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【書評】小説『氷姫 エリカ&パトリック事件簿』 カミラ・レックバリ ~今後の暮らし方を考えさせられたミステリー小説~



本屋で適当に手に取った本が、かなりの当たりだった。

『氷姫 エリカ&パトリック事件簿』
カミラ・レックバリ

1974年生まれのスウェーデン人女性が書いたミステリー。


普通にミステリー小説として読んで楽しめただけでなく、大人の女性なら色々と共感を覚えるストーリーがたくさん散りばめられているので入り込んで読めるのでお薦めさせていただきたい。


主人公は35歳の女性で、亡くなった両親の家を片付けるために

一時的に故郷へ戻ってきている。


近所の家で、同級生の遺体が見つかって、、、


というストーリー。


【1、仕事へのもやもや】


主人公のエリカは、文筆業。


35歳で伝記小説の5冊目を執筆中だから、そこそこ軌道に乗っていると言えなくもない。


でも本当にやりたい仕事とはちょっと違うなあと思っていて、、、


【2、恋愛方面のもやもや】


妹は結婚して子どももいるけど、主人公はパートナーなし。


新しい恋は、年齢的に簡単には修正が効かなくなった体型維持問題と並走する。


【3、夫婦間トラブル】


妹が旦那さんから暴力を奮われていて

その話題になると妹とこじれて、、、


【3、母として】


主人公ではないのだけど、様々な形の母の視点が綴られている。


私が涙したのは196ページ。


みんな自分の子どもを愛してる。


***


若干ネタバレになってしまうが、この本は子どもへの性犯罪を扱っている。


子どもに限らず、性犯罪はその後の被害者の人生を大きく変えてしまう。


もし自分の子どもが性犯罪に合ったら?


私は臨月の時にこれを読んだので、我が子を守るにはどうしたらいいのかを考えさせられた。


まず気づく事、そして守る事。


最善のケアとは、何だろう。


そんな事を思いながら、気づいたのは、性教育の重要性だった。


私達の時代には、然るべき年齢になると子どもがどうやって生まれるかの授業があり、避妊のレクチャーがあって、それで終わりだった。


でも現代は、かなり幼いうちからネットの世界とも接していくがゆえに

新しいタイプの性犯罪も増えてしまった。


子どもがリスクに直面した際に、それをリスクとして認識できるようにするには

それ以前にもっと突っ込んだ内容の教育が施されていなければならないのではないか。


学校が、の他に、親としてどんな事ができるだろうかと

今もまだ考えている最中である。


この一冊を読み終えて思ったのは、知り合った全ての人に

気持ちを寄り添わせて生きたいという事。


色んな人がいて、色んな家族がいて、

みんなそれぞれ誰かを愛し守ろうとするが、

方法は様々だ。


方法だけ見ていたら、その奥にある想いは解らない。


その想いまで見るようにしたい。


例え結果的に理解できなかったとしても

気持ちを添わせる努力はしたいと、強く思った。


by Yoko Nishihara


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