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【本の感想】ニュータイプの時代(著者:山口周)

たまたま、著者のお話を聞く機会があり、それがあまりにも良かったので、お話の元になったこちらの本を買いました。

1.一番大きな学び

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・問題とは「あるべき姿と現実とのギャップ」のことを指す。これが大きければ大きいほど、問題のスケール、ビジョンのスケールは大きくなる
・今は「問題設定」が難しい。オープンイノベーションが上手くいかないのは、世の中に足りないのが革新的な解決策ではなく、問題設定だから。(あるべき姿と現実のギャップが大きくなりにくい)
・問題設定が上手い企業、ビジョン設定が上手い企業は、働く人のモチベーションを活発化させる。

(講演で語られたエピソード)
山口さんは、コンサルタント時代、創業間もないLCCのピーチ・アビエーションの手伝いをすることがあった。
山口さんとしては、やる気がわかなかった。
当時の日本はデフレ経済真っ盛りであり、そんななかで安い移動手段をお客さんに提供しよう、というコンセプトに全く興味がわかなかった。
嫌味のつもりで、ピーチの井上社長にピーチの存在理由を聞いた。
「戦争を無くすためだ」と力説された。

やる気大爆発。手弁当でのお仕事(つまり、タダで請け負った)含め、必死に働いた

2.個人的な疑問点

こんなお話がある。
・危機に直面した動物は、「戦う」か「逃げる」か、どちらかを選択する。対して、人間は「じっと耐える」「なんとか頑張る」という行為をしようとする。「耐える」選択肢をする動物がいないのは、そのような選択肢をした生物は絶滅してしまった、ということ
→危機に際しては、上手に「逃げる」ことが一番大事、というのが山口さんの主張。

本当にそうだなと思う。

一方で、どうやったら「危機」を感じ取られるか、の判断基準を、もっともっと知りたかった。

ビルが火事になったとき、「我慢して、火が消えるのを待つ」という人間はいない。
みんな我先にと逃げ出す。そういった意味では人間も動物と同じだと思う。
目に見える、わかりやすい危機からは、誰でも逃げる。逃げることが出来る。

問題は、どうやったら火事だとわかるか。逃げださなければならないレベルの危機だとわかるか。
火災報知器ですらしょっちゅう誤動作するのに、人間が正しく見極めるにはどうすればよいのだろうか。


3.一言感想

問題設定とは何か、を考える際のヒントになる本。


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