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Baroque life in LA

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LA のマニアックなバロック音楽事情を紹介していきます。Memorandum by baroque mania living in LA
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記事一覧

ブロウ博士のシャコンヌ

John Blowというイギリス王政復古時代の作曲家によるシャコンヌです。ヘンリー・パーセルという同時代作曲家が有名ですが、彼の作品はより鍵盤楽器に対する「ふつふつ度」が高い気がします (師匠の表現をお借りしています)。この曲は弦楽器合奏版も残っており、おそらくブロウの自信作なのでしょう。変化に富み弾くのが楽しい曲です。偶然かどうか、49秒あたりでムファットのパッサカリアと似たアイディアが登場しま もっとみる

スキタイ人の行進

これは言わずもしれた名曲です。破れかぶれに弾いております。低音がよく響いて弾いていて気持ちよかったです。「ヒストリエ」の主人公がスキタイ人であることも申し添えておきます。

Rameau on Curtis Berak’s Harpsichord #2

とてもイディオマティックな曲と考えています。14秒くらいまでがメインアイディアで世の中にはこんな問題があります、と述べているようです。その後、様々な解決法をソプラノとアルトが交互に提案するも、31秒のところのバスの予期せぬ動きが偽終止をもたらし、解決にならないと言っているかのようです。その後いろいろあるのですが、4:12のハ長調の終止で全ての問題が解決され、その余韻に浸るかのような美しいシークエン もっとみる

Rameau on Curtis Berak’s Harpsichord #1

Curtis Berakによるフレミッシュラヴァルマンタイプのチェンバロで、ラモーを弾いてみました。新クラヴサン組曲からクーラントです。このチェンバロはLA在住のビルダーによるものですが、鍵盤に思わず「触りたくなる」魅力を持っています。恐らくLAのコンサートホールの事情に合わせて、弦を弾く爪を固めに調整してあり、大きな音が出ていますが、繊細な要求にもよく反応してくれる楽器です。爪はプラスチックでは もっとみる