神林毅彦

ジャーナリスト、ミシシッピ大学大学院でジャーナリズム専攻、法政大学大学院・兼任講師 「日本の人々はほんとうに真面目だ。私の本も一生懸命に読んでくれる。でも、日本の一番の悲劇は日本の人々が真面目に大新聞を読み、テレビのニュースをよく見ていることだ」 カレル・ヴァン・ウォルフレン

神林毅彦

ジャーナリスト、ミシシッピ大学大学院でジャーナリズム専攻、法政大学大学院・兼任講師 「日本の人々はほんとうに真面目だ。私の本も一生懸命に読んでくれる。でも、日本の一番の悲劇は日本の人々が真面目に大新聞を読み、テレビのニュースをよく見ていることだ」 カレル・ヴァン・ウォルフレン

最近の記事

現在につながる徴用工問題を解明

木村嘉代子『朝鮮人「徴用工」問題を解きほぐす ――室蘭・日本製鉄輪西製鉄所における外国人労働者「移入」失敗』 (この記事は、解放出版社の月刊誌「部落解放」2022年10月号に掲載されました) 5月、韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任した。その際、岸田文雄首相は日韓の間には「難しい問題」が存在していて、「このまま放置することはできない」と東京で記者に語った。そのひとつが、戦時中に日本に動員された朝鮮人労働者―いわゆる「徴用工(ちょうようこう)」―の問題だ。 「この

    • 原発事故が奪ったふるさとを返せ

      訴え続ける福島県津島の人々  4月後半、福島県双葉郡浪江町津島地区では、ようやく新緑が映え始めていた。しかし、2011年3月、東京電力(東電)・福島第一原子力発電所で起きた事故以来、春の到来を喜ぶはずの住民は1人として戻ることができていない。それどころか、ふるさとは「帰還困難区域」と呼ばれている。  「この先帰還困難区域につき通行止め」と書かれた立て看板の後方にあるバリケードフェンスがゆっくりと開けられ、この地域の区長であった今野秀則は自宅がある中心部に車を進める。 「ここ

      • 大手メディア正社員「給料もらいすぎ」問題

        (以下は鹿砦社の月刊誌「紙の爆弾」2022年2月号(1月発売)に寄稿した記事です。) 約20年前、米国ワシントンのナショナル・プレス・クラブで中東メディアのジャーナリストが話しかけてきた。日本の文化に興味を持っているようだった。私が日本のメディアではなく、米紙の記者だとわかると、急に口調を変え、小声で「どうして日本のメディアの記者たちは何もしていないのに給料がいいんだ?」と聞いてきた。 日本に詳しい海外の人々の間では、日本の大手メディアは、高給・男性支配・自己検閲、そして

        • 効率良い英語学習法の追求 plus 推奨サイト

          米留学前は英検2級を3度受けても不合格。留学中から米の主要紙に記事を書き、帰国後は欧米メディアの特派員をしている。フルタイムで働きながら、大学院留学を目指していたので、常に効率の良い勉強法を心がけていた。 大学の英文科を卒業後も英検2級を受からず、英検は肌に合わないとあきらめ、それより、留学のためのTOEFL対策に力を入れた。留学後、英検1級「成績優秀者」で合格。  日本では多くの人が英語のために何回も授業料を払わなくてはならない。効率がとても悪い。中学校や高校の英語では

          若宮正子 86歳ITエヴァンジェリスト(1)

          記事が掲載される前は、取材していたことを話さないことにしているが、今回はもうすでに話してしまったので、彼女について少し書こう。  若宮にインタビューをしたのは2回目、講演にはおそらく4回行った(以前、1本記事を出している)。今回は、インタビューのために彼女の著書を3冊読み、彼女について書かれた日本語の記事もウェブで見つけたものはほとんど読んでいる。 ウェブで読むことができる記事でお勧めは、VOGUEのもの。Mina Obaの記事。プロフェッショナルな記事だと感心する。写真

          若宮正子 86歳ITエヴァンジェリスト(1)

          株価10倍、戦争の裏で

          昨年の最も大きな国際ニュースの一つは、駐留アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退に伴う、米国の史上最長であったアフガニスタン戦争の終結、そしてタリバン政権の復活だった。  アメリカ軍撤退や、その後のアフガニスタン情勢など数多く同じような報道があった。そんななか、独立メディアのThe Interceptは防衛関連企業の大手の株価と戦争に関するたいへん興味深い記事を掲載していた。 “$10,000 INVESTED IN DEFENSE STOCKS WHEN AFGHANIS

          株価10倍、戦争の裏で

          17歳のジャーナリスト

          大学を卒業後、本格的に英語を勉強し始めると、教材だった欧米メディアの新聞・雑誌やテレビのニュース番組がとてもおもしろいことを知った。タイム誌にしても当時から日本で見ることができたCBSニュースにしろ、吸い込まれる感じだった。  そこで、米国大学院でジャーナリズムを学ぼうと考えたのだが、もちろん、そんな簡単にはいかなかった。TOEFLやGREといったテストの点数を上げなくてはならなかった。4つの大学院に出願し、ここは確実に入れるだろうと思っていた大学院からまず断りの手紙が来た

          17歳のジャーナリスト