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ホテル予約代行?にご注意

 半年間かけて企画した私の両親をアメリカの我が家に招待するツアーも無事に終了し、一息ついた途端になぞの風邪症状が続いている。コロナのようでもあるが時間をおいて2回検査しても陰性反応。とりあえず全力で頑張った結果ということで安静に過ごすことにした。休みがとりずらい夫は我が家から足を延ばす小旅行には同行してくれたが、日々の観光は私が両親を車に乗せてあちこち行き、夕方には帰宅して私が準備した夕食を仕事から帰宅した夫と4人で自宅で食べた。なかなか慌ただしい日々ではあったが、両親が帰ったあとの寂しさも体調不良で一気に薄まってきた気がする。
 そこで思い出したのが、小旅行中に遭遇した詐欺まがいの体験だ。アメリカでホテル予約をなさる方は非常にレアなケースだとは思うがこのような事態が起きることを頭の片隅において用心していただきたい。
 それは小旅行先で夕方になってホテルに移動する前に観光地で夕食をとろうとしていたときのこと。ふと私がスマホのメールを見るとBooking.comか何通もメールが届いていた。驚いたのが”私がホテルの予約時に登録したクレジットカードが無効だったためホテルの予約を取り消しました”という内容だった。夫はすぐに宿泊しようとしていたホテルに電話してくれた。その間に私は別のホテルの空き状況をチェックすべくGoogleを開こうとするも山奥にいたため電波が届かない。そうこうしている内になにやら夫がフロント係と交渉をはじめた。夫の会話を聞いて相手の発言も推測できたが、もうすでにここから怪しかったので箇条書きにしていきたい。

 夫が私たちの宿泊予約をキャンセルしたホテルのフロントに電話する
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 フロント係がキャンセルした理由を説明する(ここまではおかしくない)
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 夫が当該ホテルの空き状況を聞く
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 フロント係が空き部屋はないという
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 夫が困りはてる
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 フロント係が夫に「一部屋700ドル(予約時の3倍の値段)出せば泊まれる」と提案して、夫が私に「もうしょうがないから予約してしまうか」と聞く
私はその提案を固辞しほかのホテルを探すことを夫に提案
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 夫がフロント係にあまりに高額なので別のホテルに泊まることを告げる
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 フロント係が「隣のホテルが空いているかもだから代わりに確認して予約してあげる」と夫に提案する
 フロント係の提示した”隣のホテル”の値段は一部屋350ドルで、私がやっとつながったネットで調べたその”隣のホテル”の一部屋の値段は200ドルだった
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 フロント係は夫にクレジットカード番号と裏のセキュリティコードを教えるように迫り、夫は迷わずクレジットカードを出して番号を伝え始めた
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 「フロント係が”隣のホテル”を450ドルで”代理”で予約して、相場の300ドルからの差額150ドルをその”隣のホテル”に対する仲介料として”隣のホテル”からキックバックを得ようとしている」ととっさに考えた私は夫の電話を遮ってそこには予約を断固入れないと伝えた
 夫はだいぶ渋ったが、私の圧力と大声が勝った
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 夫は丁寧にフロント係にお礼を言って「もうこのまま家に帰ることにする」と言って電話を切った
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 フロント係は1時間経っても夫の電話番号にテキストを送ってきて「気が変わったら予約するので電話してくれ」と食い下がってきた

 普段はとても冷静かつ財布の紐をできる限り緩めたくない、物を買いたくない、外食もあまりしたくないタイプの夫でも突然の”野宿の危機”にパニックになり判断力を失ってしまったようだ。騙されて無駄に一部屋150ドルx2部屋(両親と私達夫婦)=300ドルをフロント係にボーナスとして渡すところだった。そう私は思っている。Booking.comがそのときたまたま安かったというより、Googleで検索してどの予約サイトも同じような値段だったのでフロント係がなんとかして臨時収入を得ようとしていたと推測するのが自然だと思う。これはいわゆる「だまされる方が悪い」案件だろう。結局その日は私が見つけた別のホテルを滑り込みで予約し、安堵した状態で夕食を楽しむことができた。
 とくに観光地のアドバンテージを利用した騙し、には気を付けていただきたいと思う。