俳句のアドベントカレンダー2023
今年の俳句のアドベントカレンダーも何とか無事終わりました。ご存知の通り、ショパンのエチュード全作品で詠んでみましたが、もともとショパンが「ピアノの詩人」ゆえに、蛇足にならないか悩むことも多かったです。チョイスしたピアニストはわたしのお気に入りばかり(困ったときのポリーニ先生)。Xでは制限のかかったポストもあったので、どうかこちらでごゆっくり堪能頂けたら嬉しいです。社会詠ではありませんが昨今の世界情勢に思いを馳せた句もあります。
12/1
木枯のねぐらとしてのピアノだらう
12/2
何度でも愛でよ霜夜のあらたまは
12/3
だがしかしポインセチアの合はぬ部屋
12/4
スカラベが転がす冬銀河の義眼
12/5
カカ・ムラド忌みづの怒りはまばゆくて
12/6
続編に推し生き返る十二月
12/7
雑踏を瓦礫の臭ひするコート
12/8
打鍵はや絶頂おほかみの来さう
12/9
神はゐる方へプレアデスを賭ける
12/10
冬うらら鳥はわたしをヒトと見る
12/11
白鳥の航跡にちる水のいろ
12/12
壊れる星 幕間劇の凍蝶
12/13
牧童の笛に従ふ冬の雲
12/14
かけちがふボタン凍星のほろろ
12/15
極月の化粧くづれの街をゆく
12/16
狂信の鳥がついばむ枯木星
12/17
歳晩の月よわたしを見捨ててくれ
12/18
波濤のみ波濤を越して冬の夜
12/19
銀色の速度で橇をひく白馬
12/20
異端とは木菟の片翼なのだらう
12/21
ポインセチアよ鈍感は長所だよ
12/22
船旅に揺れる冬日とコニャックと
12/23
月がいいねイブイブだし すこし嘘
12/24
心臓にほしくづのゐるクリスマス
12/25
しあはせの聖樹のかたち武器めいて
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