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新型コロナウイルスの起源についての私見(最近コロナについて考えたこと②)

いまアメリカが武漢のウイルス研究所を徹底的に調査しているということで,前々から新型コロナの起源について考えていたことをまとめてみました。(医学やウイルスについては素人なので,専門的にみて不可能なことが含まれていれば,ご指摘いただけるとありがたいです。)

まず,私がこれまでに見た人工ウイルス説や研究所からの流出疑惑を肯定する側,否定する側の主だった主張と根拠をまとめると,

【肯定する側】
① 感染が始まった武漢にウイルス研究所があることや,中国政府の不自然な対応などの状況証拠
② 自然発生するとは考えにくい特徴をもつウイルスである
③ 中国はウイルスの機能獲得性研究として,新型インフルエンザのハイブリッドウイルスを作ったことがある
(参考:https://wired.jp/2013/05/17/h5n1-h1n1-reassortment/
【否定する側】
① 新型コロナウイルスにはゲノム編集された形跡がない(大前提)
② コウモリがもつ類似のウイルスと比べても,人工的に作ったにしては改変されている遺伝子が多すぎる
③ ウイルスが遺伝子断片を失うのはよくある一方,遺伝子断片を獲得して自己に挿入するのは難しい
④ 武漢の研究所は非常に厳しい管理基準を備えているから流出するはずがない

これらを踏まえて,私が個人的に納得できる仮説は,

① 新型コロナウイルスはゲノム編集のような直接的な改変ではなく,ウイルス自身による変異を誘導することで作られた
② 具体的には,ヒトに感染しないタイプのウイルス(A)と,感染するタイプのウイルス(B)を,AとB両方に感染する動物の体内での交雑によって変異させた
(参考:https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/influenza/mutation.html の経路1)
③ その宿主に用いた動物を,誤って流出させた

新しいウイルスを作る方法としては,ゲノム編集に比べて時間もかかるし不確実だろうけど,そもそも研究の目的が「新型ウイルスを作るため」ではなく,「自然環境でそうした交雑による変異が起こる可能性を調べるため」だったとしたらどうだろう。異種のウイルスが同時に感染した場合のシミュレーションとして,人為的にその状況を作って変異しないか調べた結果,実際にできたのが今回の新型コロナウイルスだったとしたら。

この場合,否定側の①と②は説明がつき,③も人為的に整えられた環境で十分な時間をかければありうるのでは(「遺伝子断片の獲得が難しい」というのが実際どのくらい難しいのか,専門的な知識はないのでわからないけど)。また④は,いくら管理基準が厳しくてもそれが確実に実践されているかわからないし,組織ぐるみの不正なら全く意味をなさないと思う。

つまり,新型コロナウイルスはある意味では偶然できたもので,その宿主に使った動物をうっかり流出させて感染が広がったのでは。
たとえば,過去にハイブリッドウイルスを作った研究は批判を浴びて凍結されることもあったそうなので,この研究も進めている途中で中止することになり,不要になった宿主動物を十分に検査しないまま市場に売りさばいたとか。最悪の場合,実は彼らも宿主動物の体内で新型ウイルスができたことに気づかなくて,流出後もそれが自分たちによるものだという自覚がなかったとか。

疑っていくときりがないし,さすがにそこまで杜撰なことはしないと思いつつも,しばしば想像の斜め上を行くのが中国。いまのところアメリカは,研究所が保管していた自然のウイルスを流出させたという見方をしているらしいけど,こうした人為的な作成の可能性も徹底的に疑って調査してほしい(新型コロナに類似したウイルスを異種のウイルスと交雑させる研究の痕跡,研究に用いられた動物の行方など)。

もし本当に人為的に作成されたものだとしたら,今回の調査で最低でも流出の証拠をつかみ,そこからさらに締め上げて人為的に作成した証拠まで押さえられたらいいと思う(実はアメリカも,そうした可能性を裏で疑いつつ,それを言うと中国側の反論がめんどうくさいから,まずは流出の形跡を見つけてさらなる調査につなげようとしているのかも)。

新型ウイルスを作ること自体は目的でなかったとすれば,道義的な責任は多少軽くなる。それでも,こうした研究自体が恩恵よりもリスクの方が大きいと考えられているので,もし行うなら絶対に流出させないことが大前提。それを流出させたとしたら責任は極めて大きいし,何が何でも隠蔽しようとするだろうから,一片の可能性すら認めず完全否定する中国の対応は,なおさら疑わしいと感じる。

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