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竜とそばかすの姫




この映画は話の展開にはさほど期待しておらず
ドーパミンを感じる映画として見に行った。
というのも映画には映画館で見るべき映画がどうしてもあると思うのがひとつ。
映画館で見るという体験は今強制的にネットから解放される時間でもあるというのがひとつ。
音や映像を体感することで日常生活から解放されるという目的がひとつである。
なので物語が面白いということは特に求めていない部類の映画のテンションであった。


実際に映画の内容は終わった後あまり覚えていない。でも思ったよりSNS批判ではなかったという感想。細田守監督は90年代のディズニー映画が好きだという話をどこかネットの情報で見た。私の中で細田守監督はジブリに憧れて憧れて挫折したイメージがある。もみくちゃにされた結果世の中に放ったものが受け入れられたんだろうか?見ているといろんな映画への尊敬と影響を感じる。


美女と野獣のオマージュでもあるみたいだが、
美女と野獣やアリエルの話は鈴木敏夫さん曰く、
古典的な話をドラマティックにするにはどうしても差別的な表現が必要となるのをオブラートに包み、女性が主役であり音楽を主張した映画としてディズニーを再生させた力強い映画だという話をどこかのジブリ汗まみれで聞いた。


そしてそこに確実に影響されている細田守監督は、メッセージとして平和な世界を望んでいるように感じた。挫折の数だけ戦うのではなく突出するに方向転換した柔軟性があるのでないかと。
この映画に感じたことはNo. 1の才能がなくともあなたのオリジナルで進めばいい。批判されても少なからず誰かを突き動かすことができる。
そんなメッセージを勝手に解釈した。


そして映画というのはいろんな過去に築かれた道から続いているものだと感じた。これは鈴木さんのジブリ汗まみれを聞いてなかったらそうは思わなかったかもしれない。私は映画はそんなに詳しくないし数も見ていないけど偉大なる映画監督が刺激をしあってまたいい映画ができてきた歴史が素敵だなと思った。そして日本で1番影響を与えた七人の侍をちゃんと一度見てみようと思った。


そして色々なレビューで気になるのが伝えたいメッセージが分からなかったとか、何が言いたい分からなかったという感想。
ひとつは物語を拾う引き出しがないのかもしれないという視点で見てみるのはどうだろうか?と思う。あぁここはここに影響を受けたんだなとか、こういう昔の歴史からきているとかっていう知識があれば見え方は違うのかと思う。
もうひとつは、伝えたいメッセージの真相は一生わからないものだという大前提のもとに見る。
監督や役者などの気持ちを汲むのも大事だけど、それを見て自分の中で感じた気持ちを考えることが面白いのではないかと。
一歩先の思考をしてみるのも映画の楽しさであると思って少し悲しい気持ちになった。

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