住宅の構造と耐震等級その①

ここでは、住宅に関しての構造についてのおおまかな説明と、現実社会における問題点、注意点を書きます!

まず、建築の構造は、大きく3つに分かれて、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造があります。(もちろん他にもありますが)
コスト比較でいえば、鉄筋コンクリート造>鉄骨造>木造となります。(木造もいろいろありますが一般的な在来、ツーバイ)
それぞれ一長一短あるのでどの構造にするかはさまざまですが、一戸建て住宅は低層建築物なのもあり、コストのかねあいもあって木造の割合が圧倒的に多いかと思います。ここでは主に木造戸建て住宅を想定して話をします。

初めに結論を言いますと、もしあなたが相談している設計事務所や住宅メーカーの計画が以下のような場合はちょっと慎重に考えた方がいいです。

・構造はどうですか?に対して「建築基準法クリアしてるから大丈夫!」と返事が来たら、まず怪しい(笑)

・壁がやたら少ない→耐震等級取らないにしても、耐震等級で言うと何等級ですか?と聞いてみてください。壁が少なくなくてもこれは聞いた方がいい。法的な強制ではないが壁量や床倍率的には等級3で当たり前だと思う。基準法の壁量計算なら、全体の壁量充足率が2倍近いと思います。基準法の最低レベルを1とした場合の壁量です。これが1.1倍(基準法ギリギリ)とかを平気でやっちゃうところはちょっとわたしは信用できません←法的にはOKですが

・スパンがやたら広い(主にLDKが広くて2階も載ってるのに柱少ない気がする)と思ったら→梁の検定はしていますか?これも、別に耐震等級取らなくても聞いた方がいいです。梁に梁をかけてさらにそれに梁をかけて、みたいなことで、広いLDKに無理やり2階をのせて、必要耐力の6分の1ぐらいしか無い家が建っているのは見たことあります(汗)←法的にはそれでも通る。あまりにも怪しいから構造図手に入れて計算してみたら検定比6.7とか…(趣味の一環)

・2階の壁や柱が1階の柱に載っていない箇所が多い、特に2階の外壁ラインが1階の壁のラインに載ってない→ここがデタラメなとこは、構造については何も考えてない場合が多い気がしますので要注意です。上と下が揃わないことは多々ありますが、特に2階の角の下の1階部分に柱が無い等は自分はまずしません。2階の壁の下がスッカスカな計画はヤメトケ~~~。法的には通りますが。それを平気でやるところはちょっと怪しいです

・基礎→基礎の構造検討してますか?仕様規定以上で適当、スパン表、構造計算の3択だと思います。法的強制ではないですが、構造計算が経済的かなと思います。スパン表だと鉄筋多くなりがち。仕様規定でも法的にはOKですが法律以外に構造的根拠はありません。仕様規定最低限だと、構造計算するとアウトになる可能性が高いと思います。

建築基準法は、安全性を担保するものではなくて、最低限の基準を定めたものであることを頭に入れておくべきです。(本来はそんなことプロが頭に入れておけばいいだけの話ですが、現実社会はそうなっていなくて、特に木造住宅、4号建築物といわれる小規模な建築物はもの凄くいい加減に建てられている事案が結構あるんですよ)

ちょっと長くなりそうなので、続きはその②へ・・・

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