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■No.4 主任もやってくれた「作文ノート」

Twitterで作文ツイートをすると、思わぬ反響がありました。
DMでは40件ほど、コメントも多数ありました。
ご丁寧に挨拶文を入れ、自己紹介までしていただいた方々、本当にありがとうございます。
顔の見えないTwitterだからこそ、そうした一文一文に温かさを感じました。
少しでもお役に立てればと思い、noteにまとめてみます。

今年度4月、学習ノートを購入する際に気になるノートがありました。
「作文帳」です。僕はワクワクしながら主任の先生に聞いてみました。すると、運動会などの節目に振り返りなどを書かせると言ったのです。

「なるほど、その都度原稿用紙を渡すのではなく、あらかじめノートを用意しておいて、積み重ねるのか!」と納得しました。

同時に嬉しくも思いました。なぜなら、僕が毎年導入している「成長ノート」がすぐに実践できると思ったからです。

今回は、学級通信から少し外れるけれど、「成長ノート」について紹介していこうと思います。

■「成長ノート」とは?

これは、教育実践研究家である菊池省三先生のご実践の1つです。教師がテーマを与え、子どもがそれに対して作文をかき、教師が本気でコメントをする中で子どもたちを育て、成長させるためのノートです。年間で4〜5冊になります。

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今年度は、初回のノートを学年で購入することができたのでとても助かりました。
そうでなければ、最初は算数などで使うマス目ノートを印刷して書かせ、家庭でノートを用意してもらってから、紙を貼るようにします。

■どんなテーマで書くの?

実際は、その学級の実態に応じてテーマを与えます。
しかし、4月は割と書きやすいテーマや、考えやすい内容を書かせると良いでしょう。
ここで気をつけたいことがあります!があります!

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・始業式の感想
・三日間の感想
・1年生を迎える会の感想

このようにしてしまうと、
「つまらなかった」とか「面倒臭かった」などのマイナスの感想もありになってしまいます。
これは「成長ノート」ですから、「頑張ったこと」や「前向きな考え方」を書かせていくのです。
(テーマはより具体的に書かせると良いでしょう。もちろん、テーマを与えた後の、教師の説明やフォローが必要になってきます。)

■今年度のテーマ紹介(ここでは1学期分)

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このように、年間を通してExcelに積み重ねていきます。
色がついているところは、道徳授業の際に書かせた作文です。
1年間で100〜130回ほど作文を書かせることになります。
近年の最多は、平成29年度の160でした。

ちなみに、このテーマの一覧を時々学級通信に載せて紹介します。家庭にも、こんな作文書いていますよ〜ということを伝えるのです!

■「成長ノート」はハウツーではない

最初にも書いたように、「成長ノート」は子どもたちを育て、成長させるためのノートです。
育てるためには「指導」が必要になります。
成長させるためには「ほめ・認め・励ます」ことを連続的に行い続けなければいけません。

Twitterで頂いたコメントやDMで、「所見が書きやすくなったそうですが、どのように?」「どうやったら所見が…」のようなメッセージをいただきました。

が、、、正直に言いましょう。

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です。

Twitterの140文字では書ききれませんでしたが、主任はこうも言っていました

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そうなんです。「ほめ・認め・励ます」朱書きを必ずやらなければならないのです。

ジャン!(汗)

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↑このように、37人学級でも100回以上朱書きします♫笑

でも、私の主任は、こうした朱書きをしてでも作文指導を続けたのです。それだけの価値を感じることのできる実践、それが「成長ノート」なのです!

最後に、主任の一言。

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なんと素晴らしいお方でしょう。僕は、この主任についていくと決めました!
(あと半月。汗)

■でも、ふるだて先生のようにはできない

そんな主任の先生の実践を簡単にまとめてみました。

①週末に書かせる(週に2回の時も)
②書かせる内容は同じにする
 ・自分が頑張っていること、成長したこと
 ・友だちの頑張っていること、いいなと思うこと
 ・自分がこれから頑張ること、改善点
③ノートを集めて、学級でシェアする
④所見用に個々の内容をメモする
⑤コメントして返却する

「こうすることで、子どもたちが頑張っていることに目を向けられるようになった」
「友だち同士がそれぞれを書き合うことで、相乗効果が生まれた。」

そんな話をしていました。聞いていても、学級の中にプラスのストロークが生まれている様子が伝わってきました。

もしかしたら、テーマの与え方が心配な人は、このように一定のテーマで数回書いて見ても良いと思います。
主任は、帰りの会や隙間時間で書かせていたようです。
私も同じですが、私は7分間で行うようにしています。ダラダラと時間は取らないようにしています。年間を通して書いていけば、7分で1ページは楽々書きます。

■「成長ノート」で育つ子どもたち

ある年の、ある子から、卒業前にもらった手紙です。その子がよく「自己理解」し、自分の変容や成長をよく「認識」し、成長ストーリーとしてまとめてくれた大切な手紙です。(実物↓)

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(本文↓) 古舘先生へ

1年間ありがとうございました!
私は、6年2組になれて本当によかったです。幸せでした。
6年2組と先生には、感謝しかありません。6年2組になるまで、私は「人を信じる」ことができませんでした。それは、「信じても裏切られるにきまっている」っていう思いしかなかったからです。6年になるまでのクラスでは、グループとかができて、「ただ一緒に勉強するだけ」で、クラスみんながバラバラだったと私は思います。
そして、私は「他の人と関わりたくない」「学校に行きたくない」という思いが強くなりました。それに加えて『不安』しかなくなりました。
6年2組なり、古舘先生に出会いました。正直私は、はじめての男の先生で、誰かを叱っているのを何回か見たことがあるので、マイナスなイメージでした。「最後の小学校生活なのに、今までと変わらない」と思っていました。成長ノートを書き始めても、最初は「書かないと怒られる!」「どーしよ…」と思い、1つ1つの文字に想いをのせることはありませんでした。
そして、クラスのみんなが「お互いのことを信頼し合う25人」を学級目標にして成長し始めました。そこで、信じることのできない私は、「みんなに会いたくないな」と思いました。「私はこのクラスにはいてはいけない存在なんだ」「6年2組が嫌だ」とも思いました。
でも、その後みんなでいろんな行事を乗り越えていくうちに、「学校に行きたい」と思い始めるようになりました。でも、何かあるとすぐ気分がガラッと変わってしまい、周りの人に迷惑をかけてしまいました。先生は私に「何かあった?」と声をかけてくれました。なんか自分勝手かもしれないけれど、すごくうれしかったです。
そして、バラバラだった私たちを、先生は心から成長させようと努力しました。相手を思いやり、何事にもチャレンジしようとする優しい人間に変えてくれました。そして私は、一年間で「みんなを信じる」ことができるようになりました。それに、先生は「不安」を「希望」に変えてくれました。
成長ノートにも自分の気持ちを正直に書けるようになりました。私たち6年2組を成長させようと、先生はたくさん努力をしてくれて、「ほめシャ」「質問タイム」「ディベート」「成長ノート」「対話」「クラス会議」「10の壁」「成長ノート10番勝負」と、まだまだたくさんあるけど、先生はいろいろと全力で努力してくれました。先生は価値語を教えてくれ、私たちの将来のことを一番に考えてくれ、先生からはたくさんのことを学びました。
私たちは、先生に恩返しすることができましたか?本当に私は、先生に感謝しかありません。なので、私は最後に「ありがとう」の気持ちをこめてこの手紙を書いています。
私は、古舘先生のクラスになり、6年2組になれたこと、一年間26人で成長してきたこと、1日1日を誰一人見捨てずにすごしてきたこと、みんなでいろんな感情を分け合ってきたこと、クラス全員が1つになれない日もあり、言い合いになったりしたこともありました。でもそれも宝物です。
それと私にとっては、古舘先生、6年2組に出会い、泣いたり、怒ったり、笑ったりする表情の全てが宝物です。私の心の中にはこの宝物があるから、自信を持ち、前を見ていけます。この宝物をつくりだしてくれたのは古舘先生です。
もうこの小学校の生徒として、6年2組のメンバー、先生と一緒に学んだり成長したりすることはできないけど、「私は6年2組で成長してきた」ということを心に焼きつけます。私は、卒業したい気持ちとしたくない気持ちが半分半分です。理由は、まだ6年2組と先生と一緒に成長していきたいから。それと、卒業したいのは、この1年間で学んできたことを、みんなのために早く役立て、今の自分をこえて、他の人のために成長し続けたいし、他の人にも成長し続けてほしいからです。
もう6年2組全員とそろって会うことはないかもだけど、みんなのことを忘れずに、立派な人になって、ずっと成長し続けます。
この1年間で学んできたこと、成長してきたことは、決してムダではありません。私たちは、先生のことを絶対に忘れません。なので、先生も私たちのことを忘れないでください。
先生は、次の生徒の子たちを「成長し続けられるすてきな子達」にしてくれると思います。信じています。
私はこれから、小学校を卒業して、いろんな壁があるかもしれないし、苦しくて心をふさぎたくなることもあると思います。でも、そのぶんだけ笑顔になって、この1年間でのことを思い出し、がんばります。先生も、笑顔でがんばってください。
この1年間、本当にありがとうございました。      2017.3.16

涙、涙でした。。。
今年の卒業文集を読んでくださった校長先生は、「古舘先生のところは、『成長』って言葉がたくさん出てきてるよな〜。すごいよな〜」と言ってくださいました。
子どもたちの心に根付く作文指導、それが「成長ノート」です。

■参考図書

僕は、菊池省三先生の元で学んでいます。いわゆる菊池道場です。
成長ノートに関する本もたくさん出ています。ぜひそちらも参考にしてください。

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もし、聞きたいことがあればコメントくださいね!

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