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読書石けん(毎週ショートショートnote)

耐水性の紙に、温度計で使われる塗料で印刷した書籍が販売されている。
目的はもちろん、お風呂で読むことが出来るようにするためだ。

キャッチフレーズは、
「結末は、お湯加減次第!」
そう、浮かび上がる文字がお湯の温度で違っており、3つのコースが用意されている。

38度→ほんわか気分でゆったりのんびりと。
40度→平凡な結末予想が最後には‥‥。
42度→熱々の結末。のぼせないように一気に読んでね。

さっそく、38度コースでのんびり読書で長風呂。
翌日は、42度コースを選択。赤面する場面や熱々に興奮する内容で、思わず失神しそうになったが、途中で水風呂に入り、交互浴で乗り切った。
3日目に読んだ40度の平凡コースは、淡々とストーリーが展開して行くのだが、最後の結末を読むための条件があった。
「平凡な生活を送る貴方に必要なモノは、刺激です。ここから先は、45度のお湯で楽しんで下さい。」
あっちー!

おまけ)袋とじは、付録の「大人用石鹸」で洗うと開きます。

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