見出し画像

ジェットスター会社側が失敗したこと

割引あり

★まずは30秒でざっくりまとめ↓

会社の失敗は発足時から始まっていた

組合は作っておくべきだった?

 ジェットスタージャパン(以下、特記無い限りはジェットスターと記す)には労働組合が少なくとも2つ存在する。
 1つは12月と3月にストライキを掲げた「JCA(ジェットスター・クルーアソシエーション)」。JFAS航空安全会議の特集記事によると、2018年に結成された労働組合であることがわかった。

 もう1つの労働組合は「JJU(ジェットスタージャパン労働組合)」。
この組合については謎が多い。ホームページは2024年3月1日に開設されたばかりであり、更新記事も4月2日の時点では2つしか無かった。

 2つ目の記事は組合員限定の記事となっており、ログインが求められる。
『当組合員がIDとPWを第三者へ提供または組合員ログインページ内の内容を漏洩した場合、組合規約第8条4項および第35条4項が適用されます。』といった、組織内制裁が存在するかのような文面も見受けられた。
 発足したての労働組合にしては、どうも物騒な話である。

 なお、毎月の組合費は500円らしい。
 安いのはいいことだが、いくら何でも大人数でなければ成りたたない金額だろう。ホームページの維持コストだけでも赤字になりそうだ。
 ちなみにJCAは、キャビンクルーが月額1000円、機長が5000円、副操縦士は3000円。この他に入会金が3000円かかるという。普通はこのくらい掛かるものだ。

 さて、JJUの方のHPの運動方針を見ると、ここだけは他のページに比べてしっかりと書き込まれていることがわかる。ところが全体的に、労働組合と言うよりは「会社側」が従業員に向けて発信するような内容の方が目立っている印象がある。
 特に「会社との健全な関係を構築します」といった表現、労働組合にもかかわらず「賃金」を「給与」と記述しているのは落第点でしょう。

 もし仮にJJUが、JCAと会社の関係悪化から急ごしらえで作られた「御用組合」だとすれば、言い換えればそれまでジェットスターには「御用組合」は存在しなかったことになるだろう。

 当然、労使関係の見直し・点検の機会などがあったはずもなく、今日まで問題を放置する結果となったのだから、会社発足時に御用組合でも労働組合を作っておかなかったのは失敗だったと言えるだろう。

 会社としては労働組合は経営の足枷でしかない、という考え方も一理あるが、人の命を預かり、自らも危険と隣り合わせの公共交通事業においてもそれを押し通そうとするのは、少々現実を無視した考え方のように思える。


団体交渉での失敗

 さて、ここからは実際の団体交渉の音声を聞いて感じ取った部分に入る。
できる限り詳細に書いていこう。

ストの損失額は半分にできた

ここから先は

7,951字 / 1画像

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?