薄れゆく意識の中で
「まっ、待って~。置いていかないで~。」
叫び続ける私を残して、テールランプは点滅する事も無く遠ざかって行く。「あぁ、どうして。」
一人取り残された私は、途方に暮れていた。
まさかとは思ったけれど、彼の私への気持ちは消えていた。
日が落ちた暗闇の中では、周りの様子が分からない。
突然、まぶしい光が近づいたかと思うと、
「ガシッ」
全身に激痛が走った。
そしてまた別の光が近づき、
「ピキン」
体のどこかが引きちぎられ、右半身の感覚が無くなった
「私は、このままバラバラになってしまうの?」
薄れて行く意識の中で、ふっと柔らかく包まれた。
私の事を思い出して帰ってきた彼は、私を拾い上げ
「あ~あっ、またやっちゃったよ。車のリアガラスにサングラスを置いちゃダメってわかってるんだけどなぁ。」
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