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映画で見る現代のファッション‐70s-

 この時代はどんな時代だったのでしょう?日本では、大阪万博が開催され銀座に歩行者天国が出来たり、オリンピックの余韻に浸った反対側では三島由紀夫の割腹自殺、世界ではウォーターゲート事件などあり陰の部分も色々ありましたね。
  ファッションというと「Love & Pease」に象徴されるカラフルで楽しい洋服たちが出てきました。トラディショナル、ちょい悪、ヒッピーなど様々な服装で街中は賑わっていたと思います。筆者はまだその中には居なかったので、リアルな声で届けられなくて残念ですが。。。
(写真上:時計仕掛けのオレンジ 1971年 スタンリー・キューブリック)

小さな恋のメロディ

Melody 1971年

 家にあった本がきっかけで好きになった映画。物語は淡い初恋を描いた作品、君さえいれば何もいらない、恋に恋しているお話し。ダニエル役のマークは可愛いし、メロディ役のトレイシーは可憐で綺麗。制服がよく似合う2人で黄色い帽子を被って登校しているこちらとは大違い。この制服、男子が紺のブレザーにネクタイ、女子は水色のギンガムチェックのワンピース、途中出てくるラグビーシャツ、運動靴は甲のところにゴムが入ったプリムソル。トータルでおしゃれでしたね。音楽も良いですよね
 後年、イギリスに行った時に宿泊したところの隣が学校だったので、毎朝通学する子供を部屋から見ていました。紺のジャケットに縞のネクタイ、子供なのによくお似合いでした。
監督:ワリス・フセイン
脚本:アラン・パーカー

アメリカン・グラフティ

American Graffiti 1973年

 これぞアメリカの青春映画で、高校を卒業してそれぞれの道に進んでいく若者を等身大で描いています。
 不良、優等生、草食男子を中心に話が繰り広げられていきます。衣装を見ればどこのグループに属しているか分かるのが面白い。最後だから何でもやっちゃえ的な展開が、田舎のアメリカって感じでいいです。

American Graffiti 1973年

 真面目君の定番はチェックのシャツやポロシャツ、真面目ちゃんはフラットカラーのブラウスにAラインスカート、ギャルの衣装は体の線が協調され髪型もだいぶ盛っています。そうです、この映画凄くシンプル。ジーンズに白いTシャツっていう今では普通のコーディネートが、不良って解せないのだけど、まぁ、袖口にタバコを挟んでいるのが良くないか
 楽しい時間の後、疲れ切った仲間を置いて主人公が一人旅立つ場面が好きですね。
監督:ジョージ・ルーカス
衣装担当:アギ-・ゲラ-ド・ロジャース

ノーザン・ソウル

Northern Soul 1974年

 これは2019年に作られた映画。イギリス北部で流行したノーザンソウルサウンド(オリジナルではなくDJがアメリカに行って、皆が知らなさそうなレコードを物色して持ち帰り広めたもの)をベースに若者の日常を描いた作品。
 退屈な日々を送っていた主人公がクラブに通うようになりドラッグに手を出していく。そうなると話の展開は大体読めますよね

Northern Soul 1974年

 サウンドもいいのですが、見て下さいこのファッションセンス!カッコいいですよね。ジャケットのシルエットは様々なのですが、革ジャンが多くボトムはワイド。全体にゆとりのあるバギーパンツが60年代からの流行でこの時代に多く見られます。トップスをコンパクトにまとめボトムにボリュームを置いています。あと、ベストもこの時代よく着られました。特に、イギリスは多かったかも知れません。
 この映画は監督の体験がベースになっているので、ドキュメンタリーに近いかも知れませんよ。
監督:エレイン・コンスタンティン
衣装担当:アダム・ハウ / イボンヌ・ダッケット

アニーホール

Annie Hall 1977年

 NYが舞台。都会に生きる男女の恋と別れをウッディ・アレンとダイアン・キートンが演じている。うだつの上がらない男の役は本当にはまり役よねこの俳優。見て欲しいのはダイアン・キートンの全編通して見せるパンツルック。これって、中身が伴わないと似合わないよね、必要なのは知性と感性、そして美貌だと私は思う

Annie Hall 1977年

パンツルックに合わせるポーラーハットも可愛いですよ。ラフな装いではカフタン・ルック(アラブの民族衣装で前開きのガウン)も着用しています。
 全体にこの時代のトラッドの衣装が見られる映画になっていますので、お時間のある時にご覧あれ
監督:ウッディ・アレン
衣装担当:ラルフ・ローレン / ルース・モーリー

HAIR 1979年

 この映画は60年代が背景なのですが、70年代にも通じるファッション性がありピックアップしました。
 田舎からニューヨークにやって来た1人の若者とヒッピーたちの交流を中心に、愛と平和と人間性の回復を謳いあげたブロードウェイのヒット・ミュージカルの映画化です。最後は哀しいお話になるのですが。
 サンフランシスコ、反戦運動、自由とくれば、ヒッピーですよね。「ヘイト&アシュベリー」に集いコミニティが形成されていきました。そんな彼らが纏うのは民族的なデザイン、フォークロアやボヘミアンにサイケカラーシャツそしてワイドパンツ
 自由に人にやさしく縛られないがモットーなので、服もゆったりとしたものになっています。民族を敬う気持ちからこのような服を着ていたとも言われています。
監督:ミロス・フォアマン
衣装担当:アン・ロス

 いかがでしょうか?70年代も楽しい洋服が沢山ありましたね。ニット製品も可愛いものが多く、ジャガードの柄などはしばし現在もみられます。
私もこの時代のデザイン、好きです!

次回は、バブリーな時代80年代に突入ですよ。何が出てくるかなぁ、、、


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