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2023五島トライアスロンレポートその⑤【当日・スイム編】

起床・朝食・軽量化

18日(日)朝2時50分。もう朝か。しかし今年は奇跡的にほとんど途中起きることなくぐっすり寝られた。こんなことは今までなかったので自分でびっくり。これは幸先が良いではないか・・・?

まずは朝飯だ。前述のように3時にホテルから折り詰め弁当が提供される。ありがたいのだが、これが揚げ物だらけなのが玉に傷である。しかしそんなことは一切きにせずガッつく。幸い自分は朝だろうがなんだろうが何でも食う。しかも速い(健康に良く無いことは、分かっている・・・)。

そして第一関門、軽量化の時間。これに成功するか否かは今日のこの後の展開に関わる重要事項である。一回め、不調・・・しかしその後の二回目でどうにかまぁまぁ上手いこと行った(と、この時はそう思った)。

準備

あとはスイムバッグ、バイクバッグにそれぞれ必要なものを昨晩詰めてあるが、中身を再確認。スイムバッグにはウェット・キャップ(今年はバラモンロゴではなく、汎用のチャンピオンシステム・トライアスロン用という感じだった)・ゴーグル・ワセリン・テーピング(首回りとか、事前にやっておくが念のため)。

バイクバッグにはバイクシューズ・ソックス・グローブ・BCAA・ジェル・メット・サングラス・ゼッケンベルト、そして足拭きタオル。もう何度もやってるから間違いはないはずだが、再度脳内シミュレーションして確認しておく。

あと、メインの補給に(マグオン)を10個、計1,200Kcalを詰めて水で薄めておく。バナナ味にしたもんだから、超濃厚なバナナジュースみたいな味になった。今年はバイク短いのでこれで足りるはずだが、念のためトップチューブに貼るエネもちや昨日買ったライスピュレ等も持っていく。

JETTのトライスーツを着込んで気合いを入れる。そして腕にゼッケンのタトゥーシールを貼り付け。これももうだいぶ慣れたので間違いはない。

曇り時々雨予報なのであんまり「数字焼け」はしないかな

皆それぞれにあーだこーだ言いながら準備をしているが、ワイワイ言ってられるのも今のうち。バスに乗り込むと次第に静かになる(笑)。

囚人護送

4時半。とうとう囚人護送車に運ばれる時間がやってきた。いつものようにお濠の横に盛大に並んだバスの列にむかって歩いていく。もう前の方はすっかり乗車完了していて、だいぶ後ろのほうまで歩いて行った。

暗すぎてブレた

まだ真っ暗な中、バスは富江会場に向けて出発。淡々と進むうちにみな押し黙り、バスの中の空気には緊張感がみなぎる。ああ、この時間は辛い。早くついてほしい。とは言っても富江までは15キロくらいしかないから、いつもどおり30分ほどで順調に到着。さあもう逃げられない(逃げるつもりは、無いが・・・)。

当日受付へ。軽トラに二番ブイが!

いつもそうだが、バスを降りて歩いているうちに夜が白々と明けてくる。これが宮古島だと真っ暗のままバイクの準備をしないといけないが、五島だとこんな感じ。

幸い、雨はほとんど上がっていた

会場入り

受付を済ませ、アンクルバンドを受け取って自分のバイクを探す。もうだいぶ年齢区分が上がって来たので、二列目の一番奥の方だった。みなそれぞれにバイクの最終チェックや補給の準備に余念がない。

やることといえば補給ボトルのセット、エアロボトルへの給水、予備補給食の貼り付け、運搬中にディレイラーやブレーキ、タイヤにトラブルがないかの確認。あとはBCAAドリンクをちびちびやりながら余った予備のジェルを飲んだり。

JETTのRuiさんも現れたので報告用に「使用前写真」を撮っておく。彼は初五島でいろいろ不安もあるだろう(でもスイムからめちゃくちゃ強いので、スタート後のことは心配してない)から、スイムチェックまでバラモン会の皆さんに合流させてもらった。

三番・四番ブイ。いつもはもっと沖の方にあるが、今回は近い

※これ以降、電話をしまってしまったので終わるまで写真がない。

雨も上がったし、風もあまりなくて悪くないコンディションだ。当然波もすっかり穏やか。スイム苦手ーズにとってはとてもありがたいのだが、そうは言っても7ヶ月ぶりのオープンウォーター、緊張感がいや増す。

面白いのは、自分よりよっぽどスイム速いレジェンド山Mさんまでが「スイム嫌だよ、帰りたいよね〜、この時間が最悪」などと自分と同じことを言っている。でも本当に最悪で、スイムスキップできたらどんだけ楽か、などとつい思ってしまう(しかしそれではもちろん完走にならないから絶対ありえない)。

入水チェック・試泳

いよいよ入水チェックの時間が迫って来た。おもむろにウェットを着込む。首回りに再度ワセリン(実はシャモアクリームだが)を塗りたくる。このウェットはウィグルのdhbの吊るしで、したから二番目くらいの、会場でもちょくちょく同じのを見かけるやつだ。買ったのはもう5年以上前だから、そろそろ賞味期限切れのような気もする。

試泳が始まった。本当は試泳でしっかり心拍をあげておかないといけないが、いつものことながら試泳の段階で「アカン、こんな状態で、無理!死ぬ!もう嫌、さっさと岸上がろ」という有様。どうやったらこの状態でガシガシアップできるようになるのか・・・?

しかし一方で「俺はこれまでロング10戦くらいやってきて全部完走してるんだから絶対大丈夫」という冷静な思考もあった。最初また嫌な感じになるのは避けられそうにないが、必ず途中から楽になる。肝を据えてやるしかない。

スタート10分前。ぞろぞろと入水してフローティングエリアに向かう。ああキツい、でも1時間少々我慢すれば終わる(はず)。やや外側の前から5列め(?)くらいのところに陣取ったが、後ろからどんどん選手が押し寄せて来ていつの間にかだいぶ後ろの方に追いやられていた。

スタート・バトル

いつもの「完走するぞーっ」「オーッ」「バトルはいやだー」「ワハハハ」の時間があり、ちょっと和む。そしてついに例の気の抜けたホーンが響き渡る。

プワ〜〜〜〜

予想はしていたが、猛烈なバトルが始まった。バトルというか、完全に餌に群がるコイ状態。前の人の背中にどんどん乗り掛かって進むような。いやー参った、でもこれを耐え凌がないとゴールもない。

さすがにしばらく進むとちょっと前が空いて来て、第一ブイのあたりになるとだいぶばらけて来た。しかし自分は過呼吸気味でめちゃくちゃ辛い。落ち着け、落ち着け、生きてスイムアップすることだけを考えろ。息を吐ききることに集中した。

その後も散発的なバトルは続き、苦しい状態だったが、第二ブイのあたりでようやく一息つける感じになってきた。思い出した。この黄色のメインブイに、赤い小さいブイがくくりつけられていて、ド近眼だから黒い数字が目に見えて、赤いブイがクチバシに見えて、全体がアヒルのように見えるのだった。よし、次のアヒルを目指そう。

第三ブイまではなかなか遠かったが、既にバトルは沈静化してるのでなるべくストロークをしっかり取って、練習したようにハイエルボーのキャッチを意識して進む。まぁこの感じだと自分的に速くもなく遅くもなくだろうな、、、と思いつつ。

しかし、暑い。スタートエリアあたりは割と水温が低かったが、すこし沖へでたらぬるま湯みたいになってきた。暑いのでしょっちゅうウェットの首元を引っ張って水を中に入れないとやってられない。こういうのもタイムロスになる。そもそも、ウェットが突っ張ったような感じがして腕を上げにくい気もする。が、今そんなことを考えてもどうにもならない。

第四ブイはすぐそこ。そこからはブイを左に見て進む。自分は右オープンだが、ウェットと海水の浮力でヘッドアップはそんなに苦にならないのでしょっちょう顔あげて(これもタイムロスだが)進行方向の確認。下手くそだからほっといたらすぐ蛇行してしまうこともあり。

第五ブイに近づくと、次第にゴールエリアの太鼓の音やMCの喧騒が聞こえてくる。これはありがたい・・・もう少しで帰れる、という感じがしてくる。既にもう呼吸も落ち着いてできるようになっているし、後一周になったらこっちのもんだ。

二周目・スイムアップ

一周目終わり、手元の時計は35分だった。やはり良くもなく悪くもない、だいたい予想通りのタイム。二周目もう少し頑張って1時間10分でまとめられるか。しかし実は二周目は岸から始まるので、どうしても一周目より距離が長くなるのだった。

もうすっかりばらけているので、たまにちょっと近くの人と交錯する以外は快調に泳ぐことができる。なるべくストロークをしっかり伸ばすことを意識して進む。沖の方でほんの少しうねりを感じたが、総じてプールのようで泳ぎやすかったと言える。

その後二周目も大禍なく進み、ようやく岸に戻って来た。よし!これで終わったも同然!(大袈裟)あとはバイク・ランでどれだけ取り返せるかだ。岸についた時点での手元の時計は1時間11分台だった。

公式記録 スイム 1時間11分11秒 314位(笑)

バイク編につづく

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