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「うっとりあじわいデザイン」の事例サンプル集ではありません

デザインが言語化されてたくさんの参考書が発売されて少ない時間で学ぶには最適。最近よく買ってます。積ん読になりつつあるので順番に読んでます。

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・題名:うっとりあじわいじっくりデザイン
・著者:mmm.
・出版社:MdN
・発売日:2019年4月2日

コチラの本、サンプル帳にあらず、教科書

この本は、うっとりするようなデザイン、あじわいあるデザインのサンプルが多数掲載されている見本帳ではありません。その手の本をお探しの方はちょっと満足できないかもしれません。
実は自分もこの本の購入目的はデザイン見本帳だったので、ちょっとがっかりする事になりましたが、読めば読むほど深い内容で逆に繰り返し読む、鉄板書籍に

ヒントは、自分の身の回りにあふれてる。
手を止め、顔を上げて、身の回りをぐるりと見渡してみましょう。誰かが何かの意図をもって作ったモノや、時間や自然が作りだした造形たち。そこにはどんな素材がありますか?モチーフは?色は?光はどこからやってきてる?

巻頭にあるメッセージにめっちゃ共感。
おー、これは楽しみだーーー!と読み進めてゆくと程なくうっとりするようなデザイン、あじわいあるデザインのサンプルが多数掲載されている見本帳ではないことに気が付きます。

そこまで深い内容はないので1時間あれば読み終わるレベルの本です。ただ、流し読みではわからない本質がこの本にはあります。(たぶん)

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流し読みでは分からない本質

デザインの言語化やツールの進化で私のようなデザインの教育を学んでない独学素人でもそれっぽいデザインが作れたりします。

実践で使える見本がたくさん掲載された書籍、ピンタレストのようなSNSにある成功事例を真似したり、アプリの進化もすさまじくAIがそれっぽくやってくれます。
その手軽さは想像以上。

フォトショップカメラとか使えば
こんな写真がワンクリックでこんなんになります

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コレが無料でワンクリックでできてしまうとかすごすぎでしょ。
この簡単・手軽さに危険が潜んでいて、ネタなんかに使う分には申し分ないのですが、普段から気をつけないとありえない表現でとんだハジをかいちゃうよ!ちゃんと構築されているモノの本質、要素を知ってデザインしましょう。

というメッセージが込められてます(知らんけど)

デジタルの表現は無限大

文字を浮かしたら不思議とそれっぽいデザインになります。イラレでデザインらしきものを作りだした時、なんでもかんでも浮かせてました。

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あるデザイナーさんがドロップシャドウばかり使ってたら成長しないっていう事を言ってて、最初に聞いた時にあんまピンとこなかったんで『なんでですか?』って聞いたら『文字が浮くなんてありえないから』と。

なるほど!たしかに!と目からウロコでした。

単純思考なので、この人が言うなら!とそこからなるべくドロップシャドウを使わないという制限を自らに課すのでした。

ほんとに言われて初めて気がつく。まだまだデザイン学の学びが多いです。

デジタルの知識がどれほどあっても本物を知らないと間違えた表現をしてしまう可能性。逆にダサくなる表現が無限大ゆえの落とし穴。

質感・シズル感を知り、フェイクデザインを作らない

この本では鉛筆で書いたらこんな感じになるよ〜油絵ならこんな感じなどといった「質感」石、紙といった素材の「シズル感」の事例がたくさん紹介されてます。

たしかにiPadのProcreateとか使えば、水彩画や油絵も簡単に表現できてしまう(実際には中学生以降、絵の具は使ってないし、油絵にいたっては触ったこともない)。


長い間、ディスプレイ関係の仕事をしてたので、おそらく一般的な人より素材や加工などリアル質感をイメージできる方だと思いますが、それでも知らないことが多い。
デスクの前に石のように座るのもいいが、外に出てあらゆるものを観察、実際に触るなど実体験のベースなしにいい作品を生み出せない。

そういう危険性を回避するために、この本を読んでモノの本質を知りましょうね。

まとめ

①デザイン参考書ではない
②デザインを構築する上で本当の仕上がり知識が得られる
③間違えた表現、ありえない表現を見抜ける&避けれる
④繰り返し読み直すことで新たな気づき

うっとりあじわいじっくり読む本です。


以上、ドンビボ(@dbbdontbebo)でした
See You!!


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