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経理のマニュアル作成はどうしてる?


ちょうどX(旧Twitter)で経理のマニュアル作成についてポストしている方がいて。

経理のマニュアルって、みなさんはどう作っているのか気になった。


バンコクだと、マニュアル作成ソフトを使っている会社が多かった。

会計システムを操作している画面を手順ごとにコマ割りで動画にできる。

マニュアルのアーカイブもわかりやすく整理できる。


私は、動画にする必要はないと、メール上でマニュアルを作成していた。

1プロセス1メール。

メール文面に手順を書く。

会計システムの画面のスクショ付き。

気を付けるポイントを書き、参照すべき資料などリンクも貼っておく。


部下に手順を聞かれたら、宛先に部下のメールアドレスを入れてピッと送るだけ。

何か不明な点があったり、同じようにいかなかった場合は、そのメールに「この手順3の(2)が同じようにできません!」「手順4の(3)のブランクには何の数値を入れたらいいですか?」などと返信してもらう。

そうすれば、ピンポイントで分からないところだけ説明できるし、分かりにくいところがあればすぐに解説を追記し、マニュアル改善ができる。


自分が退職をする際も、関係各所にマニュアルを宛先またはCCで送っておいた。

外資系企業は引継ぎしない人が多い(私も前任者から引継ぎしてもらってない)けど、「負の連鎖」を続ける必要はないので、私は引継ぎして辞めた。

とはいえ、マニュアルは最初に送っておいたので、引継ぎは速攻で終わった。


経理業務は基本的に、日次、月次、年次があるので、それに合わせて整理すると分かりやすい。

  • 日次業務: 現金の出納管理、伝票の起票・整理、領収書の入力・整理など。

  • 月次業務: 給与計算、支払業務、請求書の作成、月次決算など。

  • 年次業務: 決算作業、税金の申告・納付、年末調整など。


日次・月次は毎日・毎月やっていれば自然とすぐに業務手順は覚える。

年次となると、当たり前だけど年に1回しかやらないので、1年後には業務手順はすっかり忘れる。


年次業務については、業務の引継ぎのためだけではなく「1年後の自分のため」にも丁寧にマニュアルを作っておくべき。

年次決算でバタバタな中で「これは何をどうやるんだっけ?」と、前年やったことを考えていると焦るし、ミスが増える。


マニュアルには、このような項目を含めるといい。

  • 目的・目標: 各業務の目的や達成目標を明確にする。

  • 手順・フロー: 業務の具体的な手順やフローを示す。

  • 使用ツール: 必要なツールやソフトウェアの使い方を説明する。

  • 注意事項: 業務を行う際の注意点やトラブル対応方法。


何のためにやっているのか(会計基準や社内の会計マニュアルの参照番号も書いておく)、どのタイミングでやるか、やった結果どの勘定科目に影響があるか、確認・承認は誰にお願いするかなども書いておく。

トラブってIT部門にヘルプを出した時のメールなども添付しておく(トラブったときに、誰にヘルプを出せばいいのか焦るので)。


解説は、新入社員でもわかるように、なるべくシンプルに書く。

社内だけで使われている用語にも注釈を加えておく。

長く働いていると当たり前の社内独自の用語は、新入社員には最初は意味不明。

入社早々困らせる必要はないので、新入社員だった頃の自分を思い出して、丁寧に書いておく。

社内用語・会計専門用語リストは作っていたので、それもあげると喜ばれた(少し過保護な気もするけど)。


定期的にマニュアルは見直す。

会計システムのアップデート、会計基準の変更などで、やるべきことが変わっていく。

古いままだと使い物にならないマニュアルになってしまうし、マニュアルをみた人からの質問が増えてしまうので、チョコチョコ見直す。


思うがままにサラっと書いたけど、もっと詳しく書くかもしれないし、あまり需要がなければ書かないかもしれない。

さすがにもう実務をやることはなくマニュアルは作ってないけど、米国企業でAccounting Managerだったときはこんな感じだったので参考までに。


英文会計・経理の実務で使う会計用語の英語の略語はブログにまとめてあるので、参考になれば(社内独自の会計用語の英語は公開できない)。


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