読書日記④コンサル0年目の教科書 誰も教えてくれない最速で一流になる方法(著者:古谷昇/PHP研究所 )
<前提知識>
著者は昔のBCG(知る人ぞ知る、超限られた人しか入社出来ない会社/二徹三徹が当たり前の世界)で、普通に20時とかに帰り、かつ圧倒的な成果を上げていたことから「手抜きの天才」と言われていた人。私が就職活動をしていた頃(10年以上前ですが…)2chをはじめとするネット上では噂だけが残っていた記憶があります。
元々の種本は「もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法 知恵がどんどん湧く『戦略的思考力』を身につけよ」という2004年出版の本になります。絶版になっていたものの、中古本は1万円近い値段で取引されていたこと、Kindleでずっと安定的に売れていたことから、この度タイトルを変えて再度出版された、という経緯らしいです。なお、手元にある元々の本と見比べましたが、前書きが追加されている程度で内容はほとんど変化ナシです。それだけ内容は当初から完成されていた、ということでしょう
コンサル本にありがちな、フレームワークとか、考え方とかはほとんど出てこず、ひたすら定性的な話というか、著者なりの仕事のコツが書かれています
<参考になった考え方>
経営コンサルタントとして生きていくには、煎じ詰めれば「知恵を出せるかどうか」の一点にかかっている。そして、知恵を出すための基本原理は、物事の本質をつかむこと。そこからコツを引き出し、そのコツを会得すること
コツとは何か。例えば、跳び箱をうまく飛ぶためのコツは「両腕で体重を支える感覚を覚えさせる」ことにある。踏み切る位置はこのへんだ、とか、助走スピードが足りないとか、ポイントを一つずつあげていったりしてはいけない
コツの世界の学び方は、気づきによって学んでいくこと。上司や先輩のアドバイスは無視する。お手本を一つひとつ細かな要素に分解して学ぶのではなくて、全体のイメージからとらえて、自分の気づきによって学ぶ。自分なりのコツをつかむ前に、あれこれ言われ、それをそのまま受け入れてしまう人は潰れてしまう
必要なムダもある。例えばプレゼンであれば、話し手が何が面白いかわかっていないと、メンターも教えようがない。経験を通じて学ぶしかない
弱みの補強はキリがない。一つひとつのテクニックやスキルにこだわらず、全体観あるいは「しなやかさ」で勝負するタイプが強い
戦略の基本は、①差別化が利益を生む、②戦略とは資源配分である。この2つに尽きる
コンサルタントに斬新な手法を求めるのは間違い。何がほんとうの課題なのかを見つけ出すことが大事で、いざ見つけ出してみると「斬新な課題」はまずない。ビジネスの世界には毎年毎年、新しい用語やコンセプトが出てくるけれど、それらの大半はかつてあったものの表現を変えただけ
経営者は常に①腹をくくる(決断する)②抜け道を探す。この2つのどちらか、もしくは両方を考える
ビジネスマンは「お客さんとの人間関係をうまくやれるか否か」で勝負している。そしてそれは経営コンサルタントも変わらない
経営者は非常にマクロの話か、反対にごくミクロな話が好き
仕事は真面目にやりすぎず、いつも三割は手抜きしよう。いま大事だと思っていることは、ほとんど将来には役に立っていない。若手コンサルタントにとって分析は大切な仕事だが、10年後も分析ばかりやっているわけにはいかない。三割は、人生目標とは関係なく、何が好きで何が嫌いか、何をしてみたいかのレベルでやることを決めてみよう
<類書>
私が知る限りにおいてありません。コンサル本は20冊以上読んだと思いますが、本書のような構成をとっている本は過去一度として見たことがないです
<一言感想>
最初に読んだのは社会人1年目で、その時は肩透かしというか、大きな学びが無いなぁと思ったのですが、振り返ってみると一番役に立っている本です。
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