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祖母のたまう「母の日って知っとった?」

実家にて母と談笑していた午後20時頃。

祖母から母に電話がかかってきた。

(祖母は老人ホームにいます。認知症、すこしずつ進んでいます)


祖母)「T子さんからね、お菓子が届いたとよ。『遅くなって申し訳ありません、母の日のプレゼントです』って書いてあると。」

※T子さんは、祖母の息子の妻。私からみると、母の弟のパートナー、つまり叔母。

祖母)「嬉しかねぇ。あんた、母の日ってものがあるって、知っとった?!」

ここで目を合わせ驚く母と私。

※祖母の電話はスピーカーになっています。私はその場にいないことになっています。


母)「知っとるもなにも、サム(祖母の息子、母の弟のことを仮称でサムと呼びますね)から5月あたまにハンカチ届いたやん、母の日のプレゼントって!受け取って嬉しそうやったやん、おかあさん。」

祖母)「あ!あったねぇ。それはそうと、あんた、母の日ってものがあるって知っとった?私は知らんかったわ~」

母)「いやいや、母の日ってそれこそ私とサムが小さいころからあるし!小学校のころから二人でおかあさんにプレゼント渡しよったやん!覚えてないと?」

祖母)「覚えとるよ~」

母)「じゃぁ母の日知っとるやん!」

祖母)「知らんかったとよ~」

母)「知らんかったのじゃなくて、忘れとったんや!」

祖母)「え~、あんたは母の日って知っとったとー?」

母)「うん、知っとるよ。」

祖母)「そうね・・・」

母)「私もね、母の日のプレゼント渡そうかと思ったけど、いつもいつも色々おかあさんと過ごす時間が多いやん、そのたびに何かしとるやん、それがプレゼントよ!」

※サムとその嫁は遠くにいます。母だけが祖母の近く(徒歩圏内)にいるので、日々の手続きや相談事、お買い物の付きそいなどは母が一手に引き受けています。


祖母)「・・・そうやね!」

よかったぁぁぁ。

ほっとする私。

母もすごいな。素直に言うの大切だな。

私てっきり「祖母から母へのプレゼント要求電話」なのかと思って。

だから電話の回答としては「これプレゼントであげたやん」とか「今度持っていくね」とかって終わらせるのが簡単なのかと思ってた。

簡単に終わらせたい、と思っているということは、私は祖母との電話がめんどくさいと思っていることだ。

母は「おばぁちゃんの電話、なんども同じこと言うし長いし悪口多いし大変!」て言うけど、それは

「ちゃんと聞こう」って思ってるからなんだなぁ。

そして、私は祖母から電話がかかってくることはほぼないのだけど

母からの暗示~祖母の電話めんどくさい~にちゃんとかかり、

ネガティブイメージを持っているのかもしれないなぁと思った。


いや、母のせいにしてはいけないね。

祖母どころかわたし、母との電話もめんどくさい。

正確に言うと「雑談の電話」めんどくさい。

仕事の電話、はいい。つらくない。

なんだろうなぁ。


あ、わたし、母の日のプレゼント・・・あ・・・あげてないかも・・・



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