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手は、口や目よりも雄弁に語る

「COVID-19」により、手洗いと消毒の徹底がすっかり定着した。お陰で手は清潔になるけれど潤いはなくなる。ハンドクリームの出番は例年以上に多くなった。
 手はその人をなにより雄弁に語ると思っている。どんなに装っても、化けても、手だけはごまかしようがない。すべてが現れる。その昔、テレビドラマ「寺内勘太郎一家」で樹木希林(当時は悠木千帆)がきんばあさんを演じるにあたり、指先のない手袋をはめることにした。それはファッションではなく、手だけはどうしても老婆のそれにならなかったからという。
 個人的には働く手が好きだ。職人さんの手に多い。傷があったり、深い皺が走っていたりするけれど、使い込まれた道具のように慈しみ、手入れを怠らない手には、エッセンシャルサロンへ通いつめた手にはない「生の美」がある。
 だから手の手入れだけは怠らないようにしたい。頻繁に洗って、消毒をして、クリームを塗る。ハンドクリームはこれという決まったものはない。その時々でいろいろ楽しんでいる。ただ、常に身近にあるのはイソップのクリームとAUX PARADISのクリーム。前者は自宅で、後者は出先で使うことが多い。気持ちにも潤いを与えてくれるのがありがたい。

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