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樋口円香と「価値」について 【ファン感謝祭ガチ考察】

わかってないかもしれない。

それでも考えます。ということでこんにちは。
今回はシャニマスのファン感謝祭における円香のセリフ等から、円香の「仕事」や「価値」に関する考え方について考察していきます。本気で。

当然ネタバレがありますので、まだコミュ見てない方はお気を付けください。
またW.I.N.Gの話も少し入ってますので、そちらもご注意ください。

●アイドルという「仕事」とは?

円香はアイドル(としての彼女ら)をどのような仕事として考えているでしょうか?
以下は感謝祭コミュ内で出たセリフです。(バラバラの場面から引用)

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感謝祭の趣旨は自分たちで演出などを考える、というものですが、円香は「学生である(=プロではない)自分たちがやって大丈夫なのか」と考えています。
これはアイドルとしてのスタンスが現れていますね。
確かに彼女ら(アイドル)にとっての仕事とは「笑顔で歌って踊る」ということで、例えば演出とかステージをどうするかとか、そういうことを考えるのはスタッフの役割であると。正論ですね。

さらに円香は自分のことを「飾り」と形容しました。ここにも価値観が垣間見えます。
「現状、ステージの価値を高めているのはどう考えてもスタッフさん、だからやりますよ」と。
これはスタッフさんの頑張りに応えよう、ってこととは少し違くて、もっと独特のニュアンスがあります。
ステージという「価値」にそぐう仕事はしよう。とでも言えば良いでしょうか。

例えばショートケーキがあって、値段が3万だったとします。すごく美味しくて、高級なスポンジとクリームが使われたケーキ。
あなたがそれを買うと考えてみてください。
そのときこう思いませんか?「このケーキだったら、イチゴもさぞ高級なものが使われているんだろうな〜」と。なのにイチゴだけ値段が安かったりしたら疑問ですよね。
これで言えば、ケーキがステージ、イチゴがアイドルです。

つまり見せ物(ステージやライブ)という商品価値に内包された存在(アイドル)と言えますね。ゆえに「飾り」。

この「価値にそぐう」という概念は、円香の仕事についての考え方を一言で表しているのではないかと思ってます。
これについては、あとでより深く考えていきますね。

●「事実っていう、形だけだな」ってどういうこと?

感謝祭の中で、解釈が難しいセリフがありました。文脈とともにみていきましょう。
「感謝祭本番前」のコミュです。

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プロデューサーが嫌か?と問うと、別に。と答えます。
これは嫌ではないというより、勝手に解釈されるのはどうしようもないことだ、だから言っても仕方ない、といったニュアンスだと考えます。

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……となるわけですが、この「事実っていう、形だけだな」というセリフ。
こちらを考察していきます。

まず、円香が語った「アンフェアさ」について。
ファンはアイドルを見て、非常に多くのことを受け取ります。歌い方、踊り方、表情から心情まで。受け取った気になっているだけかもしれませんが。
しかしながら、アイドルはどうでしょう。ステージから客席を見ます。人がたくさんいる。近くの人なら顔とか、表情がわかるかもしれない。でもそれだけです。

決定的な違いは、相手が誰だか分かっているか?ということです。
ファンはアイドルが樋口円香だって知っています。
しかしアイドルはファンを見ても、基本名前も知りません。

仮にあなたがアイドルのように、大勢の人の前に立ったとしましょう。
するとめちゃくちゃ多くの知らない人があなたを見て、勝手に何かを感じたり、思ったりします。しかしあなたはその人が何を考えているかなんて分かりません。
実際どう思われてるのかはともかく、想像の中の他人って結構怖くありませんか。

さらに円香のセリフ。「受け取り側が解釈する形で」について。
何か言いたいことがあってそれを伝えても、自分の意思の通り伝わるとは限りません。
友達と面と向かって話す時は確認が取れますが、客席のファン相手ではそうもいかない。
つまり、どちらから見ても一方通行なのです。

だから円香は「ステージから見えるのは客がいたという事実だけ」と言いました。それ以外はわからないってことです。
それに対しプロデューサーは「事実という、形だけ」と返します。
以下、そのセリフについての解釈です。

ステージからは観客がいたということ=「形」しか見えない。でも、観客は何か感じたり、考えていることがある。それが何かはわからないけど、「楽しみや喜び」かもしれない。ステージの上からそれを見て確認することはできないけど、そういう「中身」がある。
だからその人たちは「いるだけ」じゃない。ただ目で見た時は「いるだけ」でしかないけど。

……みたいなことじゃないかと。
つまり円香は観客が何を考えているかわからないということを否定的に捉え、プロデューサーは肯定的に捉えているのではないでしょうか。

信じていない人と、信じている人の違い。
信じていない、なんて言うと人聞きが悪いかもしれません。円香を悪く言うつもりはないです。
ただ、信じるって勇気が要ることなんです。

(さすがにこの場面は解釈が難しいので、違う考えなどありましたら、コメントで教えてください)

余談ですが、最初のコミュ「無に送信」では、プロデューサーの電話が不具合で、円香の声だけが通じると言う状態になっていました。
これは擬似的な一方通行の関係(アイドルとファンのような)を表現しているのではないかと見ることもできますね。

●気持ちを受け取りたくない円香

最後のコミュ「然るに受信」では、次のような会話がありました。

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さて、円香はよく「気持ちを押し付けるな」という趣旨の発言をします。
今回もそうですね。

また、「返す気がないので」という理由のようですが、あえて今回はさらに深堀りをした解釈をしてみようと思います。

結論(仮)を先に言うと、円香は「気持ち」が怖いのだと思います。
これはW.I.N.Gをやったことがある方なら、なんとなく頷けることだと思いますが。
では、どんな気持ちが、なぜ怖いのか?
それについて考えてみることにしましょう。

さて、ここまで記事で書いたことをおさらいしましょう。
・円香の仕事に対するスタンスは「価値にそぐう」役割をこなすこと
・「受け取り側が解釈する形で」という一方通行性の関係
について話してきました。

では、「価値」ってなんでしょう。ステージの価値。ライブの価値。
チケット代のことでしょうか?
間違ってはないですが、それは金銭的な価値ですよね。
では他にどんな価値があるか。

ところで、この間MUSICDAWNという無観客ライブをやっていました。もう僕は感動でボロボロ泣いてしまいました。最高のライブだった。(クソ長い感想記事も書いたので、よかったら後ほど読んで見ていただけたら嬉しいです)
涙。そう。例えば感動とか。興奮とか。熱狂とか。(キャラへの)愛情とか。
そういうものがライブの「価値」じゃないですか?
「楽しんでいただくこと」ですよ。

で、金銭的な価値だと分かりやすく、○○円って数字になっていますよね。
じゃあこういう気持ちの価値を表す概念って何か。
期待」って言いませんか?それは。
少なくとも、円香の文脈ではこちらの意味での「価値」が強いんではないかと思います。

期待の厄介なところは、どんどん大きくなっていくところです。「受け取り側が解釈する形で」と話しましたが、これって期待にも言えますよね。誰がどんな期待をしているのかわからないんですよ。

さて、ここまで気持ち≒期待だという話をしてきましたが、ではなぜそれが怖いのか。
正しいか分かりませんが、言います。
怖いと意識している時点で、円香は期待に応えようとしています。
残念ながら、あらゆる気持ちの中で、少なくとも「期待」は押しつけられるより他にない感情です。
なぜなら期待とは、ある対象への願望であったり等、とにかく相対的な要求値だからです。要求なんですよ。一方的なね。

気持ちは期待となって、要求となる。
少し意味合いは変わりますが、需要と言ってもいい。
その需要にあわせて、ライブという供給をする。
当然、強い需要には強い供給がされる。
それが価値である。
そして、円香は価値にそぐう仕事をしようとしている。

こういった形で、円香は「期待に応え」ようとしている……と。あるいは、否応なくそうなってしまうと。

言いたいこと、伝わってくれましたかね。
気持ちが大きいほど期待も高まり、ステージの価値も高まり、円香の超えるべきハードルも高くなってしまう。

この論の通りなら、当然そんな気持ちなんて受け取りたくないですよね。

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こちらはW.I.N.Gのコミュですが。
怖い。それも当然ですよね。

でも今、円香はアイドルをやっています。
そしてこれからも、立ち向かい続けるのだと思います。

●おわりに

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これは「然るに受信」の最後の方のセリフ。
かなり印象的なセリフですよね。
自分はこれを読んで、じゃあ何のために歌ってるんだ?と思ったところから考察が始まりました。

円香は円香なりに、アイドルという仕事に向き合っているのだと思います。
幼馴染がいるからってのは、目的というより前提条件?みたいな感じではないかと。

しかしそう考えると、すごいんですよ。
円香って、別にアイドルやりたくないのにアイドルをやってるキャラなんです。他ではなかなか見ないですよね。
でも、しっかりとその考え方とか人間性が練られていますし、今回の考察でその一部を理解できたんじゃないかなと思います。
樋口円香にしか紡げないストーリー。
これからも円香を応援していきたいですね!

ってことで今回の考察は以上です。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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それでは。


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