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本当の悪魔は一体、誰なのか?「悪魔の審判」

こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
神永学作「悪魔の審判」

「悪魔と呼ばれた男」「悪魔を殺した男」に続く、悪魔シリーズ第3作目です。
悪魔シリーズのファンとして、続編が発売されるのを心待ちにしていました。
残酷な場面が多いですが、ストーリーが面白く、あっという間に作品の世界に引き込まれました。
では、簡単にあらすじを紹介します。

『多摩川の河川敷で女性の遺体が発見された。
発見された当初、女性の首は高架下の鉄骨からワイヤーで吊るされており、首から下の体は背骨がむき出しの状態だった。

特殊犯罪捜査室室長の永瀬圭太は、部下の四宮玲香と共に捜査を行うが、なかなか犯人へ繋がる手掛かりが掴めない。
そこで永瀬はアメリカで犯罪心理学を学び、大学で講師をしている天海志津香のもとを訪れる。
彼女は以前、永瀬と同じ特殊犯罪捜査室に所属していた。

天海の助言で永瀬は、通信企業の社長で政界と太いパイプを持つ岸谷文雄の息子、翔太郎に事情聴取を行うことに。
しかし、事情聴取の最中に「私が殺人事件の犯人だ」と綴った遺書を残し、自殺した男性の遺体が見つかったとの知らせが入ってくる。

その後、証拠も出てきたため、犯人死亡で捜査は打ち切られたが、実は事件は解決しておらず、今度は天海に真犯人の魔の手が・・
他にも、カニバリズムや白骨化死体、議員の自殺など、様々な事件が巻き起こる。
そして、事件の裏で暗躍する「悪魔」と呼ばれた男、阿久津誠の存在。

一連の事件の犯人は一体、誰なのか。
阿久津は事件にどう関係しているのか。

今作は短編集のように話が分かれており、それぞれの話で殺人事件の内容や犯人が違います。
ただ、話が進むにつれて全ての殺人を企てた「オーナー」という黒幕がいることが分かり、終盤は黒幕の正体に迫っていく様子が描かれています。

そして、主人公は「悪魔」と呼ばれる男、阿久津誠
彼は触れた相手や物に残る記憶を五感で感じ取る能力があります。
第1作「悪魔と呼ばれた男」、第2作「悪魔を殺した男」で阿久津は能力を使い、法の目を掻い潜った悪人達を自身の手で裁いてきました。
今作でも力を駆使して黒幕の正体に迫っていきます。

しかし、黒幕と繋がっている警察上層部からの圧力や身内の裏切りによって阿久津や永瀬達は思うように動けず、少しずつ追い詰められてしまいます。

事件解決でホッとしたのもつかの間、また殺人事件が発生。
しかも、天海や永瀬達が命の危機にさらされる。
ヒヤヒヤドキドキの展開にページをめくる手が止まらず、一気読みしてしまいました。
また、ラストである人物が裏切り者だと分かった時は、本当に驚きました。

果たして、阿久津や永瀬達は黒幕に辿り着けるのでしょうか?
続きが気になる人は、今作をきっかけに悪魔シリーズをぜひ手に取ってみてください。

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