CANYON Speedmax CF SLX8【着荷・開梱・組み立て編】
巨大箱来たる
1月某日。やや予定より納入が遅れたが「ソレ」はついに我が家にやってきた。ヤマト運輸さんが事前に電話をかけてきて曰く「めちゃくちゃデカい箱が届いてます」。そしてなんと、日本国内の配送料としてウン万円を現金で支払わなければならなかった。「聞いてないよ」と思ったが、仕方がない。
なんでも、ヤマトさんの規定をオーバーするサイズだったらしい。申し訳ないことだ。それはさておき、聞いていた通り、本当にめちゃくちゃデカい。梱包重量自体は20キロくらい?だから重くて死ぬ、ということはないんだが、あまりにデカくて手も掛けにくいのでなかなか痺れる。
悶絶しながら2階の空きスペースに運び込んで、ワクワクしながらとりあえず開けてみる。
こういうところ(ちょっとアップルにインスパイアされてる)も、購入者の体験の質を上げる、という意味で「良いデザイン」の一環なのだ。
パッケージの妙
この梱包も工夫の塊だった。一部やむを得ない形で発泡スチロールが使われているところもあったが本当にごく一部で、全体は段ボールの型抜きを巧妙に折り畳んだエコな緩衝材で支えられている。こういうパッケージデザインも、相当工数を掛けて改善を繰り返してきたことが窺える。
今回同時に買ったのは、以下のとおり。
スペアのディレイラーハンガー
シートピラー後部のボトルケージ台座
エアロバーに付けるガーミンホルダー
後日2xにしたくなった時用のフロントディレイラー台座
このうち、フロントディレイラーの台座は最初から付属してたらしく、一個ダブってしまった(言ってよ〜〜〜〜!まぁいいけど)。
今回、自分的にお初となる装備が「ホイールのスルーアクスル」「油圧ディスクブレーキ」「無線電動ディレイラー」の3点だった。前2点は自動二輪のときは普通だったのでまぁどうにかなるし、ディレイラーも制御が電動なだけでパラレログラム脱線機構であることは同じなので特に不安はない。ただ、、、
「これ?何?どこに使うん?」というようなものが沢山入ってて面食らった。まぁそのうちに必要に応じていじりながら学んでいこう。
トルクレンチ
あと、すでに開梱ガイドビデオで見て知っていたが、簡易トルクレンチが付属している。これはなかなか巧妙なものだ。
このオレンジの板にトルクの目盛がついており、把手を握って回す時に軸の捩れでだいたいのトルクを割り出せるというものだ。カーボンパーツなど繊細な部品が多いので、きちんと「おおよそ適正」なトルクで締められるのは助かる。今まではずーっと「手ルクレンチ」でやってきて、何度ボルトナットをナメたり折ったりしてきたことか。
要らんもんは要らん
さてここからもう少し付属品の説明をしておこう。
これらは、法規制で取り付けが義務づけられている国に合わせるため、問答無用で同梱しているようだ。リフレクターぐらいはわからなくもないけど、まぁ要らないな。問題は次のやつ。
なんと、前後ライトとそれ用の電池まで付属している!なんと親切な・・・と思っただろうか?
実は写真では伝わりにくいが、これの品質が「百均以下」なのだ。言っちゃあ悪いが、明らかに「ゴミ」レベルの商品。ていうか、このTTバイクのどこにどうやってこれを付けろと?付かないよね?
いや、だからって別に高級ライトを付けろっていうんじゃないんですよ。無い方がマシってものもあるでしょ(でも、国によっては同梱しないといけないとか、きっと事情があるんだろうなぁ・・・)!
純正付属品
フー、フー・・・(気を取り直して)キャニオンの製品仕様に戻ろう。まず目出つのがこのスピードマックス特有の、フレーム内蔵給水バッグ。なんとこの手のハイドレーションの老舗ハイドラパック社のものだった。しっかりしており信頼性は高そうだ。
次が圧巻のフィッティングパーツキット。エアロバー自体はベースバーの形状と長さなどを注文時に選んであるが、その高さ・角度をかなりの自由度で調整できるようになっている。
組み付け開始
さて、ようやく車体を出して組み立てに入る。ホイール、サドル+シートピラーや付属品を取り出し、フレームをその段ボールの台座ごとごっそりと引き出す。
段ボールの台座は、各種サイズごとにスルーアクスルの入れる場所が指定されており、汎用的に使えるように工夫されている。こういうところも手を抜かない、製品として優れたデザインの一翼をになっている。
そして、とりあえず「初めての(自転車の)スルーアクスル」を突っ込んで自立させてみた。ザックリとサドルハイトを合わせてアッセンブリーぺースト付けて規定トルクで締め込む。下向いてた「カブトムシのツノ」をちょっと合わせて。
デザイン
なんでこの車種を選んだかというと、ほとんど9割9部「カッコいいから」に尽きる。エアロバーの根っこが一本に集約されている(かつ、カスタマイズ範囲が広い)ところ。幅広のエアロフォークとヘッドチューブが直線的に造形されていてフォークオフセットを感じさせないすっきりしたフロント周り。
ベースバーと一体化したステムの天面がトップチューブと完全に統合され、しかも「ホリゾンタル」であること。そこを斜めに貫くカラーリングでさらにハンドル周りとフレームの造形の一体感を強調していること。専用のシートピラーだがサドル取り付け位置の自由度が高いこと。
個性的な「左ナナメ」のCANYONロゴ、シンプルかつ大胆なグラフィック。エアロ造形のシートステー、上端の折り目の面にフロートフォークとの統一感がある。チェーンステーはあえて水平から後方にキックアップすることで全体の「水平イメージ」と調和させている。
そしてなんと言っても、この車種は「トライアスロンバイク」としての完成度が非常に高い。エアロバーなどの調整自由度もそうだが、上述のハイドレーションの内蔵、補給食を入れておける蓋付のベントーボックス、さらにBB上部のストレージにはCO2ボンベやスペアチューブ、工具などを収納することができる。
それぞれについては同様のことを実現している他社製品もあるが、全てをここまで洗練されたデザインに落とし込んでいるのはキャニオンだけだと思う(異論は認める)。
エアロバー
さて実際に乗る前に、少なくとも「だいたいこんなもんだろう」なところまではフィッティングしておく必要がある。どういう組み付け方になっているのか、興味津々で取り掛かった。
このカバーひとつにしても、組み付け性とか色々工夫したあとが見られる(ちょっと面倒くさいのは否定できないが)。
ここも単にネジ止めされているだけでなく、位置決め用のピンを使って固定精度や作業性を向上させている。
まずはこれまで乗っていた車両のポジションをなるべく再現する方向で調整する。一番薄いベースひとつに、前上がりにするアダプタを挟んで取り付けた。
ちょっと乗っかってエアロバーを握ってみると、デフォルトのままではさすがに指が窮屈な感じだったので、付属のシムを入れて少し幅を広げた。
「ツノ」の角度は、以前は水平にしていたこともあったが、最近は流行りの「お祈りポーズ」のほうがいろいろ楽だと気づいたのでほぼ限界まで起こしている。
前後位置も数センチ程度の幅で調整できるのでこれもエイヤで決めてしまう。あとは走りながら違和感があったら適宜その場で調整していけばよろしい。
後方ボトル台座
ロングには欠かせない、シートピラー後方のボトル台座だが、このアダプターが当初「サドルハイト72センチ以上ないと(ピラーの出が足りず)付けられない」という情報を見つけ「うわー俺のサドルハイト71センチだよどうするよ」と思っていた。
ところが蓋を開けてみると何のことはない、2箇所取り付け位置があってすんなり着けることができた。もしかすると初期モデルはダメで、その後改善されたのかもしれない。
以前はサドル後ろにはボトル二つ付けていたが、これはキヤノンデールSix13の前三角にケージがひとつしか付かなかったからで、今回は前に二つあるのでサドル後ろはひとつで良い。これもさらにアダプタがあって、二つ取り付けることもできる。
内蔵ハイドレーション
次は例のハイドレーションパックの取り付け。まずダミーのフタがついてるカバーをパキンと外して・・・
パックをフレーム内にズリズリと押し込んでいく感じ。
そしてここもポイントなのだが、エイドで受け取った給水ボトルを、この受け口のところにガッと突っ込むと蓋が開いてパック内に水を注ぐことができるようになっている。よくできてる。
ガーミン台座
最後にこれまた外せないガーミンホルダー。ずいぶんしっかりした台座でガッチリとエアロバーの芯を咥える構造になっている。
実は長いタイプの肘サポートパッドを使う場合、前端をこのホルダーの側面に固定するようになっているのだ。自分は肘パッドは小さいので十分だと思ったので、このガーミンホルダーはやけにオーバースペックになっている。
そんなこんなでさらに長くなってしまったので「試走・インプレ編」はまた次回。
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