書評「心の癖」を変えて幸せに生きる~幸せへの秘訣は執着の手放し~
コロナで不安な時期だがそうでなくても人々の悩みは無くならない。多忙、人間関係、なんだかいつも満たされない。などなど。
幸せに生きるヒントを探るべくこの本を手に取った。
著者は、史上初めての女性ヒマラヤ大聖者であり、インド中の国民が「ヨグマタ〔ヨガの母〕」として尊敬するという、なんともすごいお方。。
本の中身が少し抽象的であったり、宗教的であったりするので、実用的な観点で読んでみた感想を書評したいと思う。
心のしくみを知る
心には、“くっつく性質”というものがあるそう。
エゴの心は、気持ちのいいものをどんどん求め、くっつけていきます。気持ちが良いといっても、それはその人の思い込み、こだわり、価値観によるものです。問題は、感覚と心にとって気持ちがいいというのが、ほとんどが執着からくる、自己防衛の感覚の喜びと心の快感であり、一過性のものであるということです。それは変化していくものであり、そのゲームを続けることは、欲望の渦にまみれていくということです。
私たちは感覚をセンサーとして、心の“くっつく性質”から次から次にいろんなものをくっつけている。
欲望は執着でくっついてしまい、心が欲望そのもののようになってしまいます。その心は、どれほど欲望を成し遂げても、満足しません。これでもかというほど、次から次へと欲望が湧いてくるようです。欲望は、成し遂げられることによって、なくなるものではなく、減るものでもありません。
そうやって、心を満たすものを求め続けていく。
そうして残るのは、買ったけどすぐに使わなくなりゴミとなったものたちや、次々に別れていった恋人、通わなくなったジム、次々にやりたくなる習い事 などなど・・・。
そう言われるとすごく身に覚えが。。
私たちは、知らず知らずのうちに欲望や執着にコントロールされ、次から次に求め続けていたのだ。
くっつく性質は大きくなると執着にもなる。
執着は、例えば過剰なこだわり、承認欲求、過剰な気遣い、などもそうである。
私たちはそういった執着をたくさん持っていて、勝手にイライラしたり疲弊したりして自分で自分を苦しめている。
本当の幸せとは
そういった心の仕組みをまず理解し、そのうえで、では本当の幸せとは何かと考えていく。
言葉で言い表すのは難しいのだが、そういった心(マインド)の段階よりもさらに深い部分“自分の内側”“真ん中”“根源”と繋がる。内側がもともと満ちていることに気づいたり、瞑想などを行って内側を満たすことに本当の幸せがあるという。
人間は豊かさを得た反面、抱える苦しみや不安などもどんどん大きくなっているのではないでしょうか。だからこそ、私たちはいったいなんのために生まれてきたのか、そのことをしっかり理解しなければならないのです。
あなた自身を知ることが何よりも大切です。それこそが、真に自分の内側を満たすことになるからです。自分の内側を本当に豊かに、知恵を溢れさせ、愛を溢れさせ、平和にしましょう。人は外ばかりを見て、外側を満たそうとしています。そのようなことをしていたのでは、本当に自分が満ちた存在にはなりません。
内側はすでに満たされているのに、心のくっつく性質、不要な執着から私たちは色々なものを抱えている。
執着は、マインド(心)の部分で求めているものであって本当の“真ん中の部分”“魂”ではそんなものは求めていないのである。。
そういった、自分がもっている多くの不要な執着に気づき、手放し、自分の内側を満たす生き方をする。それが幸せへの秘訣。
終わりに
今回心の仕組みを知り、自分の心って思っていたより奥深いものなのだなと学んだ。“自分のやりたいことは何か?”“自分はどういう人間か?”と今まで向き合っていた心は、心(マインド)の部分の欲望や執着であって、真理ではないのかもしれない。自分の心と向き合うことは、もっと深い内観が必要なのだ。
日々生きていくなかで心が動いたとき、衝動に駆られず一度立ち止まり、それは不要な執着ではないか?と向き合う。そうであればそれは手放す。そうやって軽やかな自分で生きていきたい。
執筆:icecream
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