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24時間40分Wheelマラソン

今年も新春恒例の24時間40分マラソンの季節となった。

はたして、どんな有名人が走るのか?
毎年、世間の話題となっている。

そんな番組を盛り上げるため、テレビ局では企画会議が開かれていた。体力的な問題よりも、精神的な疲労で途中棄権となることが多かったからだ。

今までは、大きなホイールの内側を、ハムスターの様に走るだけだったが、これでは、ランナーの心がすぐに折れてしまい、視聴者からも「かわいそう」の声が多く寄せられていた。

そこで、気分転換が出来るように、ランナーの前に大きなモニターを設置することとなった。

若いディレクターからは、
「風を吹かせましょう。」
送風機が設置されることとなった。
「雨も降らせましょう。」
降水機が設置さることとなった
「匂いも漂わせましょう。」
これは、画面では感じることが出来ないと、却下された。

企画会議では、多少のすったもんだがあったものの、雨風ありのマラソンとなることが決定した。

全ての準備が終わり、いよいよ新春特番の日を迎えた。

若手人気俳優のMCが告げる。

「さあ、長い旅のスタートです。人類が火星に移住して100年。
今年も24時間と40分。火星の一日マラソンが始まります。」


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