陸上を通じたとりとめのない感想

僕の日記を読んでもらえると分かるのだが、大学駅伝に最近好きではまっている。中でも順天堂大学が好きであの爽やかなブルーのユニフォームが好きなのだ。小さい頃、そのちっぽな理由が取っ掛かりになって、今でも応援している。とは言っても、ずっと応援して来た訳でもない。気になり出した2000年以降、弱い年は何回もあったし、僕自身意外と移り気のする男なので箱根だけ見ておしまい、順天堂は1区で毎年盛大に遅れるのがデフォなので、頭にきてすぐチャンネルを変える事も多々あった。でも、今の仕事を始めてから時間が出来たので多少追っかける余裕が出て来たという事もあっての今である。
順天堂が圧倒的なのだが、敢えて言うと駒澤大学も少し気になる。最近、人材育成に成功しているようで羨ましいのだ。脇道に逸れてしまうが、「育成の成功」とは何をもって断言出来るのか難しいと感じる。青山学院大学なんかは箱根駅伝は圧勝するけど、社会に出てからマラソンやトラック競技で活躍するかと思えばそうでもない。この際一つの指標として五輪に排出している人数を見れば手っ取り早い。青学の駅伝強化達成が2015年位だから、ぼちぼち五輪若しくは世界陸上に誰か出て来ても良いのでは?
その点、順天堂や駒澤ははっきり言って立派なのだ。特に前者はスカウトだって大した事無いのだが(但し一本釣りは上手いと感じる。世界に通づる人材に対する目利きが出来ているのか、あっちから寄って来るのかは不明だ)。僕が仮に有望な高校生だったら青学は敬遠するだろう。一種の食い扶持としてしか己の特技を評価していないし、(青学で活躍した後、どっかの企業に拾われれば良いという程度の)希望しか抱いていないのではないか。或いは、箱根のあの一瞬、大人になる上で途上に過ぎないあの瞬間さえちやほやされれば満足だといった安っぽい希望を見る気がする。もし僕の邪推が当たっているとしたら、高校時代に長距離の頂点に立ち青学に入学するようなそうそうたる面子から思うと非常に勿体ない。
こういう高校生は、どこかで壁にぶつかったからこそ尻尾を巻いて青学に入学したのだろうか?まだ発展途上なのに自分の限界が分かり得た?そもそも進路将来について深く考えていなかった?原監督の露出になんとなく惹かれて憧れて?青学のネームバリュー?奨学金でも弾んで貰えるのだろうか?箱根で勝ちたいという思い?(個人種目なのに)
僕は別に青学を貶したいのではない。その予想しうる志望動機からは安っぽさと無知が蠢いているような気がしたから書き連ねてみただけである。かくいう僕はそもそも陸上素人だし、過去安直に就職活動をした大学生でもあった自分がこれ以上とやかく言う権利はないだろう。
最近、駒澤大学が鈴木、篠原、佐藤のエース級3選手をあるレースに出場させた。過去の日記を見て貰えれば分かるが、中でもこの篠原という選手が面白いと思ってみている。彼は出雲駅伝で圧倒的だったのだがそれに任せて、キャプテンの鈴木はさて置き、佐藤は自分に次いで二番手と全国インタビューで豪語したのである。僕は久々に気分の悪い思いとスカッとした思いの矛盾した気持ちを味わったのである。納まりが良過ぎる現代社会からはみ出たものを見た。ぎくしゃくした3選手の様子を垣間見た一般の人達から「篠原君かわいい」みたいなツイートが上がっていたのには笑ってしまった。臭いものには蓋を、見て見ぬ振りの精神である。匿名性の強いXの世界においてすら「篠原生意気だな」みたいな直球を投げれないこのひ弱さよ。それでものの分かったつもりか?いざという時、かわいいと言った人間の中から頭を抑えに行く人間が生まれる事も僕は併せて指摘しておこう。面と向かって頭を殴りに行けば非難される(見せかけ)紳士な世の中なのでやり方が陰湿になって来ても仕方ない側面はあるのだが。若しくは羊になるしかない。僕はどっちにもなりたくないので篠原みたいに頭をどんどん壁にぶつけて行くつもりだ。なにも突っ張ってばかりいる訳ではない。これでいて犬っころみたいにキャンキャン人に擦り寄る瞬間もあるのだから人間不思議なものだ。
話は戻り結果から言うと篠原は他の二人に負けてしまった。「負けてしまったのでシンプルに悔しい」という短いコメントが残っていた。篠原君は才能があるからそれを信じて納まりが良い人間にはなって欲しくないし、僕もそうありたいと思った。


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