「トレカを共同保有する」という投資方法について!

「俺、がんばリーリエ持ってるぜ!!」

ポケカコレクターなら憧れのカード「がんばリーリエ」
2017年10月にふつーに発売されたカードであるにも関わらず、現在の相場は100万越えるトンデモナイカードです。

ぐぬぬ、、、か、かわいいやないか、、、

「たかが1枚のカードに100万以上は馬鹿げテルヨ!!」

でも、それが1000円で保有できると聞いたらどうでしょう?
それが「共同保有」というサービスです。

提供するのはalty(オルティ)という会社ですが、つい最近カードショップcloveの運営会社である株式会社トラストハブに全株式を譲渡しています。
そのためcloveのオンラインショップから、このaltyのサービスが申し込めます。https://clove.jp/TCG/Pokemon

この「共同保有」に関して、altyからの説明は以下です。

「価値が上がるかも」だけを強調してるのは卑怯ですよね…当然下がる可能性もあります

つまりこれって株式分割と同じ感じです。
通常1株しかないものを、1000株などに分割して売りに出しているだけです。
自分が購入した保有権は売る事も出来るので、儲かるかも知れないよって話ですね。

当然、株式と同じように「保有権」をもっていたとしても、物理的にカードを保有できるわけではありません。
ただ、株の議決権のようなものもあり、一定期間を超えたアイテムをいつ売却するか?という決議に参加できるようです。

では、「実際、投資としてこれどうなん?」てことを考えてみましょう。

実はこのようなサービスはまったく珍しくはありません。

アメリカでは「Otis」や「Rally」などのサービスが以前からあり、ポケカな
どのトレーディングカードも投資アイテムとして運用されています。
美術品や、コレクター需要があるアイテムはすべて投資対象として存在している感じです。

トレカなどの「実体があるもの」に対しての投資する時のデメリットとして、大きく分けて3点あります。

1.破損、紛失、盗難リスク

紛失や、盗難は言わずもがなですが、実は「破損」のリスク度は非常に高いです。
特にポケカなどの高価なカードは、0.1ミリほどの線キズ、塗装剥げ(白かけ)があるだけでも半額の価値になってしまったりします。
また、紫外線による色焼けや、湿気による反りなど、手に触れないようにしていたとしても、事実上、破損状態になるリスクがあります。
(余談ですが、PSA鑑定品のケースに入れておれば紫外線が防げると思われていますが、PSAのケースは紫外線を10-20%程度しかカット出来てません。別途紫外線対策は必要です)

2.流動性の低さ
ポケカブームだ、なんだと言えど、ポケカの売買取引数は株などに比べると圧倒的に少ないです。
つまり「売りたいときに売れない」というリスクがつきまといます。
高額のカードになると尚更です。

3.偽物が存在する
これは一番のリスクと言っても良いです。
すでにポケカには偽物が多く存在します。
「カード自体の偽造」「鑑定ラベル・ケースの偽造」など、パターンはありますが、どれも素人は騙される可能性が十分あります。


では「共同保有」だとどうでしょうか?

「1.破損、紛失、盗難リスク」はなくなる?
いえ、一見なくなるように見えますが、この運営会社が「破損、紛失、盗難リスク」にあうリスクは残っています。
そして、その場合にも「保有権を持つ人」に対して一切保障はありません。
利用規約にはっきり書いてます。

※運営会社が単純にサービスをやめただけでも、保有権が消滅することが書かれてます。ヤバスンギ!!!

「2.流動性の低さリスク」は無くなる?
株だと「株式分割!?これは流動性が上がって株価アップだ!急げ!!」となりがちですが、このサービスではどうでしょう?
今現在のaltyで共同保有できるアイテムで、すでに売買できるのは以下の通りです。

・かいりきリザードン(ポケカ)
・NIKE Air Jordan 1 Chicago “1985”(スニーカー)

2つだけ!!!ふざけてんの?ねぇ!?ね”ぇ”!!!
(2月中に3点のアイテムが増える予定ですが、それでも少なすぎんだろって)

そして、それぞれの取引きの板情報がこちら

かいりきリザードン
NIKE Air Jordan 1

ハハハ…乾いた笑いしか出てこない。
流動性のりの字もない。
あたり一面何もない砂漠のど真ん中で「ポケカ買いませんかー?」と叫んでる気分。

まぁ言うて2022年5月設立の会社なので、仕方がないのかも知れませんが今後これが活発に取引されるようには見えます?
少なくても、カードショップやメルカリでの流動性より高くなるとは思えませんよね。
しかも「alty」で購入した保有権は、「alty内だけ」で効力を持ちます。
今後同じような共同保有のサービスが増えたとしても、alty外では保有権は意味がありません。
つまり流動性の面でも×ですね。圧倒的×です。

「3.偽物が存在するリスク」に関してはどうでしょう?
流石に偽物かどうかはユーザーが気にしなくても良いはずですよね?
でも、これもサイトにこう書いてあります。

いや、さすがにそれは保証せえよ…

結局自分で判断してね、という事です。
もちろん、さすがにカードショップが大元になって運営するんだから偽物ということはないと思いますが、それならカードショップで普通に買っても同じことですよね。

総括

いや、ヤバイっしょ…

という一言です。
誰使うのこれ?
「ポケカ投資はもうかる!」だけ聞いてきた「鴨」を釣るだけのサービスです。

一見「高すぎて買えないカードの保有権が得られる」というのは魅力に思えますが「保有権」とは名ばかりで、ほとんど保有者のメリットがありません。
実物を見ることもできないんですから、インターネットで「がんばリーリエ」と検索した画像を見ているのと同じです。

一応、定期的に実物を鑑賞できる会が開催される予定ではあるらしいですが、数百人ぐらいで1枚のカードを取り囲んで見るのでしょうか?
もうコントでしょそれ笑

仮に数千万~億以上の、美術品のように「実物を見ること自体が難しい」ようなカードならわからんでもないですが、altyで扱ってるのは言うて数百万から数十万のカードです。
それぐらいならカードショップにでも置いてるとこ多いです。
そこで見たらええやん?

そもそも株と違って、ポケカの良いところとして「上がる時は全部上がる」という事があります。
株みたいに同じカテゴリーの企業でも、負け組、勝ち組に分かれて、片方上がれば片方下がる、みたいなことはほぼないです。
「可愛い女の子買ってりゃみんな上がる」のがポケカです。
なので、このような特定のカードに拘る必要はありません。


以上、こんなもん買わなくてOK!!!!

せめて、盗難や偽物のリスク、サービス終了時の返金保障ぐらいは用意してから出直せalty!!!!

運営だけがノーリスクで儲けようなんてふざけた考え捨てろボケカス!!!!!!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?