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「看取りケアが始まりました」

とある介護事業所の責任者をしながらスタッフ教育にも熱が入る男、ryuです。

最近やっとスタッフが専門用語を知っておくメリットを理解し始めて、教える側としても熱が入っているところです!
※ちなみに私はケアマネ受かってますが、基本頭悪いのでスマホ片手に教えてますw

聞いたことある言葉かと思いますが当事業所で一名、「看取りケア」を開始することになりました。
看取りケアとは、
『医師の判断の下、その方が終末を迎える状態にあり、本人・家族の意思を尊重した終わりが迎えられるように特別なケアを提供し、自然な終わりを看取ること』
です。
特別なケア、と言っても大きな機械を導入するとかではなく、苦痛や不安を取り除くために手厚いケアを実施する、といったところです。

まずハッキリさせておきたいのが「看取り」と「ターミナル(終末期)」ケアの違い。

「看取りケア」は主に介護分野。

生活に焦点を当てたケアとなり、生活面から精神的なケアを中心に関わり、自然な形で終わりへと向かえるようにケアを提供します。

「ターミナルケア」は主に医療分野。

酸素吸入や点滴などを使いながら医療面からサポートし、病気などによる苦痛を緩和しながら終わりへと向かうケアを提供します。

これはどちらが良いということはなく、その方の状態に合わせて選択することになるかと思います。
ただ、ターミナルケアに関しては全ての介護事業所で提供できるわけではなく、医療面が充実した所でなければ難しいのでご注意ください。

看取りケアを始める流れは以下の通り
①医師の判断、家族に説明
②医師・家族・責任者での看取り同意
(必ず書面で同意を得ないと後で大変なことになります!)
③即時プラン作成し家族に説明と同意
④サービス開始前にスタッフへ看取りケア研修
⑤看取り開始
となります。
細かく言えばもう少しありますが今回はザックリと。

具体的なケア内容ですが、生活援助が基本なのでやること自体は普段と変わりません。
ただ、とにかく全ケアを手厚くします!
全て本人の「安楽」を第一優先に考えた関わり方をします。

そのため逆に減らすことも必要。
「長生きのために!」というエゴで3食きっちり食べてもらうのって本人のためですか?

もう人生が終わる方の栄養気にしてどうすんですか?
食べたい時に食べたい物を食べたい量だけ提供したらいいんです。
毎日アイスクリームになったっていいじゃないですか。
毎日ウニってのはキツいのでそこは家族さんの努力次第ですが。
何度も言いますが大切なのは本人の意志です。
好んで口が開くなら何でもいいんです。

そして食べられなくなったら、そこが終わりの手前。
苦痛を緩和する程度の水分点滴をすることもありますが、ほとんどの方がそのまま自然な流れで終わりを迎えます。

グループホームでの看取りの良い所は、生活の中で終わりを迎えられることです。
医療においては「治療することで延命ができるならしなければならない」というルールがあるため、本人が望まない治療を受ける可能性もあります。
そのため「自然死」「平穏死」といった終わりを迎えられる介護事業所での看取り需要は年々高まっているところです。
(※その事業所が信用に足るかどうかをしっかり判断しましょう!)

最後に。
私もまだ大した経験を積んだわけではありませんが、その少ない経験の中で感じたことがあります。
「看取りケアで亡くなる方は想像以上に穏やかに亡くなる」ということです。
本当にみなさん眠るように終わりを迎えます。
あんな終わり方されたら、つい「ありがとう。良かった。」と言いたくなります。

これを読んだ方には一つお願いがあります。

まだ親御さんがご健在な方、なかなか言いづらく難しいことではありますが、親御さんには「エンディングノート」を書くようにお願いしてください。
介護を受けるようになった時や終わりを迎える時の要望を予め書いておかないと、もし急に受け答えが難しい状態になったら本当に辛い思いをすることになるかもしれません。

必要な時は急にやってきます。
言いづらかったらこの記事を見てもらってください。
私自身が母方の祖母でとても辛い思いをしました。思い出すだけで涙が止まらないほどの後悔です。
誰にもそんな思いはしてほしくないので、ぜひ何かの機会に親御さんや祖父母と話してみてください。

介護の話ではとても真面目です。
長い文章でしたがご拝読いただきありがとうございました。
スキ、コメント、質問は気軽にどうぞ。
否定も肯定も全て受け止めます。

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