長い爪、甘い爪。

らっこちゃんの爪はながい

いつも、ラグビー部みたいなラインストーンが窮屈そうに細くて綺麗なつめに整列している

必ずと言っていいほど、誰かのイニシャルとポムポムプリンがついている

おそらくそれは好きな人なんだと思う

爪をつけると、強くなれるんだって

確かに武器みたいだなとか思う

必ず人間は手を使うから、
そのとき目に入って爪が可愛いと勇気がでるんだって

らっこちゃんはわたしより細くて柔らかい髪の毛がいつも綺麗に巻いてあって、
たっけえヒールを履いていて、
柔軟剤が舞うようないい匂いのおんなのこ

また西の方で、爆弾が落ちた

らっこちゃんは言う

爆弾を落としたことはある？わたしはないのよって

もちろんわたしだってない、落とされたことも

らっこちゃんの爪は琥珀糖みたいだけど、本当に武器みたいだ

砂糖の味がしそうな甘い爪で
またあのバカ男の手を掴むのだろうか

誰が見たって考えなしに可憐な彼女は

わたしだけが知っている
脆くて強くて勇気のあるおんなのこ

どうかその武器が彼女を救いますように