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「語彙を失くす」な、表現しろ

「RRRをユカイで楽しいダンシングムービーだた思って出かけたら、暴力描写がダメすぎてトラウマになった人」の話がバズっており。

これ、ツイッターでは下調べが足りんとか、そもそも映画観るのに向いてないとか言われボコられているのだけど、私はこの投稿「えらい!よく言った!」と思ってる。

この投稿が問題提起してるのは映画の内容やこの人の傾向でなく、ココでしょう。

 「全人類観るべき」「とりあえず騙されたと思って観に行ってくれ」みたいなことをツイートしたあなたに対して私は怒っています。

これ。
最近のオタク、内容語らなさすぎ問題。

この手の言い回し、「全人類〜」もそうだけど、似たようなのでもっと腹立つ言い回しが「(あまりに感動して)語彙を失くした」て表現。
…便利ですよね(笑) 言葉を尽くさないでも感動したテイを装えるんですから…。

実は私、RRRを観に行く前、「エブエブ」を観に行きました。感想は別の投稿にダラダラ書いてあるんですが、簡単に言うと「楽しいカンフー映画だと思ってたら全然違って失敗した」って感じでした。

あと、RRRを観た後、「バーフバリ」も観に行ったんですが、これも「長くてメリハリない昔の中華or香港映画」って感じで、やっぱり失敗した!って思ったんですよね。

なんで両方ともこんなにガッカリしたかっていうと、やはり事前にSNSの感想でやたら盛られた感想を見ていたのは、すごく大きい。

最近のオタクって、観たものの内容そのものについて語らず、「いかに自分が感動したかをエモーショナルに語る」ことが芸だと思ってる節がある。
ツイッターだと短い文しか書けないので、より「自分がいかにステキなオタクであるか」をアピールする大喜利大会になっている。こういう感想がホントにめちゃくちゃ多い。

「バーフバリ」に関しては公開当初からの熱烈なファンが友人にいたのだけど、この人も、「とにかく観て!」とか「マヒシュマティに栄光あれ!」とかしか言わないのですよw

こんな感じで「布教」されてきたので内容がサッパリ伝わらず、ずーーっと、何年も興味が湧いてこなかった上にハードルだけはあがる…で、いざ観てみたら「やっぱり観なくてよかったかも」という不幸な出会いになってしまったわけで…。

好きだからって、なんでも全肯定して布教するのはやはり不健全。

「嫌いなものではなく好きなもので自分を語れ」というルフィのコピペ、あれも私は嫌いなんですが、ああいうことをSNS上で繰り返してるから、批評と悪口の区別がつかず、「とにかく褒めるムーブ」しかできないやつが増えるんじゃないかしら。(あとはネタバレを過剰に嫌う風潮かな)

愛があるのなら、作品全体を色々な観点から語り尽くす努力が必要。
それが幸福な出会いを増やし、不幸な出会いを減らすはず。

実は「バーフバリ」がイマイチだったことを長文にまとめたnoteの記事があったんですが、そんなに好きでもないことをネチネチ書くのもどうかな…と思って公開してませんでした。

でも今回の引用元になった記事を読むと、やっぱりマイナス意見もちゃんと書くべきだなぁと。

人の目に触れる機会は少ないかもしれないけど、わずかでも多様性に寄与できればいいな、と思うのでありました。

※ちなみに「エブエブ」の感想はこれ。

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