〝不安〟や〝恐怖〟は存在しない

　この世の中に不安や恐怖は一切存在しない。出来事に対する解釈は、全部自分自身で作り出しているだけだからー。

　大学2年の時、部活の監督から言われた言葉だ。社会人になって心が折れそうになった時、何かに挑戦しようとする時、いつもこの言葉を思い出して自分自身を奮い立たせてきた。

　大学2年の夏のある日、私が所属していた体育会ラクロス部は、翌日に日体大戦を控え、チームは異様な緊張感に包まれていた。
　負ければ引退。勝てばファイナル4進出。

　今振り返っても、あれほど色んな人の期待やプレッシャーを感じる瞬間は人生でそう経験できないことだったと思う。
　実力は互角。誰もどちらが勝つか予想がつかない。

　そんなチームの雰囲気を感じ取ったコーチが練習前にみんなを集め、こう語りかけた。

　「明日午後2時から、●●グラウンドで、対日体大の試合がある。試合は午後3時に終わる。あるのはその事実だけ。そこに〝怖い〟とか〝負けたらどうしよう〟とか不安や心配は存在しない。その事実に解釈や感情を作り出してるのは自分自身だから」

　今振り返ると、「当たり前のこと言ってんじゃん」と思うかもしれないが、当時の自分はその言葉を聞いてスッと心が軽くなったのを覚えている。

　試合時間ラスト5分。1点ビハインドの状況。
「やばい、このままじゃ負けちゃう」と思う選手の横で、同じ状況で戦う仲間は「これで逆転したらめっちゃかっこいいじゃん！」と笑っているかもしれない。

　物事に解釈を加えるのは自分ー。

　事実と解釈。変えることのできないものとできるもの。
　考え方や解釈次第で、起こった出来事やこれから起こる未来の出来事、ましてや過去の出来事だって変えることができる。

　自分の力で変えることができることは最大限努力し、変えることのできない物事は受け入れろ、、とどこかの偉人が言っていた。

　新型コロナウイルスにより、先の見通せない世の中の流れに不安や心配を抱いている人が多い。だけど、この事実に意味や解釈をどう作り出すかは自分でコントロールできる。要は自分次第。
　そう思って、私もみんなも一歩ずつでも前を向いて歩いて行けたらいいなと思っています。