GI(地理的表示制度)とは何か?【長野/山形/大阪 GI認定】

2021/6/30、長野・山形・大阪の三府県のワインがGI(地理的表示制度)に登録されました。GIというのは、フランスで言うところのAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)や、イタリアで言うところのDOC(Denominazione di Origine Controllata)に該当します。

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(長野県小諸市 マンズワイン小諸ワイナリーにて。ソラリスシリーズ最高!) 

簡単に言えば、「その土地で作ったワインであることの証明証だよ!」ということです。

なぜ、その土地で作られたことが証明される必要があるのでしょうか?

ワインを説明する時に、よくお米の話に例えて説明すると分かりやすいとされます。例えば、こんな状況を考えてみましょう。

あなたはスーパーで、お米を選んでいます。食費を節約したいのですが、お米は毎日食べるものなので、ちょっとでも美味しいものを買いたいです。一つは、「新潟県産コシヒカリ」5kgで1500円のお米。もう一つは、国産としか書かれておらず、何処県産かわからない、米の品種もわからない5kgで800円のお米。

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さあ、あなたはどちらのお米を買いますか?お米5kgで1500円は相場からしても高い部類ではないですが、(というか安い部類ですが)、もう一方の5kgで800円は安すぎますね。しかし、どんなお米か分からない。

おそらく多くの方は、新潟県産のお米を買うと思います。

5kgで800円のお米を買うことへのストレスは何処からきているのでしょうか?それは、何処で生産されて、何の品種のお米なのかということが分からないことに他なりません。

ワインや日本酒だって、同じです。何県で何のぶどう品種を使って作られたかを示すことは、ワインの価値を示す大切な指標になるわけです。

GIやAOCというのは証明証の役割を果たします。

もし、証明証がないとしたら、悪意を持った生産者がやりたい放題のビジネスを始めてしまいます。例えば、パッケージに山梨産のワインと記載されているのに、内容成分表に葡萄果汁(豪州産)と書かれていたら、ガッカリしますよね。

しかし、GIのような証明制度が整うと、悪徳な生産者が撲滅されます。

つまり、今回の三府県GI制度の認定は日本ワインの品質向上への大きな一歩となるはずです!

なぜ、大阪府が認定されたのか?

話は変わりまして、ワインの生産地として長野や山形はイメージがつくものの、大阪が選ばれたというのはどういう背景があるのでしょう、、?

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大阪ワイナリー協会(https://www.osaka-winery.com/)によれば、大正時代から昭和にかけて、大阪は実は、デラウェア品種の全国最大規模の生産地域であったとのことです。今でこそ、大都市のイメージの大阪ですが、ブドウを栽培するのに適した環境であるらしいのです!GI大阪のワインの規定をみても、認定要件の一つに「糖度18.0度以上のデラウェアを使用すること」とあることから、大阪はデラウェアで作るワインがこれから有名になりそうです。

これからの日本ワインの発展に乾杯〜!

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