見出し画像

その入稿データ大丈夫?webデザイナーが確認すべき入稿データ虎の巻〜入稿編〜

前回入稿データを作るにあたり、事前準備編について書かせていただきました。今回は前回の事前準備が終わり、デザインを作り終えたあとの入稿編。いわゆる入稿データの作り方についてです。印刷はやることが多く大変ですね…引き続き確認していきましょう!

4.テキストのアウトライン化

入稿する際フォントが置き換わり、レイアウトが崩れる可能性があります。
そのためテキストは、全てアウトライン化を行いましょう。
※アウトライン化するとテキストを編集出来なくなるため、この段階で別名保存しておきましょう。

アウトライン

設定方法
「command+A」で全選択し、
「書式」⇨「アウトラインを作成」

5.画像の扱いについて

■解像度
普段pc上で制作する際72dpiで作った画像でも綺麗に見えますが、実際の印刷だとモザイク状に荒く印刷されてしまいます。
出力サイズがA1サイズまでの場合200dpi〜300dpi程度、A1以上の場合は120dpi〜200dpi程度を目安に設定していただけたらと思います。
※印刷会社によっては指定されている場合もあるので、仕様書に準拠してください。

■埋め込みについて
画像は「画像の置き換え」や「入稿ミスによる画像抜け」を防ぐために基本埋め込みましょう。
※大型印刷になると、印刷会社によっては埋め込みではなくリンクで配置を求められる場合があります。その場合は入稿する Illustrator ファイルと同じ階層のフォルダに入れて入稿しましょう。

埋め込み設定方法
画像を埋め込む方法は2種類あるので、お好きな方でやっていただければと思います。
1.画像を選択した状態で、プロパティパネルの下にある「埋め込み」をクリック

プロパティ

2.まとめて埋め込む場合は「ウィンドウ」⇨「リンク」でリンクパネルを表示した状態で、埋め込みたい画像を選択⇨右上のハンバーガーから「画像を埋め込み」

スクリーンショット 2018-08-07 22.30.37

サムネイルの右側にアイコンがでたら埋め込み完了です。

リンク

4.色の設定

■色濃度に注意
あまり濃い色(CMYKの合計値が高い色)だと、印刷した際に裏移りすることがあるため、合計値を250程度で収めましょう。

■黒の扱いについて
印刷で表現される黒には、「スミベタ(K100%)」「リッチブラック」「4色ベタ」と呼ばれるものがあり、それぞれ特徴や使用上の注意点があります。黒色の表現による予期せぬ印刷トラブルを防ぐため、以下要チェックです。

・スミベタ(K100%)
CMYKカラーでデータを作成する際、「K(黒)」が100%の濃度で表現される黒色のことを、「スミベタ」といいます。見当ズレ(紙の収縮によって起こる僅かなズレ)の影響がないので、文字や細い線に使用することをオススメします。

ただし、K(黒)1色のみで印刷されるスミベタは、広範囲で使用すると「ピンホール」という白抜けができることがあるため、広範囲のベタ塗りでは用いらない方が良いです。

・リッチブラック
CMYKカラーで、4色をかけあわせて作成した黒を「リッチブラック」といいます。一般的には、スミベタよりもリッチブラックの方が、美しく締まりのある黒に仕上がるといわれてます。そのため、広範囲で黒塗りをしたい場合は、このリッチブラックで作成することをオススメします。

5.「効果」と「透明」について

「ドロップシャドウ」「ぼかし」「透明」はデータ不備の定番です。
面積が広くなったりすると、効果が適用されないことがあるので「ラスタライズ」することをオススメします。

設定方法
対象を選択した状態で、
「オブジェクト」⇨「ラスタライズ」or「効果」⇨「ラスタライズ」

数値を設定します。
解像度:350〜400ppi
背景:透明
アンチエイリアス:アートに最適(スーパーサンプリング)
※他のチェックボックスにチェックが入っている場合はずしておいてください。

設定後、ダイアログのOKをクリックすると、選択していたオブジェクトがラスタライズが実行されます。

スクリーンショット 2020-09-28 12.53.48

※効果の範囲が広過ぎてデータがすごく重くなる!って場合はフォトショで一枚の画像にしてイラレに読み込むことをオススメします。

↑この時EPS形式で保存し、エンコーディングを「 バイナリ 」にしてください。ファイルサイズは少し大きくなりますが、グラデーションや薄い色・淡い色がきれいに出力できます。

■グラデーションでの注意
広範囲のグラデーションは、印刷出力時にトーンジャンプを起こすことがあります。これを防止するために、広範囲のグラデーションにはノイズ等を加えるなどの処理をオススメします。

設定方法
対象のオブジェクトを選択した状態で、
「効果」⇨「テクスチャ」⇨「粒状」(例 : 密度2〜5、コントラスト50、粒子の種類:ソフト)

6.ゴミのチェック

一通り終わったら、データにゴミがないかチェックします。プレビューモードだと気付きにくいため、アウトラインモードにすると消し忘れたオブジェクト等探すのに便利です。

確認方法
レイヤーを上から順番に「command」+「3」で非表示にしていき、
不要なオブジェクト等ないかチェック。(この時「command」+「Y」でアウトラインモードに切り替えながらやると便利です。)

確認が終わったら、非表示にしていたレイヤーを「command」+「alt」+「3」で表示させましょう。

7.レイヤーロックして保存

最後に、1~6をもう一度確認してOKだったら不用意にデータを触ることがないようレイヤーを全てロックして保存しましょう。
アウトライン化したデータは「〇〇〇〇_ol.ai」と書くのが一般的です。

以上が入稿データ作成までの流れとなります。印刷は黒だけでも種類があったり、効果の調整などなかなか大変ではありますが、完全データを作るための参考になれば幸いです!

また、Donutsではトラックや雑誌・ポスターなど多くの紙系のデザインも手掛けています。興味のある方や一度話聞いてみたいという方は是非オフィスに遊びにきてください!

採用


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?