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読書ノート

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読んでいる本、読んだ本、読みたい本についてつれづれ書いている日記のようなもの
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2022年2月の記事一覧

読書ノート2022/02/12

原田ひ香さん「三千円の使いかた」(中公文庫)は良かった。しみじみとラストを噛み締める。「三人屋」で人生の悲哀をうまく描く作家さんだなと感じていたけれど、今回も実に滋味深い。良かった。

お次はホリー・ジャクソンさん「自由研究には向かない殺人」(創元推理文庫)を読んでいて、これまた面白い。少女が自分の街で起きた女子生徒失踪事件の真相を知るため、関係者に「自由研究」のていでインタビューしていく。ミステ

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読書ノート2022/02/04

注目している作家、遠野遙さんの最新長編「教育」(河出書房新社)が期待通りの面白さだった。おかしな世界を「おかしい」と言わずにそのまま生きていくズレた主人公を描かせたら、遠野さんは日本指折りだと思う。この感じは村上春樹作品ぐらいでしか見たことがない。

このところ自分の中でのヒット作が続いていて、酒井隆史さん「ブルシット・ジョブの謎」(講談社現代新書)も良かった。本家「ブルシット・ジョブ」の翻訳者な

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