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クリスマス狂騒曲~プレゼント探しはエンドレス~

こちらは、「稀人ハンタースクール Advent Calendar 2023」に参加するために書いたエッセイです。カレンダーをクリックすると、「クリスマス」をテーマにした書き手のnoteを見ることができます。

「Natale con i tuoi, Capodanno con chi vuoi
 (クリスマスは家族と、新年は好きな人と)」


イタリアで12月によく耳にするこの言葉の意味を、イタリアに来た当初は
「ふんふん、日本人がクリスマスはカップルで祝って、お正月は親戚一同が集まるのと同じような感覚なのね」
と思っていた。

それが半分当たっていて半分間違っていると知ったのは、同僚の悲鳴を聞いたときだ。

「あ~~~、プレゼントを買っても買っても終わらない!」

イタリアでは、子どもたちだけがプレゼントを受け取るわけではない。
クリスマスは親族が集まって、大人・子ども入り乱れての大プレゼント交換会が行われるというのだ。
同僚が嫁いだ家は大家族。
彼女の12月は、仕事が終わるとプレゼントを買いに出かけ、手帳に綴られた親戚たちの名前に横線を引いているうちに瞬く間に過ぎ去っていった。

数年後、私もイタリア人と結婚した。
幸いにも夫の家族はこじんまりとしていて、義母、義伯母、義兄夫婦、甥っ子姪っ子3人の総勢7人。
夫を入れて8人分のクリスマスプレゼントを選べばいい。20人以上のプレゼント選びに奔走していた同僚に比べれば軽めのミッションだ。
もし一度で済むのなら……。

マフラー、手袋、ストール、帽子。
財布、手帳、傘、カバン。
炊飯器、フォトアルバム、フライパンセット。

去年は何を贈ったっけ。
これは〇年前とかぶってるな。

結婚年数が増えるにつれて、どんどんネタが無くなっていく。
お歳暮のように、毎年ビール、毎年商品券、というわけにはいかないのが頭の痛いところである。

ミラノ中心街、Cordusio広場に設置されたクリスマスツリー。
クリスマス当日、各家庭のツリーの下には、家族それぞれが持ち寄ったプレゼントの山ができる。


さらに輪をかけて私を悩ませるのは、W誕生日だ。
夫の誕生日はクリスマス1週間前、そして娘は、夫の誕生日とクリスマスの間を選んで生まれてきた。
アドベントカレンダーをめくりながらワクワクしてクリスマスを待つ暇はない。
クリスマスプレゼント選びというミッションに加えて、夫と娘の誕生日プレゼントを考え誕生日パーティーを企画しなければならない12月は、私にとって1年で一番忙しい一ヵ月になった。

ネタ探しに白旗を挙げた今年のW誕生日。
夫と娘へのプレゼントは旅行にした。
行先はパリ。
異国でクリスマス気分を味わうのに、オススメの街だ。
夢の国で繰り広げられる光と音のパレード。
シャンゼリゼ通りに煌めくイルミネーション。
プレゼント選びの重圧から解放されて、私も一緒に楽しんだ。

クリスマスシーズンのディズニーランドは、いつも以上に魔法の国
シャンゼリゼ通りのLouis Vuitton本店。イルミネーションが点火するとさすがの迫力。

とはいえ、クリスマス狂騒曲はまだ終わっていない。
クリスマスイブの今日も、まだプレゼント探しのミッションが残っている。
ラストスパートに奔走する人混みに揉まれながら、夫のプレゼントを探さねば。
別行動の夫も、きっと同じように走り回るのだろう。

クリスマスの朝。
子どもたちが笑顔なのは、待ち望んだサンタが来てくれたから。
大人たちが笑顔なのは、ようやくプレゼント探しが終わったからかもしれない。

家族と一緒でも、恋人と一緒でも。
皆さまに素敵なクリスマスが訪れますように。
BUON NATALE (Merry Christmas)!✨

明日はついにクリスマス。「稀人ハンタースクール生でアドベントカレンダーのリレーを書こう!」と発案してくれたえなりさんがトリを飾ってくれます。最後にどんなクリスマスエピソードが出てくるのでしょうか🎅🎄



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