする人なんだ、電車の停止時間が伸びると貧乏ゆすりしちゃうんだ、つり革を持っている手に頭乗せちゃうの分かる~という感じで。 でもそこに誰かの不幸をひっそりと喜んでいる人がいたらどうだろう。 私は出会ったことがないけれど、その人を回避すると思う。それに真正面から突撃する。おもろい。この

          【読書記録】私も思った、ざまあみろと|最後は臼が笑う

          【読書記録】満月の輝く夜に会えるかな|満月珈琲店

          実は桜田千尋さんの描く満月珈琲店が好きで、SNSで見ていた。ゆらりゆらりとKINDLEストアを見ていたときに視界に流れてきたのがこの本。もしや、あのイラストじゃない?と思って、おお?という感じで読み始めた。 そして吸い込まれるように読み進めた。 私はいつもベッドで寝ころんでから本を読む。ごろごろしながら、うたうたと読んでいる時間がすごく好き。夢に迷い込んだようなこの本を読んでいると、夢なのか現実なのか、むにゃむにゃとしながら最後までページをめくった。 満月アイスのフォン

          【読書記録】満月の輝く夜に会えるかな|満月珈琲店

          【読書記録】閉じてすぐに二周目を読み始めた本|花の鎖

          青いりんどうとコスモス、ビタミンカラーの花たち。そしてコマクサ。3人の女性をつなぐのは、いつだって花。そしてきんつばも。 途中で雲行きが怪しくなってくる。昔の恋人からの助け、大好きな人の死。それが後半になるにつれれ、つながっていき、最後は鎖のように固くつながれてしまう。 半分くらいで?がやってきたこれは私の話。さきに背表紙のあらすじを読んでから、これはKを考えて読む本なのか。と疑いながら読んでいた。 もしかして、この女の人たちってつながっているんじゃない?と思いながら、

          【読書記録】閉じてすぐに二周目を読み始めた本|花の鎖

          つねにそこにあるものを日常と呼ぶなら、わたしの日々はなんと呼べばいいの

          私の毎日は変わりゆく。同じものを同じ気持ちで食べることはないし、全く同じ時間を過ごせることはない。 朝起きて、早く起きたら本を読む。パソコンを触る。植物を愛でる。朝ごはんにこだわる。それはその日の自分が決める。世界がまだ眠っているときに。 早く起きれなかった日は、忙しい。そんなやりたいことなんぞ考えている隙がない。急いでエネルギーを体にいれて、お弁当箱に作り置きしてあるおかずを敷き詰めて、いろんなものをかばんにいれて家のドアを開ける。 これは日によって違う。同じ時間に起

          つねにそこにあるものを日常と呼ぶなら、わたしの日々はなんと呼べばいいの

          【読書記録】家族の形っていろいろあるのかな

          子どものとき、母親に「あんたは通販で売っていたから買って、うちにきて育ててんだよ、そんで10歳になったら食べるの。」と言われていた。 幼少期の自分、それはそれは驚いて、10歳までで食べられちゃうのか~と本気で思っていたけれど、だからといって残りの人生とかそういう概念もない。へ~って思っていて、気がついたら10歳を超えていた。 まぁいつだったかに、おばあちゃんが生まれたばかりの日の写真を見せてくれて、それであっさり解決しんだけれど。 でもそうやって、テキトーなこと言っては

          【読書記録】家族の形っていろいろあるのかな

          【読書日記】手のひらでは抱えきれないくらいの大きな愛

          高校生の恋愛とは純情で美しい。まっすぐに目の前の人を見ていて、そこに将来のことや雑念はなく、好きという気持ちがすべて、のように見える。 そんな気がする。 結婚や仕事、家庭のことがよぎることはなくて、ただ好きだから、一緒にいたいから、思い出をたくさん作りたいから。そうやって、誰かを愛して、時を過ごせることはすごくはかなくて尊い。 それを同じ高校に通っている主人公の親友くらいの立ち位置で見守ることができた。本の題名は『世界の中心で愛を叫ぶ』。 実は映画が大好きでます、森山

          【読書日記】手のひらでは抱えきれないくらいの大きな愛

          【読書日記】映画のエッセイの部分が好きでした

          見出し画像のように、寝る前にごろごろしながら読んだ本。 この本を手に取ったきっかけは、Netflixの配信でLIGHTHOUSEという番組を観たから。オードリーの若林さんと星野源さんが対談しているだけの番組。対談しているだけと言ってしまえばそれまでだが、2人の抱えている闇の部分や世の中への不満というか、そんなものが垣間見えてそれはそれは楽しかった。 『働く男』の感想正直、いろいろできるアーティストというイメージで、表に出ている有名な星野源さんしか知らなかったので、この人は

          【読書日記】映画のエッセイの部分が好きでした

          【読書日記】『きみが来た場所』私のやりたかったこと、か。

          子どものとき、将来の夢は教師になることだった。誰かが自分らしく生きるための背中を押せる人になりたいと思っていた。でも実際教師になってみるとどうだろう。 教えるべき勉強、そもそも自分らしくの自分がまだない子ども、挑戦をさせること自体は押しつけがましいのかもしれない、そんなたくさんのことがよぎる。 その結果、ただの勉強を教えるだけの教師になってしまっている。伝えたいことはたくさんあるのに、それを話すとただのつまらない大人の小言になってしまう。そうやって、今はたぶんつまならい教

          【読書日記】『きみが来た場所』私のやりたかったこと、か。