ワイン好きに捧げるレシピ#132《鹿肉と長ねぎと赤ワインと》
食べることが何よりも大好きな私にとって、お酒を楽しむ時間には料理とのペアリングが欠かせません!
私がペアリングに拘る理由は、相性のよいお酒と料理を合わせることでより充実した時間を過ごすためだけではなく、お酒や食材の生産者へ感謝の気持ちを表すためでもあります。
特に愛してやまないワインに至っては生産者と直にお会いし、さまざまなお話を伺う機会が多いこともあり、ペアリングを通して彼ら彼女らのフィロソフィを代弁したい、という想いが根底にあります。
増加する野生鳥獣被害
話は変わり、近年鹿や熊などが人間の生活圏に出没するというニュースが絶えません。
どうやら繁殖数の増加やドングリ・栗が凶作となったことも拍車をかけ、食料を求めて人里に下りていった結果、農業被害や自然生態系への影響が深刻化しているとのこと。
さらに、捕獲しても埋設や焼却するための費用が生じ大きな負担となっていることから、最近では野生鳥獣をジビエとして利用する取り組みが広がっています。
私たちができる取り組みとは
私たち消費者ができることはレストランや日常での食事の場面でジビエを選択し、野生鳥獣の命を無駄にすることなく、その命に感謝して美味しくいただくことではないかと思います。
そんなジビエは、山野を駆け巡り自然の果実や木の実などを食して育つため脂肪が少ないうえ栄養価も高く、私たちにとって貴重なタンパク源。
いい時間とお酒に相応しい、ご家庭で比較的調理しやすい鹿肉レシピと、ジビエと最高のペアリングを魅せてくれる赤ワインをご紹介いたします!
鹿肉のはちみつ味噌燻製/Smoked venison with honey miso
ジビエ肉を普及させることで社会貢献に取り組まれている食肉卸さんから届いたばかりの岡山県美作市産シキンボ(外もも)を、さらに美味しくいただくため燻製器でじっくりと燻してみました。
材料
作り方
①長ねぎは、約3cm幅の輪切りにする。
②鹿肉はペーパータオルなどで水分を拭き取り、ジッパー付保存袋に入れる。①・Aをすべて加えて、均一に浸透するようもみ込む。密閉して、冷蔵庫で約12時間おく(途中でひっくり返すと、まんべんなく浸透します)。
③②の鹿肉と長ねぎを取り出し、漬けだれをペーパータオルなどで拭き取る(漬けだれは後の工程で使用します)。
④スモークチップやスモークウッドを置いて煙が立ち昇るまで加熱した燻製器の中に、アルミホイルを敷いた網の上に③を乗せて、中火で約10分燻す。
⑤④を裏返し、さらに中火で約10分燻す。燻製器から鹿肉を取り出し、アルミホイルで包み、加熱した時間分常温で休ませる(予熱を利用して内部まで火を通すイメージです)。鹿肉を食べやすい大きさに切る。
⑥フライパンに②の漬けだれ・⑤の肉汁・赤ワイン・Bをすべて加え、ひと煮立ちさせる。
⑦⑤を器に盛り付け、⑥のソースをかけて完成!
漬けだれに含まれるはちみつの効果で肉質はしっとり&ふっくらと仕上がり、味噌と燻製香がジビエ特有の臭みを抑えてくれるので、苦手な方にも美味しくお召し上がりいただけますよ。
長ねぎもやわらかくとろっとろで美味!
お皿に添えた2種のベリーソースは甘酸っぱく濃厚で、鹿肉の淡白になりがちな味わいをグッと引き上げます。
Oak Ridge Cabernet Sauvignon Lodi
こちらの鹿肉と長ねぎの燻製には、アメリカ・カリフォルニア産赤ワインと合わせてみました。
アメリカンオーク60%、フレンチオーク40%で6カ月間の樽熟成。ブラックチェリーやプルーンの豊かな香りに、カラメルやスパイス、トーストなどの複雑なアロマが感じられます。やわらかなタンニンが骨格とバランスを与えるふくよかな1本。
ベリーの甘酸っぱい風味にも芳醇な薫香にもバッチリ寄り添い、鹿肉本来の美味しさを引き立たせてくれるオススメのペアリングです!
▼ほかの燻製レシピはこちら▼
年末年始にかけて何かと忙しい時期が続きますが、皆様もお好みのお酒と料理とのペアリングを楽しみながら、一息ついてみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただき有難うございます!
◆ワインビストロ路地裏では、noteでご紹介したメニューのほか未公開メニューもございますので、横浜にお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。
◆姉妹店のワインカーヴ レイズでは、常時10種類以上のグラスワインや100本以上のボトルワインをご用意しております。
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美味しい料理とワインに囲まれ、皆様の暮らしが彩り豊かなものとなりますように。
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