ハロウィンは嫌いだ
欧州はもう明らかに日が短くなり、「クリスマスまで100日を切った」と言われても納得がいく雰囲気になってきました。薄暗くて湿っぽい天気が続く季節です。
そんな薄暗い朝を迎えてふと思い出しました。
またハロウィンがくることを。
大声では言いづらいですが、私はハロウィンが嫌い。
そういうことをいう自分はクリスマスキャロルでいうところのスクルージみたいだと思いますが、もう割り切りました。いいんです。
似た行事が二つある
ドイツにおけるハロウィン
そもそもドイツはハロウィンを祝ってきた国ではありません。それゆえ、日本でいうところのハロウィンと立ち位置が近い印象。要はパーティのコンセプトとして使われる、という感じ。
ドイツ独自のハロウィン
だからといってドイツにハロウィンがないわけではないのです。ハロウィンや南米の「死者の日」とは関係がないのですが、ハロウィンとの共通点は、よその家を回ってお菓子をもらうこと。
ザンクトマーティンス・ツーグという名前で、訳すると聖マーティン行進、とでもいうところでしょうか。
こちらキリスト教の祭りなのですが、原則的にはカソリックのものなので、ドイツの中でもやる地域とやらない地域があります。
超絶雑にどういう行事かというと、キリスト教の聖人が可哀想な人に自分の物を施した、という伝説にならい、子供がよその家を回ってお菓子をもらうのです。
同じ行事でも私は断然マーティン推し。
二つの歴然とした違い
ここが違うよマーティン祭り
最も大きな違いとして、マーティンは子供達がマーティン祭用の歌を何種類も練習して用意して訪れます。歌と引き換えにお菓子なのです。
本場がどんなものか知りませんが、ハロウィンは決め台詞を言うだけですよね??trick or treatがオリジナルですが、ドイツの子供はドイツ語版を用意してきます。Süß oder saueres。(甘いか酸いか)
風景の違い
お菓子集めの前の儀式については後で(再び雑に)触れますが、お菓子集めの時点での違いについて。
ハロウィンの子供はご想像通り。
マーティン祭の子供達は普段着なのですが、ランタンを持っているのがおきまり。これは地域のお祭りなので、この時期になると幼稚園や学校でランタンを工作するのです。マーティン祭は夕方開始。
日が暮れた中をランタンの光を揺らめかせながら子供達のグループが歩き回り、扉が開くと歌を歌う、という情景って、微笑ましいです。また、夜になると手袋が欲しくなる寒さが始まる季節の風物詩として、なんともしっくりくるのです。
調べると地域のマーティン祭のスケジュールがわかるので、子供がいない人もドイツにいるならば見に行ってみる価値があると思います。
行事の地域性も違う
後から来たハロウィンは個人でやるパーティですが、マーティン祭は宗教絡みの伝統行事なので、学校や教会、地域が仕切ります。地区ごとに少しづつ日程をずらしながら開催するのです。
子供達がランタンを持って歌いながら地域を練り歩いた後、広場に聖マーティンが来て故事再現。その後にお菓子集めをしながら解散、というのが定番の流れ。
それで何が言いたいかというと、基本的にその地区の子供が参加するし、これだと子供達がお菓子集めをする時間が一定時間に集中します。
また、学校等がランタン作りをさせる年齢が12歳くらいまでなので、お菓子集めに来る子供の年齢もそれくらいまでになります。
さらにいうと、イベント会場になる広場や教会の近くだけを回ることになります。
というわけで、これが嫌
上にもう書いていることなのですが、マーティン祭は日本でいう小学生までのイベント。そのせいもあって、そこそこの時間に収束します。
ハロウィンで「若者」という年齢の人が来た経験はありませんが、大きい子が来るとなると、時間が遅い!「え?まだ?この時間にベル鳴らす??」という時間まで続くのです。
しかも、夕食をして片付けをし、子供達が寝る準備を進め、という日常を送っている家庭で間欠的に何度もドアベルが鳴らされる煩わしさ。
パーティなので、こちらからも相手は知らない人ですが、向こうもこちらの事情なんて知ったもんじゃないので、配慮などなし。これを迷惑に思わない人は聖人として奉られていいと思う。
また、ハロウィンは個人宅でのパーティの中でのお菓子集めなので、来たり来なかったりです。来るか来ないか予測不能。
推しは一つに絞ると宣言します
うちは今まで子連れで何度も引越しをしていますが、去年までは子供より学生が多いエリアに住んでいました。そして広場も教会も近くになかった。そんなわけで、どちらも「来ないもの」と決めてかかっていたらドアベルが鳴らされ、「えええ!?」と驚くような状況でした。
しかし新しい住まいは教会と幼稚園が近くにある住宅地。マーティン祭の子たちは一応「来ていいよ」のサインを見てドアベルを鳴らします。それは玄関先や窓辺の蝋燭。それ以外にも、「知っている人の家」「ドアが開いたのが見えた家」「歌声がきこえる方向」を狙ってくるので、一度何かあげると次々とくると思います。
でも、対応できる限り対応してあげるつもりでいます。今のうちからお菓子が安い時に買って用意します。ちなみに、「去年くれた家」も子供達はしっかり覚えています。
でも、ハロウィンはきっぱりスルーしちゃう。
ハロウィンの子も、ハロウィン飾りを目印にするところがあります。
裏を返すと、ハロウィン用と思われる飾りが見えるとドアベルが鳴り止まない恐れが。
うちはハロウィンはやりませんが、子供がやりたがるのでカボチャのランタンは作ることでしょう。
でも、道路から見えるところには飾るのはやめておきます。
そして、禁じ手の必殺技。
当日は夕方以降、ドアベルは音が出ないようにしておきます・・・
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