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連載更新「コロナ禍3年め、無為無策で見殺しにされる子どもたち」【コロナ第7波、吹奏楽コンクールで棄権(コロナ感染と思われる)続出・甲子園の高校野球もコロナ感染続出で試合日程変更】

連載更新
コロナ禍3年め、無為無策で見殺しにされる子どもたち
『コロナ禍の下での文化芸術』4章特別編その5【コロナ第7波、吹奏楽コンクールで棄権(コロナ感染と思われる)続出・甲子園の高校野球もコロナ感染続出で試合日程変更】


コロナ第6波で、10代の感染多発していた結果への反省も何もなく、岸田内閣は無為無策のまま2022年夏のオミクロンBA5による第7波を受けている。
真夏の部活はインターハイも予定通り開催され、吹奏楽コンクールも甲子園大会の高校野球も、コロナ対策を十分取れないままで開催されようとしている。
その結果、吹奏楽コンクールでは予選大会ですでに棄権校が複数あり、高校野球でも感染のために試合日程の変更が発表されている。


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コロナ危機が始まってからずっと、学生の部活の大きな大会やイベントは感染リスクを負ってきた。当初は大会やコンクールが延期、中止されたこともあった。
だが、もはや日本政府も文科省も、都道府県も学校長も、現場の教員も保護者も生徒も、コロナ3年目にすっかり疲れてしまい、思考停止している。
その結果、2022年夏の部活の大会は、ほぼ予定通りの方法で行われている。
けれど、感染は人間の思考停止を前に、遠慮はしない。
情け容赦なく、感染力を強めたBA5は子どもたちに襲いかかる。
思考停止したままで開催しようとした部活の大会を、感染生徒多発という当然の事態が襲う。
吹奏楽コンクールも、当事者たちのツィートなどで察せられるように、感染生徒や指揮者の代理を立てて、なんとかしのごうとしている。それでも棄権が目立つ。
高校野球の場合は、もっとわかりやすく、感染生徒が出た高校は試合日程を遅らせるなどして、なんとか甲子園大会を成立させようと必死だ。昨年夏も、今年の春の選抜でも、高校で感染多発して、泣く泣く出場辞退や不戦敗となる例が出た。
感染力の強いBA5に対し、無為無策のまま、甲子園も吹奏楽コンクールも強行されていくが、はたしてそれでいいのだろうか?
なにしろ、学校関係の情報はなかなか表に出てこない。だから、実際にはもっと多数の感染生徒がいると考えられる。
このまま、10代の子どもたちのコロナ感染を放置し続けていたら、一定の割合で必ず出るロングコビッド、いわゆるコロナ後遺症が子どもたちを襲うことになる。厄介なことに、ロングコビッドは無症状感染でも出る。こののち、コロナ後遺症に苦しめられる子どもたちが続出しても、厚労省や文科省はもちろん無視するだろう。都道府県も、学校も、コロナ後遺症と部活の大会の因果関係など無視するだろう。
そうして結局、運悪く感染してしまった子どもたちだけが、大人の無責任の尻拭いをさせられ、若い時代を辛い闘病に苦しめられることになりかねない。
今一度、このコロナ第7波への無為無策を反省し、第6波のオミクロン、昨年2021年のデルタ株の事例を再点検し、子どもたちへの感染を少しでも(今からでは手遅れかもしれないが)、防ごうという気持ちはないのだろうか?
もしわが子が、コロナで後遺症に苦しめられると思えば、これまで全くの無責任だった政府や岸田内閣、厚労省、文科省、都道府県も学校長や現場の教師たちも、少しはコロナ感染対策を勉強し、古い対策を見直そうという気にならないものだろうか。
まずはコロナ初期の飛沫感染説から、最新の空気感染の対策へグレードアップしなければ、子どもたちを守ることはできない。



※参考記事
『コロナ禍の下での文化芸術』3章その1「楽器飛沫実験と、2〜3月の公演延期・中止の是非 特に学校関係の行事・音楽系の学生公演について」
https://note.com/doiyutaka/n/n2c973b89c700

(1)甲子園大会での吹奏楽応援の是非について、文科省の見解

※開示請求記事
《今年春の甲子園でブラスバンドが出来なかった理由を聞いてみました。taka1984 2021年4月24日》
https://note.com/taka198435/n/ndef130f7bbd6

上記記事引用
《高野連が感染症の専門家からのアドバイスを聞いて中止を決定した。
そのアドバイスは「高校生のレベルだと、技術が未熟で吹き損じがあり、そこから唾液感染があるとのこと》



(2)吹奏楽や管弦楽の観戦リスクについて、コロナ初期の飛沫感染説に基づいた対応の事例

※ヤマハによる飛沫実験
https://jp.yamaha.com/products/contents/winds/visualization_experiment/

《「新型コロナウイルス」の感染経路は主に接触感染・飛沫感染と言われています。株式会社ヤマハミュージックジャパンは新日本空調株式会社の協力を得て、管楽器や鍵盤ハーモニカなど息を吹き込む楽器の演奏時の飛沫の飛散状況を可視化する実験を行いました。この実験では、発音方式の異なる4つの楽器群の中から、フルート、アルトサクソフォン、トランペット、ソプラノリコーダー、鍵盤ハーモニカを選択し、演奏時の飛沫の飛散距離や左右への広がりなどを観測しました。比較対象として、くしゃみ、発声を用いています。その結果、今回の実験条件下では、楽器演奏による飛沫の飛散距離と左右への広がりにおいては、くしゃみ、発声と同等以下であることが観測されました。トランペットのマウスピースのみを使用した場合は、くしゃみ以下でありながらも、発声と同等またはそれ以上に飛沫が飛ぶ可能性が観測されました。また、トランペットやソプラノリコーダーの水抜き/唾抜きなどお手入れでも、飛沫が飛ぶ可能性が観測されました。》

※【追加記事あり】緊急提言「楽器演奏のエアロゾル飛散検証実験、実は管楽器演奏はコロナ感染の危険は少ない?」
https://note.com/doiyutaka/n/n3d36dadd4136

《ベルリンフィル、ウィーンフィルなど欧州オケの検証&試行と、国内オケ、関西フィルや日本センチュリーの例を比較し、本当にオーケストラ演奏でソーシャルディスタンスをとる必要があるのか?を考えます。》


※第1章の記事中に紹介した、ドイツにおける楽器演奏者のコロナ感染可能性の検証、公式声明文が出ていたので、以下、引用掲載する。
https://note.com/fukudayosuke/n/nd9be5dd9812a

全訳転記「新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務に対する共同声明」〔翻訳:西南学院大学神学部教授 須藤伊知郎〕

※管楽器の飛沫実験などは行われているが、それが広く周知されているとはいえない
「#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト」について
〜クラシック音楽演奏会・音楽活動を安心して実施できる環境づくり〜
2020年6月22日 クラシック音楽公演運営推進協議会
一般社団法人日本管打・吹奏楽学会

https://www.classic.or.jp/2020/06/blog-post_22.html

https://storage.googleapis.com/classicorjp-public.appspot.com/200622covid19project_issue.pdf



※記事をまとめ読みできます!マガジン発売中!
『コロナ禍の下での文化芸術』
https://note.com/doiyutaka/m/mbfe79043941d




※アーカイブ
『コロナ禍の下での文化芸術』
プロローグ
https://note.com/doiyutaka/n/n7590305397f5

1章「2月下旬の政府によるコロナ対策のイベント中止要請や、安倍総理による全国一斉学校休校の影響で中止・延期になった事例」
https://note.com/doiyutaka/n/n3a715c4a552a

(続き)【合唱でのコロナ感染例について】【ライブハウスでの感染例について】
https://note.com/doiyutaka/n/ne88b2c2f3a89

補足編1.5章「コロナ公演中止から復帰するオーケストラの試み〜 関西フィルの検証実験」
https://note.com/doiyutaka/n/n6b0cd35a10f7

2章「リモート演奏が突如、絶対的な決まりになった日 〜 21世紀に盛んになった〈モノ消費ではなくコト消費へ〉という流れがコロナ渦でかき消された」

その1「2020年6月以降の国内クラシック界の現状と今後」
https://note.com/doiyutaka/n/nb068a99bee06

その2「2020年6月中旬、再開されたフル編成オケ演奏会を聴いて」
https://note.com/doiyutaka/n/nd6a806309aa1

その3「コロナ渦で、コーラスをどうやって再開するか?」
https://note.com/doiyutaka/n/nfa3c57b3f7ab

3章「日本での文化芸術の流され方と欧米でのあり方、抵抗、復活への強固な意思の差〜固有の文化芸術と、借り物のそれとの差が緊急事態下で露わになった?」

その1
「楽器飛沫実験と、2〜3月の公演延期・中止の是非 特に学校関係の行事・音楽系の学生公演について」
https://note.com/doiyutaka/n/n2c973b89c700

その2
「大イベントのコロナ禍での再開と断念」
https://note.com/doiyutaka/n/n906b4e989d9f

その3
「在阪オーケストラは2020年の苦難を乗り越え、2021年シーズンへ〜日本センチュリーの「フィデリオ」と大阪4大オケ共同会見取材を中心に」
https://note.com/doiyutaka/n/n8a8742afee0b

『コロナ禍の下での文化芸術』4章「吹奏楽や合唱など、学校での音楽活動の可否 〜 吹奏楽部はコロナ感染のリスクがある?」
https://note.com/doiyutaka/n/n647edcb40ffd

4章 特別編その1
コロナ第5波の緊急事態の中、飯森範親指揮の東京ニューシティ管弦楽団で「春の祭典」を聴く(大阪府豊中市にて)
https://note.com/doiyutaka/n/nfaca7285eff4

4章特別編その2「2021年、コロナ関連のオケ公演延期・中止事例&音楽家の感染事例など」
https://note.com/doiyutaka/n/n4bbe524d6935

4章特別編 その3「コロナ第5波を経て、関西での大規模なオケ公演も継続中」
https://note.com/doiyutaka/n/na902d08db9b3

4章その4「コロナ第6波、学校感染多発でついに〈みなし感染判断〉という非科学的対応に、それでも各地で舞台公演は続いていた」
https://note.com/doiyutaka/n/n4eaa8c8af2db#BlAQ2

緊急公開!エッセイ「クラシック演奏定点観測〜バブル期の日本クラシック演奏会」番外編
【ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議する〜
「キエフバレエ公演1988年」の思い出】
https://note.com/doiyutaka/n/nb8fe92f08207

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コロナ危機の最中に音楽文化がどうなっていくのか? 感染拡大の緊急事態の中、演奏会やライブが次々中止されていったパニック状況から、演奏会再開…

土居豊:作家・文芸ソムリエ。近刊 『司馬遼太郎『翔ぶが如く』読解 西郷隆盛という虚像』(関西学院大学出版会) https://www.amazon.co.jp/dp/4862832679/