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【有酸素運動を科学する】

こんにちは!
パーソナルトレーナーの土岐です!

今回は有酸素運動が筋肥大に対してどのような影響を及ぼすのか。
また、筋分解を起こしてしまう3つのメカニズムについてお伝えできたらと思います!

○有酸素運動によって、どのくらいの筋肉が分解されてしまうのか?

よく聞く話としては長時間の有酸素運動は体内のエネルギーだけではまかなえず、筋肉を分解してアミノ酸を取り出し、エネルギーとして使ってしまうから筋肉の分解が起きてしまうなど聞いたことある人は多いのではないでしょうか?

はたして実際のところはどうなのか?

結論からお伝えすると、筋肥大効率に対して約20%損なってしまうことが研究によって分かっています。

しかし、有酸素運動の取り入れ方の工夫や、ウエイトトレーニングの工夫によって、強度や頻度によってこの数字は異なってきますので、目安として参考程度にして頂けたらと思います。

改めて有酸素運動の特徴についてお伝えできればと思いますが、大きく運動は2つに分けられます。

1.無酸素運動▶速筋繊維メイン

2.有酸素運動▶遅筋繊維メイン

という2つの運動に分けられます。

無酸素運動は主に糖質(グリコーゲン)をエネルギー源として、逆に有酸素運動は脂質を主なエネルギー源とし、場合によっては糖質やタンパク質をエネルギー源として使ったりもします。

その理由としては使っている筋肉が異なり、上記にも記載したように、無酸素運動では速筋繊維メイン。
対して有酸素運動は遅筋線維メインとなります。

なぜこの話をしたのかは後ほど説明致します。

では今回はタンパ大学の論文についてお伝えできればと思います。
2012年の21個の論文を統計的に見て導き出された研究結果ですが、この実験では無酸素運動のみ、無酸素運動と有酸素運動の組み合わせ、有酸素運動のみを対象としたグループに分けたグループで筋肥大に関してどれだけグループによって差が出るのかという論文になります。

この研究によると

・筋トレのみの筋肉平均増加率▶1.76

・筋トレ×有酸素の場合▶1.44

・有酸素運動のみ▶0.78

この研究は21個の研究を組み合わせて導き出された結果ですので、参考程度にして頂けたらと思います!

しかし、有酸素運動をすることによって筋肥大が起きますよという論文は僕が知る限りないので、有酸素運動によって筋肥大が損なわれてしまうのかもしれません。

ではなぜそれが起きてしまうのか3つに分けてお伝えできればと思います!

①トレーニングすることによる速筋遅筋の比率によるもの

具体的にウエイトトレーニングは先程お伝えした通り速筋繊維を大きくするものになり、有酸素運動は逆の運動になります。

速筋繊維は爆発的な力を使うのに対し、遅筋線維は長く効率よく力を使う筋肉になります。

わかりやすくより具体的な運動としては100mが速筋繊維だとしたら、マラソンが遅筋線維を使うということになります。

本来ウエイトトレーニングは身体を筋肉を合成しやすいアナボリックな状態になるのですが、筋トレの後に有酸素運動をしてしまうと、せっかく速筋繊維を増やしたいというのに遅筋線維を使うわけですから、邪魔してしまうことになります。

よってウエイトトレーニングのみの場合に比べて筋肥大の機会損失をしてしまいかねません。

②ホルモンの分泌による影響

有酸素運動を長時間行うと疲労が溜まります。
そうすることでホルモンの分泌量に変化が出てきます。

具体的に成長ホルモンを出してくれるテストステロンの分泌量の低下や、ストレスホルモンのコルチゾールの増加などが起こってしまいます。

大きな理由としましては、有酸素運動をすることにより酸素の摂取量が増え、酸素の摂取量が増えると当然身体に活性酸素というのが増え、疲労が感じやすく他のホルモンに影響を与えるということになります。

さらには長時間の有酸素運動によってAMPキナーゼという細胞のセンサーが働きまして、このセンサーが過度に働いてしまうことにより筋肉の合成を阻害してしまいます。

活性酸素を抑える工夫としては、軽めの有酸素運動や、アルコールやタバコを控えていただくとよいです!

栄養素に関してはビタミンCやビタミンEなどを積極的に摂っていただくと有酸素運動の間接的な対策としてはよいのではないかと思います!

③飢餓状態での運動による筋分解

飢餓状態での長時間の有酸素運動によって、せっかく蓄えていた筋肉を分解し、それでエネルギーを補ってしまうということです。

おそらくみなさんがイメージしてるところの筋分解がここに当たるかなと思います!

飢餓状態で行うと脂質をエネルギーとして使ったりもするのですが、エネルギーのタンクが切れるとタンパク質(アミノ酸)を使ってエネルギーを補おうとしてしまいます。
それにより筋肉が分解してしまうというメカニズムになります。

○それではどのようにして有酸素運動を取り入れていけばよいのか?

・1度に20分未満に抑える

・HIIT

・強度を控える(5.5km/h~7.0km/hくらい)

・血糖値が低い時(起きてすぐ等)

上記のこのようなタイミングややり方によって取り入れるのがベストだと思います!

○有酸素運動はトレーニング前?後?

これに対して何回聞かれたことか分からないくらいありますが、これは目的に応じてタイミングは変わってくるかなと思っております。

まずトレーニング前にオススメな方はダイエット目的の方になります。
有酸素運動をするとその後のウエイトトレーニング後のEPOC(運動後過剰酸素消費量)が上がるという研究結果があります。

ですから世界で活躍されるようなトップビルダーさんなどは減量気になると有酸素運動をやったあとにウエイトトレーニングするのは理にかなっていると言えます。

それではトレーニング後にオススメな方はどういう方かといいますと、ウエイトトレーニングのパフォーマンスや筋肉を増やしたいという方は筋トレ後をオススメいたします。

なので目的に応じて有酸素運動を前に持ってくるか後ろに持ってくるかを選択して頂けたらと思います!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

また次回の投稿もお楽しみに^^*!

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