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【読書記録】私も思った、ざまあみろと|最後は臼が笑う

日本のバラエティ番組ですかっとジャパンみたいなのなかったっけ?それを観たときような気持ちになれた。あんまり観たことないんだけどね。

電車で人間観察をするのが好き。この人小指立ててスマホをタッチする人なんだ、電車の停止時間が伸びると貧乏ゆすりしちゃうんだ、つり革を持っている手に頭乗せちゃうの分かる~という感じで。

でもそこに誰かの不幸をひっそりと喜んでいる人がいたらどうだろう。

私は出会ったことがないけれど、その人を回避すると思う。それに真正面から突撃する。おもろい。このね、どうするかを話してる女子会って絶対楽しいんだよな。最高すぎる。


好きだったところ

物語の中心ではないんだけれど、女子会をしているところが好き。みんながしっかり仲良くしているグループは、お互いの幸せをまるで親のように願っている。

どうなってもいいけど、とりあえず幸せになってほしいと。

そして問題をみんなで解決する。


共感がとんでもなく大きな原動力となり、ガソリンになり、車をいきなりトップスピードに持っていける。その感じが私にとっては、どこか懐かしくてなんだかほかほかした。

こういう関係性の人がいて、集まれる距離間にいるここ。それだけで人生の幸福度も精神的な面での安定感もあがると思う。友って最強のクスリ。


好きな言葉

うちを不幸やなんて勝手に決めつけんといて。幸せの形は人それぞれやん。不幸にごっつよう似た幸せがあるねんで。

善良な男に愛されるより、あかん男に騙されるほうが燃えるんや、生きとるっちゅう実感があるんや。

むしろつるりと人の注意を横滑りされるほどに気配が薄く、網膜に影ひとつ残さない。

つるりと人の注意を横滑り。怒涛の文字の並びでその状況が想像できるし、さらりと読める。こういう言葉が生み出せるの素敵だな~。森絵都さん好きです。


本のこと

あらすじ

とてもひねりの効いた、一筋縄ではいかない大人のための恋愛短編。確かに女と男は〝出会う〟のだが、そこから先が尋常ではない。幸せの形は人それぞれとは言うものの……。



ヒロインは公務員の桜子、39歳。人生このかた、ろくでなしの悪い男にひっかかり続けてきた関西人。妻子持ちに騙され、借金持ちには貢がされ、アブノーマルな性癖持ちにいたぶられる。ところが、桜子は「ろくでなしや、あかん奴や言われとる男に限ってな、どっかしら可愛いとこを持っとるもんなんや」と公言し、好んで吸い寄せられていく。高校時代からの友人の「私」は、悪弊の連鎖を断つべく有志を募り、「桜子の男運を変える会」まで結成したが、当人は我関せずだから、どうしようもない。



ところがある日、解散して早十年を数える会に、桜子から緊急招集がかかる。「一分の隙もない完全な悪」にとうとう出会ってしまったのだという。〝完全な悪〟とはいったい何者か?

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