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心の中のWANTの声、聞いていますか?

新型コロナ感染症が拡大する少し前のこと。
旦那さんとワインを片手に「今の生活と仕事が幸せかどうか」を語り合った夜があった。

その頃の私は会社の組織改革の大波の真っただ中。今までに培ってきたキャリアや人脈がまったく活用できない部署への配置替えで、モチベーションは低空飛行どころか地を這っていた。

「20年働いて今の会社で一番幸せだった時はいつ?」

CANとMUSTで消耗する日々

「仕事が好きか」と聞かれたら、どちらかといえば「好き」。
「楽しいか」と聞かれたら、時と場合によるけれど「楽しい」。
でも「幸せか」というと、どうだろう。

冒頭の旦那さんの問いに答えられない自分がいた。

20年勤務して役職にもつき、職場では「やれること(CAN)とやらなければいけないこと(MUST)」を優先してきた。

会社のため、同僚のため、顧客のため。

ずっと、他人の役に立つことが自分の「幸せ」だと思ってきたけれど、旦那さんと話をした時、私は自分が幸せだとは思えなかった。

CANやMUSTだけでは感情が無くなっていく。
モチベーションを失った私は、給料運搬マシーンになることが怖かった。

自分が「やりたいこと(WANT)」はなんだろう

「幸せ=やりたいことができること」
だったら、自分のやりたいことはなんだろう。

思考を巡らせてみたが、ずっと後回しにされてきたWANTはなかなか出てきてくれない。

あれもしたい、これもしたいがすぐに出てくる無邪気な旦那さんには信じられなかったらしい。
「そんなこと悩むなんて、お前更年期か?」とカチンとくる発言をされた。

しかし「夢見る少女じゃいられない」のがアラフィフだ。WANT様が満を持して登場したとしても、旦那さんと娘との生活があり、住宅ローンや娘の学費も稼がなきゃいけない。

「自分は何がやりたいんだろう」
「それは今の生活と両立できるだろうか」

棘が心をチクチク刺し始めた時、コロナ禍が発生した。

コロナ禍で見えてきたWANTの姿

外出禁止令が出たことで、生活は激変した。
在宅勤務が始まり、テトリスのようにタスクを脳内で組み立てて「家-職場-幼稚園ースーパー家」と走り続けた日々が終わった。

仕事と並行して日中に家事ができるため、夜や週末はゆっくり休むことができ、娘と遊ぶ時間も増えた。
6時間かけてRagu'(ボロニェーゼソース)を煮込んだり、昔好きだったお菓子作りを再開したりと、普段の生活に彩りがついた。

在宅勤務、万歳!

そう思った時、場所にしばられず働きたいというWANTが見えた。

そして1年後

旦那さんの質問に答えられなかった時から1年。
私はクラウドカレッジのスタートコースの提出課題に、目指す生き方をこう書いた。

■ 収入の確保:一企業に養ってもらえる時代は今後続かない。好きなことを活かしたパラレルワークで複数の収入を確保する。

■ 在宅勤務:家で仕事ができるメリットは生活を豊かにする。オフィスに行かずに仕事がしたい。

■ 会社の看板でない、自分自身のスキルで仕事を取る:顧客から直接評価を得ることで、達成感のある仕事をしたい。

■ 人生のワクワク=学びを増やす:新しいジャンルにどんどん挑戦、興味-勉強-仕事-収入の循環サイクルを作りたい。

■人との出会い:フリーランス=孤独、ではなく、色々な人とつながりを持ちたい。

「目指すのは毎日がワケーション!ネット環境とパスポートだけを携えて好きな場所で働く。子供が独立したら、海を眺めて過ごせる南の国でのセミリタイア生活が目標♬」


もちろん、まだライターとして独立できるレベルにはない。
ただ、幸いにも今のところ国家優遇措置があり、減収はしたものの固定収入がある。
今のうちに行動して成長したい。

「自分はやりたいことが無いつまらない人間じゃないか」と悩んだ1年前、私は自分の心に目を向ける時間がなかっただけだった。

タスクが多いとつい「毎日きちんと生活する」ことが目標になってしまう。
でも、多少仕事が完璧じゃなくても、掃除が行き届いていなくても、食事がデリバリーでも、ゆっくり時間を取って立ち止まり、自分のWANTの声を聞くことをこれからは忘れないでいたい。

ひとつのWANTができると、そこから欲が出ていろんなWANTが出てくる。

今の私はWANTが盛りだくさんで時間が足りず、懲りずに脳内でWANTをテトリスのように組み立てている。
もちろん、ワクワク楽しみながら。

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