他者のことを考えるフリからの自分の思いの押し付け
昔はけっこう好きで車の運転とタイミングがあえば聴いていたけど、今は大嫌いで、なぜ嫌いになったかを知るため、反面教師的に聴いているラジオ番組に「テレフォン人生相談」がある。
なぜ好きだったかは、相談に応えるパーソナリティが言うことに興味があったためで、なぜ嫌いになったかはパーソナリティがアドバイスといいながら偉そうに威張り散らし、説教したおすからである。だれでも分かりそうな相談する人の欠点を指摘してツッコむ。ボク自身が傾聴をしだしてから嫌いになったのは明らかなんだけど。
ありゃ、法律相談など具体的な問題以外の、精神面で悩んで相談してきた人にパーソナリティの偉そうな声は届いてないし、すでにパーソナリティのおっさん、おばはんらが自分はこれだけ解っているんだ、という自己満足、自己アピールにしか聴こえないわけでパーソナリティ主人公のために電話をかける相談者は利用されていると感じる。と、そういうラジオ番組なんだと気づいたわけ。
そんなことを思いながら昨日もカーラジオから流れてきて、聴くかどうか躊躇しながら結局聴いていた。
どうゆうわけか昨日はよかった。
相談内容は、妻が自閉症でコミュニケーションが取れないという旦那からの相談で、妻が幸せになるために自分に何ができるか?というものだった。
妻のことを思っている、をかなり誇張していた。
自閉症というものが風邪のように治すための特効策があるかないか?あるならば自分がそれをして妻を幸せにしてあげたい。と言うのさ。
ま、自閉症に特効薬も特効策もなくじっくりと付き合う、というやり取りのあと、最後にこの旦那の気づいたのは、自閉症らしき症状がでてきる妻は不幸で、自分もどうしていいかわからずシンドイ。自閉症が治り自分とコミュニケーションがとれる状態になれば妻は幸せである、、と旦那は思い込んでいたことに自ら気づいた。パーソナリティの精神科医は、相談者(旦那)の言うことを要約した「奥さんをあなたに合わせるのが奥さんの幸せですかね」という言葉はあった。
相談者は自分にできることは「自分のほうが妻にあわせる(自閉症を理解する)」こと。と自らの言葉で言ったこと。これが良かった。
おそらくこの旦那は、「妻の思い」に応えようとしている自分という像をつくり「自分の思い」を押し付けようとしていたのだろう。
これはよくあることで、悩んで相談を持ちかけてくる友人のためだと思い「解決法」を押し付けているなんてこともあるだろう。「解決法」なんて「自分の思い」だと気づかずに。これがさらにいくと、あなたのために私は一生懸命考えて助言しているのに、あなたは何故私の言葉を聞かないのだ、もう知らん、などと逆ギレする人はまま居る。他者の思いに寄り添っているようで「自分の思い」でしかないのである。
ま、この番組のパーソナリティが相談者にするアドバイスと同じ構図だな。
社会システムに関する具体的なアドバイス以外は「自分の思い」の押し付けでしかないと、一旦自分を振り返ろう、と、こんなことを車を運転しながら考えていた、梅雨のなか。
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