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詩 / 賭け
せや、あんた、賭けをしようや
いまから夏になるやろう、花が咲くやろう
その花を愛や誠というものに変えられたものが、勝ちや。
炎天下、お陽さんはえらい過酷な温度で、人を照らすやろう
沸き立つ血が、汗が、俺たちにあたらしい愛の形を見せるやろう
(そうか? あたらしい愛とはなんや?)
ヒマワリひとつ、旗や棍棒のように持って
天使に向かって振り下ろす
花弁が散って散ってきれいやろうなあ!
天使は顔を覆って、笑いながら逃げるやろ?
天と地がサカサマになったみたいな、初夏のひかりがあらわになるやろ?
溢れんばかりの汗が、俺たちの愛を祝福するやろう
その時に、『嫌悪』の心臓を刺せ!
……刺すんや。
あゝ馬鹿らしなあ、俺は何を言うとるんやろうか
終わった話ばかり、繰り返しとんとちゃうやろうか
いまから夏になるやろう、花が咲くやろう
その花を、その花を、愛や、誠というものに
見切りをつけたもんが、勝ちや。
いや、いや、嘘や、嘘や! これからの話は俺の新しい生命誌です
人間が見捨てた感情の落とし子の、『その後』の噺です
それはどえらいおもろいもんにならなアカンのです
わかりますか、お前、わかりますか?
希望というものは、時にお笑いぐさの姿をして
俺たちの前にひと笑い取りにやってくるんです。
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