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第六開『花/色/本』

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#小説

第六開『花/色/本』飴町ゆゆき

「君の作品を読んだけど、まるで泥を塗りたくったみたいだったよ」

 そんなことをいきなり言ってきた相手に、わたしはあのときなんと答えてやればよかった?
 カッとなったわたしにできたのは、ただ一振りの大きな張り手だけだった。

 彼が読んだ作品というのは、つい先日発行されたばかりの文芸部の部誌に、わたしが寄稿したものだった。確かに、読者には作品に自由な感想を持ち、それを述べる権利がある。それはわ

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