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指導・支援場面の7つのスキルの優先順位を考えてみる

1 具体的な教え方・指示とわかりやすさ

先ずは、してよいこととしてはいけないことの基準を明確に示し、具体的でわかりやすい教示や指示が出すことが重要なポイントです。

【叱るとき】努めて声のトーンは低くゆっくりと。表情をあまり変えずに淡々と事実を話すほうが経験上うまくいきます。先生自身が意識しすぎると固くなってしまいますが。

【肯定的に評価する時】にこっと微笑みながら、声のトーンを高めに嬉しそうにするといいですね。メッセージを伝える時、言葉を発する教師の気持ちが表情や態度にはっきり表す方が、児童が非言語的な内容を理解しやすいように思います。

個別に言葉をかける時は、声の調子を少し考えて、そっと話すようにします。一方、教示する時は子供の目の前に位置して、子供の注意を教師に向けさせてから伝えると内容が伝わります。

2 子供が気持ちに寄りそってくれたと思うこと

子供が自分に暴言や暴力が見られた時、先生は自分のけがに気を付けながら怒りやイライラを理解して認める必要があります。

行動を制限する時には、うまくいかなくて、いやな気持になっていることを認めつつ、良くない行動を具体的にたしなめる必要があります。アイメッセージで私は伝えています。

【アイメッセージ】

「私はそういうの嫌だな」とか「私はそれでいいと思うよ」など、一般的な言い方をするのではなく、自分がどう思うかを伝えるメッセージの伝え方です。

また、ネガティブな子供たちの気持ちを、様々な言葉で言語化することで、自分の気持ちをわかってもらえたという感覚をつかむことができ、教師と児童の信頼関係を築くチャンスにもなります。

3  一貫性と柔軟性

はじめは、場面や状況に関わりなくダメなものはダメ、ルールはルールと言った一貫した態度をとることも大切です。ルールや基準が一貫していることは「わかりやすさ」につながります。

ただ、ここで難しいのは、不適応行動に対して、あれもこれもと沢山のことを一度に注意したり、指導することは逆効果になります。約束やルールは短い言葉やキーワードで簡潔に、淡々と伝えるほうが相手の理解を得られることが多いです。

一方、長く一緒に生活したり学習することで、社会性の成長が見られた子供に対しては、次の段階支援になります。ルールの適用は「時と場合と状況」(TPO)によることを示すチャンスになります。「まあ、いいや」と考えたほうがいいこと。「ほどほど」ですませる場面がどんなときかを示す必要があります。これは、積極的にモデルを示したりして理解させていきます。

4 社会的場面の交通整理

状況を理解することに弱さがありどのような状況でスキルを使えばいいかわからないことが多いです。困った状況が起きた時、「いつ・どこで・だれが・だれにたいして・何をしたか・その結果どうなったか」という問題場面の把握の交通整理をしてあげる必要があります。

本人の気持ちをコミック会話などで言語化するなど理解してトラブルの相手の状況を理解できることに教師が焦点化します。状況が理解できると自分からどうしたらいいかを見出せる場面が多くなってきます。

5 問題解決の仕方について考えさせる指導・支援

学んだスキルをさまざまな場面で柔軟に応用するために指導者はあえて「とまどう場面」を作って状況をどのように乗り越えるかを見届けることも必要です。

例えば、作業に必要な「糊」と「はさみ」をグループに一つずつ配って交代で使ったり貸し借りしなければならない場面を作るということもあります。この時に、子供自身に自分でどうしたらいいかを考えさせたり工夫させたりする機会は問題解決能力を向上させることになります。先生が助けてくれないので、子供が意地悪されているととらえることもあります。なぜ見ているだけなのかを説明することも場面によっては必要です。

6 熱い心と冷静な頭

指導者は、冷静に状況を分析して、自分の中に渦巻いている感情(怒り・不安・苛立ちなど)を理解しながら長期的な視点でプラスになるような関わりを維持していくことが求められます。一方で子供と真剣に向き合い支援・指導していく態度も必要です。

これは、保護者への支援も同じです。子供のことで、保護者は悩みを抱えていて苦しんだり不安を感じたりしていることが少なくありません。

先生は自分の気持ちを理解してくれると思っている保護者ほど,時には感情をぶつける時もあるでしょう。でもそれは、こちらを信頼しているからこそ弱い部分を見せてくださっているのかもしれないのです。あまりにも的を射た指摘の時は、そこから逃げ出したくなることもあるかもしれません。

しかし、そこをぐっと踏ん張って、不安定さをも受け止めたうえで、冷静にそして熱意をもって対応すること、真摯に対応すること。間違えた時には真摯に謝罪すること。実はそれを保護者は求めているのです。

7 省察

指導者もまた、たくさんの人たちから多くの刺激を受けます。ほかの方のスキルに触れることで、自分のやり方の再確認を行ったり、その方法を試しに取り入れてみたりして自身のスキルを磨いていく姿勢が必要です。

受け持つ子供も、子供を取り巻く環境も年々変化していきます。自分の経験してきた狭い財産だけで支援・指導してくのは、やがて限界を感じてきます。現場の仲間と、率直に意見交換をして、自己修正したり、自己調整したりできるようになりたいです。

それが子供たちの大きな成長につながります。



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