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『flock』 No.11

はじめに


東京都南青山で営業しております『呑喋処 はじめまして』店主の金田と申します。店名が『はじめまして』なので、挨拶の「はじめまして」とややこしくなってしまってごめんなさい。

この度、当店発行のWebマガジンを創刊させていただきました。なぜ飲食店を営みながらWebマガジンを立ち上げたのかと申しますと、誰もがあらゆる情報を発信できる“情報発信過多”な世の中で、個人や一商店が情報を発信していくにはどうしても限界があります。その限界がある中でより多くの人に届けるにはどうしたらいいか考えた結果、“個”ではなく“群”で情報を発信したらどうだろうと思い至りました。

連載は当店の情報だけでなく、あらゆるジャンルで活動されてる方に声をかけ連載をお願いしました。“個”では難しかったけど“群”だからできる充実した内容になっていると思います。毎月7日に300円で発行します。最後まで読んで頂ければ決して損は無い内容となっております。

Webマガジン『flock』、よろしくお願いいたします。



Webマガジン『flock』発行・編集・責任 『呑喋処 はじめまして』店主 かなだたつる






『呑喋処 はじめまして』からのお知らせ


緊急事態宣言が延長されたため、営業スタイルも引き続きランチとテイクアウト中心の営業となっております。

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まだまだ厳しい自粛期間が続きます。
今後どうなる全く未知ですが、なんとか耐えれるように頑張っていきます。






繁文 『ずぼらレシピ』


【かなだたつるによる著者紹介】
私とは青春時代を共に過ごした盟友です。若気の至りを謳歌した仲間です。そして、当店でもイベントを開催したこともある『とろろ 繁文』の店主でもあります。繁文の“とろろ汁”は、今まで食べてきた“とろろ”とは一味違う絶品。昔から馴染みのある「遠州とろろ汁」に試行を重ね、独自のアレンジを加えた他には無い逸品

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とろろ以外も何を作っても美味しいので、レシピを連載しないかとスカウトしました。食卓を彩る一品の参考にして頂けたらと思います。



【繁文ずぼらレシピ5月号】

こんにちは。繁文です(^^)/
購読いただきありがとうございます。

今回お届けするのは・・・

「じゃがりこで作るポテトサラダ」です♪
本当にポテトサラダのようでおいしいので是非お試しください!!

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作り方

① じゃがりこが1cmほどでるくらいまで熱湯を入れる。

② じゃがりこがふやけるまで放置し、ふやけてきたら混ぜる。混ぜたらまた放置。 (初めは水っぽく感じますが、水分が吸われるとちょうど良くなります)

③ その間にハムを切って、きゅうりに塩を振っておく。

④ 放置していた②にマヨネーズ大さじ1~2とブラックペッパーをお好みで入れて混ぜる。

⑤ ③のきゅうりを水で洗い良く絞って、ハムと一緒に④へ入れる。

~完成~


じゃがりこは種類がたくさんありますから、色々な味のポテトサラダを試してみてくださいね~(^o^)/






昇万亭竜好 『東京タワー 〜落語と列車と時々お酒〜』


【かなだたつるによる著者紹介】
昇万亭竜好のことは昔から知っています。よく会うようになったのはここ数年のこと。よく会うようになって驚いているのが、恐ろしいほどに落語にのめり込んでいることです。仕事帰りの寄席なんて当たり前、休日には落語会をハシゴするなんてこともよくあるほど。「恐ろしい」と書きましたが、比喩ではなく狂気すら感じるレベルで、まさに「恐ろしい」ほどのめり込んでいるのです。
でも、落語にそこまでのめり込めるのは最高に幸せなことで、そして最も“東京らしい”趣味なのだと思います。粋ってやつです。そんな落語の世界にのめり込んだ昇万亭竜好の連載。落語に少しでも興味がある方にオススメです。



題 「其の拾壱 落語初心者のための生落語鑑賞について    ~ 自粛期間中に何を聴くか? ~」


緊急事態宣言が発令されてから落語会はおろか寄席も休業となっており生で落語を聴くことができない日々が続いております。
この先当分生で落語を聴ける機会はまだ先になりそうな今日この頃、噺家さんも生活が懸かっていますのでYoutubeやZoom等を使って落語をLive配信される方が増えてきました。

いくつか拝見した感想ですが、やっぱり面白い噺家さんは面白いです。
ただやっぱり何か物足りないというのが率直なところです。
やはり落語はお客さんがいて、その反応も見ながら噺家がその場のノリのようなものを感じっとってその場限りのネタを演じて、お客さんが反応して笑ったりする。
このお客さんの反応含めて落語を聴くっていうのが最高に面白いから私はこんなに落語にはまっているんだなと再認識しています。

もしまだ落語を観たことがなく、自粛で暇だから落語でも聴こうかなという方がいらっしゃったら、Live配信ではなく過去の落語会等の動画をオススメします。
ぜひお客さんがどこで笑っているかも含めて観てもらうと落語ってこういうものかっていうのがわかりやすいと思います!
そして興味がわいたら、自粛期間が終わったらぜひ生で落語を聴いてみてほしいです!






和利 『食道楽が一番幸せ』


【かなだたつるによる著者紹介】
当店の常連さんです。出会ったのもお店です。出会って半年と経っていないのに彼女から教えてもらったお店がもう何軒もあります。とにかく色んなお店を知っているのです。驚きます。自分で言うのもなんですが、私も意外とお店を知っている方だと思っていたのですが足元にも及びません。そんな彼女に「連載をお願いできませんか?」と打診したところ、

・記事に写真は載せない

・あくまでも紹介だけで評価はしない

この二つの条件でならと連載を受けてくれました。写真なし、評価しない、これ最高です。そして彼女が紹介するお店はまちがいないです。他のグルメサイトとは一味違うオススメのお店を是非参考にしてください。



【自粛とは】

緊急事態宣言延長。

外出自粛はどこまでやればいいのでしょうか。

私が大好きだったお店が閉店しました。

何度も通ったライブハウスが閉店しました。

まだ私は仕事があるだけ幸せなのだと思います。

幸せなんでしょうが、この先に何があると言えるのでしょう。

政府や自治体にはとにかく早く支援を出し、私たちが大好きなこの街を守ってください。

今月もお店の紹介が出来ず申し訳ありません。

多くのお店が新しい営業スタイルを模索しておりますので、とにかく今は近くのお店を応援してあげてください。



灯 『ことてら』


【かなだたつるによる著者紹介】
『flock』創刊後初の新連載です。まず“灯”と書いて「あかり」と読みます。私との出会いは2011年、東日本大震災が起きた頃。当時、私のTwitterによくリプをくれていた方がいました。それが灯さんです。(Twitterアカウント名は違います)
それからもTwitter上でのやり取りはあれど会うことはなく、もちろんどんな方なのかも存じ上げなかったのですが、先日、まさかの当店に突然ご来店いただいたのです。まず驚いたのがイメージしていた方と全然違う。何より若い。まだ22歳らしく、「初めてリプくれたの中学生だったんですか?」と衝撃の事実。
ただ、驚いたものの、当時私が書いていたものが中学生の届き、こうやって年月が経って訪ねて来てくれるなんてとても嬉しいことです。さらに灯さんはずっと“詩”をいろいろなところで書いてきたみたいです。商業作品を手がけたりしています。だったらスカウトするしかないでしょう。
灯さんには過去に書いたものの、どこにも発表せずに終わったものを中心に連載していただきます。埋もれた中にお宝があるかもしれません。まさに『flock』のコンセプトに相応しい“青田買い”新連載です!!



【だいじょうぶ】

「だいじょうぶ?」

「いまはまだね」

「がんばろ!」

「そうだね」

「できることあったらゆってね!」

「ありがと」

「終わったらみんなで遊ぼうね!」

「おわったらね」

なにがおわったらなのだろう






零説家 『豚汁の具材はこれでいい』


【かなだたつるによる著者紹介】
今回『flock』創刊にあたり、色々なジャンルの方が連載に協力してくれましたが、その中で、どうしても小説を連載してくれる人が欲しく、零説家さんに声をかけました。“零説家”はこのWebマガジンだけの名前です。本来は違う名前で小説家として活動されています。
零説家さんには『flock』ならではの基準で書いてもらうことにしました。その基準とは、

・先の展開は決めず、思いついたままどんどん書いていく

・書いたものの直しはしない

普段練りに練ったものを書いている人がこの基準で書いた場合、どんなものが出来あがるのか。とても興味深く面白い物語になるのではないかと思っています。“小説”と呼べるものができるかどうか不安なので「零説家」と名乗る小説家、『flock』にて連載スタートです。



【緊急事態宣言発出に寄せて】

今月もまだ小説は書けてなくて申し訳ございません。
新型コロナ感染で亡くなってしまった全ての方に心からご冥福をお祈りいたします。

持続化給付金や休業給付金などが発表されてますが、業種による線引きが気になります。
いまは誰もが厳しい状況を強いられています。
本当にこのままでいいのでしょうか。

声をあげましょう。
大きな声をあげましょう。

私もできることを考え続けます。






OBH 『Not selling T-shirts』


【かなだたつるによる著者紹介】
『flock』は水道橋博士のメルマ旬報をモデルにしています。そのメルマ旬報の中で原田専門家さんが『Tシャツ連載』をされているのですが、『flock』でもデザイン連載をやりたいと思い、友人のデザイナーOBHに声をかけました。普段はカチッとした洋服のデザインを生業としている彼ですが、ここではとにかく遊び心溢れるデザインをお願いしています。私との会話は映画の話ばかりなので、映画関連のデザインでお願いしています。色々問題ありそうなので販売しない予定でしたが、面白いサイトを見つけたのでこれからは販売もしていきます。



【おごって♡】

今月は編集長から依頼があったデザインです。シンプルに仕上げてみました。

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「TREAT ME.」で作ってと言われました。新しい企画を考えてるみたいですよ(笑)

BASEからも変えますのでよろしければ!!






34、 『泳ぐスピードで、東京を』


【かなだたつるによる著者紹介】
友人の紹介で出会いました。一言で言えば狂っています。エンタメ欲に狂っています。そして良い方向に狂っています。これ肝心です。良い方向に狂って、そして行き過ぎています。行き過ぎているから感性が面白い。その独特の感性を求め、今回『flock』立ち上げに伴いスカウトしました。34、独特の世界観を是非感じてください。



【 Water Me 】

一年前の今日、江東区の美術館にいた事を
手元のiPhoneの中で笑う、SNSが告げる。

「びじゅつかん。」と口にするだけで胸が詰まる。

"空間萌え”が激しい私は、重く閉ざされたそのドアが開くまで、心は生きていられるのかと、考えたり、考えないようにしたりしている。

アート作品と同じ時間軸に佇み、ただそこで空気を吸う事は、想像もできない発見と、羨望、光と闇に満ちていて。

…とつらつら書いていると闇に落ちていきそうなので、ここはひとつ。

美術館へ行く時の所作、私のマイルール(癖)を書く事にする。長年東京(とそれ以外)の美術館を巡って体得してきたルールは、今もなお、減ったり増えたりしている。

この先に、読んでくれている方のマイルール(癖)を知られたのなら、それはきっと素敵な事なんだろうなと想像し。
いざ。

・ルール①
美術館には胃に食べ物がない状態で行くこと。
胃に固形物があると感覚が鈍る。
二日酔いのない朝、起き抜けに行くと——なお良い。

・ルール②
飛び切りのお洒落をして出かけるが、底に厚みがある靴、足音を隠せない靴などを履かないこと。まずは自分が持てる身長・目線からみること。音のある作品に敬意を表して無音を心がける事。

・ルール③
最寄駅に着いたら耳からイヤホンを外し、耳に空気を通しておく。
心をカラにするイメージで。
駅から美術館の入り口までの歩数を数えて歩くと、上手に心をカラにできるのでおすすめ。

・ルール④
館内に入ったらなるべく両手を空ける努力をすること。コインロッカーを使用して身体を自由に、軽くする。
近くにベンチがある場合は座り、ぼーーっとする。目を閉じてスマホ見ない。放電の要領で。

・ルール⑤
入り口にて作品リスト、用意がある場合は音声ガイドを入手する。
係の方に鉛筆を一本借りておく。
それで好きな作品に〇や☆、✓をつけたり、解説の一部分に線を引く。
頭に浮かんだ何かを書いて、描く。
別にかかなくても良い。
手に道具がある事が大切。
鉛筆は出口でお礼を言って忘れずに返却すること。

・ルール⑥
入り口の解説、冒頭の展示を読み飛ばさない。
展覧会の経緯や展示で現したいメッセージが隠れているかも。
人溜りができやすいのだけど、グッと堪えて、集中・集中。そしてここからはお口チャックでお喋り厳禁。対話型、体験型作品はもちろんめいっぱい楽しむこと。

・ルール⑦
気になった作品は色々な角度、距離、体勢からみる事。
正面、右、左、寄り、引き——。
絵画ならキャンバスの側面やサイズ感、絵具の筆致。
照明の効果をじっくり味わう。
額縁の美しさに目を奪われたり、作品保護のガラスに自分が映って意味深に思ったり。周りに注意しながら。
ちっぽけな自分を感じながら。

・ルール⑧
作品単体を存分に楽しんだら、グッと視線を引いてみる事。
床や壁に落ちる影と作品本体との関係性。
映像なら音がある時とない時と。
同エリア内にある作品同士の関係性も忘れずに。
作品①の保護ガラスに映る作品②を見てみたり、二作品を同時に目の中に入れてみる。
きっと何かが起こるはず。


今持っているだけの8つを書いてみたが、これは対アートに限らず、対世界、対人間、対ペットに対してやってみても面白い。

この先、自分と自分以外に、どう関わって栄養に変えていくか?
これについてぐるぐる考えるのは、私の癖のひとつである。
飽きない。



 ̄タイトルの馴れ初め_

小学生だった頃の夏休み、水の中で泳ぐことが大好きで楽しくて、学校のプールに毎日通っていた。インターネットもスマホもSNSもない時代。
高知の田舎出身なので、娯楽がそれくらいしかなかったというのも、私を毎日プールへ向かわせる理由のひとつだったように思う。
好きなことはずーーっとやっていたいタチなので、ある日の帰り道にふと、こんな事を思いついた。「このじりじりとしたアスファルトの道も、ぜーーんぶぜんぶ水で満たされてしまえばいいのに。そしたら、そしたら…およいで家に帰れるし!」あまりのグッドアイデアに鼻の穴をふくらませ、水の中に浸かる町を夢想した事を、今でもよく覚えている。

――そして私はそのままオトナになって、東京という街を少しづつ知って、毎月家賃を払う大変さを知り、無意識に迫り来る刺激の多さに振り回され、街をながめて「知らない人ばっかりだな」と不思議な気持ちになったりして、この街との付き合い方も距離感も変化した。今、小学生の頃に夢想した、あの『泳ぐ』感覚で街を歩くことが一番しっくりくるので、連載のタイトルとして掲げました。

そもそも、“泳ぐ”という動詞には、[水の中を移動する]以外に複数の意味がある。
——前のめりになってよろめく。
——人がたくさんいる間をかき分けるようにして進む。
——うまく世間を渡る。
——遊里で、遊びに夢中になる。
流れに身を任せたり、果敢に逆らってみたり、息継ぎしないで、いけるところまで。我慢して我慢して進むのも良い 。疲れたら思い切り全身のちからをぬいて その広い闇にただ漂うのもまた良いと、最近思えるようになった。
『泳ぐスピードで、東京を』
私が泳いだある日の東京を、ここに記録していく。
これを読んでいるあなたにも、

この水の中で、生きて、お逢いできる事をたのしみに。




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